「私でもわかる。この人も敵に回したらダメだって!!」 by緋明


「……うん、まあ半分は自業自得なんだけどね?以前のインタビューでも確かにノリノリだったし、責任の一端は間違いなく私にあるんだけどね?」


『どうしたの?』


「どーして今回のお相手も、某アカい国っぽいとこから来た人なのよぉぉぉぉっ!!陰謀よ!!これはトロ〇キー派の陰謀よぉぉぉぉっ!!」


『だいじょぶだいじょぶ、前にどんな人が来たかは知らないけど』


「うん、取り乱してごめんね?アメちゃん上げるから許して?」


『あっ、どうもどうも』


「サ〇マドロップのハッカ味だけはいっぱいあるから、遠慮なくどーぞ」


『なぜハッカ味だけ…』


「というわけで改めて!今回のゲストはこの方です!どーん!!」


『はいはーい!低身長なんでよく幼女と間違われる、ヴィクトーリア・チェルヌィシェヴァでーす』


「はーい、清く正しい労働者諸君は拍手ー!ぱちぱちぱちー。あと、そこの反政府分子っぽい輩は拘束しておいてね!あとで、このヒメちゃんが自ら私刑でもって情報を吐かせるから」


『私刑…?』


「ん?刑の内容を聞きたいの?とっても過酷で、とっても残酷だけど、それでも聞く?」


『えー、聞いてみたい!』


「まあ、訊かれなくても勝手に話すけどね!」


『あっ、そうなんですかー』


「拷問案1!凄まじく美味しそうな食事を、やはり美味しそうに食べる姿を、目の前で延々と見せつけられる!」


『あー、それは辛い…』


「拷問案2!くだらないオヤジギャグやダジャレを、耳元で延々と囁かれ続ける」


『ひえっ…それは恐ろしい…』


「そして拷問案3!これはとっておきだよ!」


『とっておきってことは相当な方法かな?』


「情報を吐くまで、体の各所に釘を金槌で打ち込んでいく!」


『あー、その方法すごい好き!』


「自分で言っといてなんだけど、これが一番好きなんだ……。で、どう?身震いした?」


『あまり身震いはしなかったけど過酷で残酷ねー』


「見た目は可愛いのに、この人、もしかして私よりも闇が深い……?じゃ、じゃあ、話が脱線したけど本筋にもどろっか。貴女はどういう立場の人間で、何を目指しているの?」


『ルースカヤっていう国で魔法を使って戦う魔導兵として人狼の国ウォルフラントで戦ったり、妖狐の国大妖狐帝国で戦ったりして建前は国を守るために本音は戦争を楽しむために戦ってるんですよねー』


「そーなんだ!そして、やっぱりヤバい人だった!ちなみに、貴女が本来いるべき世界っていまどーゆー状況なの?」


『私が最後にいた時は汎スラヴ共産主義者とマルクス・レーニン主義者がすごい争って大変なことになってるの。でも、私は国のトップとして鎮めようとしたんだけど…お腹を撃たれて気づいたら異世界に…』


「なかなか壮絶な経緯だね!大変だったね」


『本当に大変だよー…』


「あとあと、貴女と深く関わってくる人についても、何人か教えてもらっていいかな?もちろん、簡単な紹介付きで!粛清リストに名が載ってたら外さなきゃいけないからね!」


『まず重要な1人は私の幼馴染のセルゲイ・アレクサンドロフだね、彼は私が元々いた国の首相で異世界じゃ魔導副隊長として頑張ってもらってるよ。それともう一人はドミトリー・トカレフくん。トカレフくんは異世界にやってきた私に魔法のことを教えてくれて、そのおかげで異世界である程度暴れることができてるからね』


「オーケーオーケー、把握したよ!ところで憲兵さーん?あそこで必死にメモを取っている男も拘束しちゃってね!拷問内容は、第二十一案目の、話すたびに語尾に"にゃん"をつけるのを強制されるってやつで!」


『語尾に"にゃん"かー』


「いい年下おっさんが、発言のたびに語尾に"にゃん"をつけさせられるって、なかなかの精神的ダメージだと思うの!」


『死にたくなっちゃうやつですねー』


「ちなみに、ダンマリ決め込んだり語尾をつけ忘れるたびに、彼の家族の頭髪が五本ずつ毟られます!やったね!」


『えー、そんなんじゃだめだよー。不穏分子とその家族の首は引きちぎって晒すぐらいしないと!』


「やっぱり闇が深い!え、えっと、不穏分子も何人か捕まえたところで最後の質問だよ!仮に、貴女の辿ってきた道筋が後世に物語として語り継がれるとしたら、見所はどういった部分になるのかな?」


『やっぱり革命が起きたところかなー、あの革命で国が大きく変わってルースカヤが強くなれたからね!』


「はーい、回答ありがとね!じゃあ、拷問もしなきゃだから、そろそろ締めに移ろっか!せっかくだし、締めにふさわしい一言をお願いしてもいいかな?」


『本日はどうもお邪魔しましたー!いろんなことを話せてとても楽しかったです!ありがとうございましたー!』


「うん、グッジョブだよ!それじゃ、今回はここまで!次こそは、アカとは無縁のインタビューで会えますように!まったねー!」









ソビエトマーチやワルシャワ労働歌でも聞きながらご覧くださ――って、これ前にも書いた気がするな↓


ちっこい国家元首が異世界で革命やら戦争やらに巻き込まれた話


https://kakuyomu.jp/works/1177354054917707357

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る