「これはこれでいいコンビ(?)なんだろうな」 byアレフ
「えーっと、まずははじめましてだな。オレはアレフだ。あんたは?」
『お、おぅん?俺はナナシだ。なんか知らないけど、ここに来いって呼ばれたんだが』
「そっか。そんじゃ、あんたが今回のオレの相手の片割れってことで間違いなさそうだな」
『うーんそうなのか?俺は何も知らされていないが、まあ、片割れでいいか』
「そんで、もう片割れは?予定ではもう一人、テンカとかいう奴が来るはずなんだが」
『おう、ちゃんといるぞ!遅れてすまんな!』
「うお!?どっからか声がしやがる!?」
『俺がテンカだ。今は別の空間にいるんだよ。』
「ああ、あんたがそうかい。ていうか、これってテレパシー的な何か?それとも、空間に声を響かせてるとかそーいう奴?」
『テレパシーだな。お前らの心に直接声を届けてるんだよ。』
「へぇ、すっげえな!なぁナナシ!テンカって何者なんだ!?」
『テンカって確か天界人だろ?あんま人の正体に興味無いからそれ以外はあんまわからないけど、天界人だろ?』
『お前が俺をどう思ってんのかよくわかったよ』
「なるほどな。つまるところ、オレと似たような存在ってわけか」
『何言ってんだお前。てか、お前誰だよ』
『さっき名乗ってただろお前に。なんにも話聞いてないな』
「ああ、いや、何でもねえよ。んじゃ、役者がそろったところでさっそく始めるとすっか」
『よし!任せろ!それで何を始めるんだ?』
『あれ?言ってなかったっけ?取材だよ。俺たちは出された質問に答えればいいだけだ。』
「とりあえず、ナナシの来歴について聞いてみるかな。あんた、ぶっちゃけどーいう存在よ?只人じゃないのはわかるけどさ」
『俺ってどういう存在なんだ?』
『お前自分の事くらい把握しろよ……あるだろほら、お前一回死んで不死身になっただろ』
『あ、なるほど、俺は一回死んで不死身になった存在だ。それで?』
『それで?ってなんだよ』
『他に言うことは?』
『俺に聞くな!言うことないなら以上ですとでも言っとけ!』
『以上です』
「へぇ。それであの世界は"リビングデッド"なんてラベルがつけられてるのか」
『ラベルってなんだよ』
「ああいや、なんでもねえよ。こっちとあっちの話さ。それより続きだ。不自由とはいえ、不死の存在になったあんたの目的は何だ?世界征服?それとも宇宙の掌握か?」
『俺はただ、平和に暮らしたいだけなのに。魔族とかいう奴が地球を攻めてくるからそいつら退治してるんだよ』
『ちなみに俺がナナシを育てたんだ』
「なんだ、フツーに正義のヒーローか。悪党ならオレが片付けてやったのにな」
『正義のヒーローとかではないぞ?自分のために戦ってるんだから』
「それでいいんじゃねえか?ヒーローってやつも、要は自分が悪を許せないとかそーいう理由で戦っているわけだし。それって結局は自分の為だろ。……そんな哲学はともかく、あんたはなんだかんだで世界をひっそりと守っている、と。それだけならよくある話だな」
『よくあったり、なかったり』
『どう返事していいかわからないからって適当に返事するなよ』
「で、久方ぶりの人間界はどうだ?新鮮か?残念か?それとも月並みか?」
『まあ、残念だったよ。みんな自分勝手で、失望した。こんな奴ら守る意味あるのかって』
「まあ、大多数の人間ってそんなもんだしな。でも、なんやかんや言いながらつるんでる仲間もいるんだろ?例えばそう、あの女の子とかさ」
『ユメだな。地球に来て初めて喋った人間だ』
「ほうほう。そんで、二人の馴れ初めのきっかけは?」
『地球を守るべきかがわからずに途方に暮れてる時に声をかけてきたんだよ。地球に来て何人もの人間にあったけど、話しかけてきたのはユメが初めてだった』
「はは、まるでヒロインだな。ついでに聞いちまうけど、他にも協力者や仲間はいるのかい?」
『今はたくさんいるぞ。俺の弱点を探るために送られたスパイとか魔王の子供とかな、一緒に戦っているうちに仲間になってたな』
「いいね、少年漫画的な王道だ。オレも、どっちかっていうと王道の方が好きなんだよな!理由は燃えるから!!」
『燃えるのか』
『ナナシって相槌下手くそだな』
「そりゃ、何百年もブランクあるわけだし、コミニュケーションが苦手でも仕方ねえと思うぜ。っと、そんなこと言ってる間に時間だな。最後に締めとして、それぞれ一言頼むぜ」
『リビングデッド好評発売中!』
『発売してねえよ!今までそんな感じなかったのに急にメタくなったな!』
『こう言っとけば書籍化待ったなしじゃないのか?』
『何言ってんだ?』
『?』
『?』
「それでいいのかと問いたいけども、とりあえずお疲れさん!そんじゃ、これでお開きにするぜ!みんなもまたな!」
↓特異な性質を持った彼が辿り着く先やいかに?
『リビングデッド』
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