もっと腕磨いたらあたしも混ぜてくれよな! by水菜



「おっす、お久しぶり水菜だぜい。グダグダと前置きするのは好きじゃないから、さっさとゲストに出てきてもらうとするわ。というわけで、カモン!」


『よろしく。ナナシだ』


「おし、よろしくなナナシ!ていうか、ナナシって本名か?それとも単に名無しって意味か?」


『名無しだからナナシらしい』


「そっか。せっかくならあたしが名前つけてやりたかったなぁ。こう、もっとカッコいい奴を!例えば、バニッシュ=デスとか、冥道司めいどうつかさとかさ」


『いや、俺はこれが気に入っている』


「そっか、まあ今さらそんな事言ってもしゃーないしな。とりあえず、お前が何者なのかから聞いていい?なんていうか、フツーの人間からは逸脱した存在な気がするんだが」


『まあ、普通の人間ではないな。死んだ自分の肉体に魂が憑依しているって感じか?既に死んでいるから、滅多なことでは死なない。ほぼ不死身のようなものだな』


「すげぇ!いろんな人間と出会ってきたけど、不死身体質なんて初めて見たわ!足とか腕とか千切れても再生するんだろ!?サンドバックにちょうどいいな!」


『自然に再生はしない。どんなに小さな擦り傷でもな。それどころか、怪我の大きさに伴って、治療時にも激しい痛みに襲われる。だから、よっぽどのことがない限り、大人しくやられることは無いぞ?』


「いや、さすがに冗談だって!バトルは好きだけど、一方的な暴力は嫌いだし。そもそも、不死身体質抜きでもあたしよりもよっぽど強い気がするし。ていうか、他にもなんか能力隠してるだろ?」


『自分自身の能力ではないが、石や木を武器に変えることができるな』


「へぇ、武器を創り出す能力か。便利だな!なんでも創れんのか?ガトリングとか、ハルバードとか、レールガンとか!」


『俺の知識と想像力次第で多分なんでもできると思う』


「その二つの能力があれば大抵の生物には勝てんじゃないか?というかそもそも、お前って何と戦ってるんだ?」


『魔族とかだな』


「お、魔族か!いろんなとこで聞く名前だけど、そっちの魔族って強いの?」


『どれも簡単な相手ではなかったな。俺が死んでなかったら、既に死んでいただろうな』


「ひゅう、いいねぇ!お前でも苦戦するようなバケモノ揃いなんて、凄まじいな!こっちの魔族とは大違いだ」


『何がいいのかわからないのだが…俺は戦いはあまり好きじゃない。のんびり過ごしたいから戦っているだけだ』


「えー!刺激のない人生なんて、パティのないハンバーガーみたいなもんだぜ!?あたしも参戦したいところだけど、ただの人間じゃ歯が立たないんだろうなぁ。あたしなんて、せいぜいパンチでビル一棟倒壊させるくらいの力しかねえし」


『そうだな』


「もっとトレーニングして、次元の壁すら蹴りで砕けるようになったら、加勢しに行くわ!」


『来てもいいが、死期が早まるかもしれないぞ?』


「それで死ぬならそこまでの器だったって事だよ。……で、お前は一人で戦ってるのか?仲間とかいないのか?」


『頼もしい仲間がいるぞ。そいつらのおかげで今の俺がいる』


「そっか。一人で世界を救うのもカッケェけど、やっぱ仲間と力を合わせて戦うってのが王道だよな!せっかくだし、お仲間の紹介もしてくれよ」


『まずテンカは俺が死んだ直後に助けてくれた天界人だ。テンカがいなかったら俺は海の底で一生死ぬことなく苦しみながら過ごしていただろうな。エドとカイマとカオスは元々魔族側だったが色々あって仲間になった』


「いいねいいねぇ!少年漫画みたいであたし好みの展開だ!いずれはあたしもそこに加わるからよろしくな!何年かかるかわかんねえけど!」


『ああ、その時は頼むぞ』


「ありゃ、受け入れられた!?まあ本音はさておき、そっちの世界ってどんな状況なんだ?天変地異が起こって人類が死滅しかかってるとか、異世界からの扉が開いて化け物の大群が押し寄せて来てるとか、そんな世紀末な状況だとやる気出るんだけど」


『ゼノって言う化け物に地球や他の惑星全て破壊された。今は異世界で何とか生き延びている』


「あー、そういう感じかぁ。思ってたよりもスケールデカいな!!まあ、なんつーか、お前らも大変だな。月並みな事しか言えねーけど、頑張れよ?」


『ああ、ありがとう』


「あと、天界だっけか?そこの人らに、あたしの事話しといてくれ。そのうち売り込みに行きますって」


『売り込みってなんだ?まあ、とりあえず伝えておく』


「やったぜ!……さて、こっちで聞きたかったのはそんなところかな。そっちで他に話しておきたい事とかあるか?」


『正直俺は平和とは程遠い境地に立たされている。俺達が平和を満喫できるよう応援してくれ』


「ほいよ。そんじゃあ、ぼちぼち締めにすっか。せっかくだし、なんかガツンとくる締め台詞よろしく!」


『おつかれ』


「シンプル!しかも覇気がねぇ!って、元々死んでるんだから覇気なんてなくてもおかしくないか。てな感じで、今回はお開き!またな!」




 ↓人間、死んでからが本番?


『リビングデッド』


 https://kakuyomu.jp/works/16817139558826451905

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