「俺の身近にもこんな先輩がいたらなぁ……」 byレックス


「ようこそ、美人なゲストさん。俺……僕の名前はレックスです!どうぞ、お見知りおきを!」


『こんにちは、奈那って言います。みんなからは奈那先輩とか、奈那ちゃんって呼ばれてます。よろしくね』


「今回はインタビューにお付き合いくださり、大変ありがとうございます!感謝感激の極みです!今なら空でも飛べそうです!」


『ふふ、それは嬉しいよ。でも、今はインタビュー中だから、飛んでかないでね』


「女性を一人置いてきぼりにして、飛んでったりはしませんよ。ついでといってはなんですが、こうして出会ったのも運命、今後も男と女としてお付き合いをお願いしたく――」


『うーん。ごめんね、君には興味がないんだよ』


「バッサリ!じゃ、じゃあ!せめて連絡先とか――」


『ふふ。家の電話のならいいよ。多分、出るのパパだけどね』


「それは勘弁。しかし何故だ!こんなにも容姿端麗で眉目秀麗で、ついでに成績不振で四面楚歌な俺なのに、何故こうもモテないんだ……!!」


『君の魅力をわかってくれる子はきっといるよ。諦めずに探せばね。とりあえず、まずは自分磨きをしてみたらどうかな。直す所はたくさんある、というか、原型残らないかもしれないけど』


「アドバイスと見せかけて、今ある俺を全否定された!?」


『それに気付けたなら一歩前進だよ。おめでとう』


「……。さて、清々しい位に玉砕したところで、本来の役目を果たしましょうかね」


『そうだね。お願いします』


「じゃあ、貴女を巡る物語の題から述べていただいても?」


『はい。私が出ているのは"青に染まる面影を思い出すまで"という作品です』


「ずいぶんと趣のある題ですね。続いて、あらすじ的なものをお聞きしたいのですが」


『この話は、主人公くんが、ヒロインの女の子、と言っても、恥ずかしながら私のことなんだけど、一緒に過ごしていたはずの私が、最初からいなかったことになっている世界で、それでも私を探そうとする物語になってます』


「察するに、ちょっと風変わりな青春の一ページって認識でいいんですかね?」


『そうだね。主人公くんは、最初から私なんていなかった、という目の前の事実と、それでも確かに一緒に過ごした記憶がある、という矛盾を抱えてるんだ。だけど、目の前の事実じゃなくて、私との記憶を、ただ純粋に信じて、ただただ私に会いたいって、もがき続けてくれるんだ』


「ロマンチックですね。失われたものを追いかけて、我武者羅に突き進む少年の物語か。俺には眩しすぎるなぁ」


『ふふ。それは私も同じだよ。眩しすぎて、自分が嫌になるくらい』


「じゃあ次に、その物語を彩る小さな役者たちの紹介もいただけますか?差支えのない範囲で構いませんので」


『いいよ。まずは、一樹くん。私は後輩くんって呼んでるよ。この子が主人公くんだね。あと、その友達の世良ちゃんと司くん、あと未来っていう、私の幼馴染みがいるよ。この子たちが私のことを覚えてるんだ』


「なるほどなるほど。察するに、その一樹ってやつが俺の恋敵ってわけですね!」


『ふふ。私を巡って勝負してみる?私は後輩くんを応援するけどね』


「はは、お呼びじゃないなこれは。割って入れるような雰囲気じゃねえや」


『まあ、まだそんなに大層な関係じゃないんだけどね』


「なんにせよ、自分のためにそこまで必死になってくれる人がいるってのは羨ましい限りですよ」


『うん。そう思うよ。私は本当に幸せ者だ』


「では、そろそろ締めに移らせていただきますね。最後に、このインタビュー記事を見ている方に一言お願いできれば、と」


『はい。この作品は、私が何故、いなかったことになってしまったのか、その謎を解き明かしていくものです。この一つの謎が物語全体を通してのすべての謎に繋がってます。そのすべての謎が解けた時、皆さんはきっと驚いて、そして、最後には感動してもらえる作品になってます。是非、最後まで見ていただけたら嬉しいです』


「はい、ありがとーございましたっと!では、今回はこのあたりで。次回もお楽しみに!僕宛のファンレターやラブレターも、お待ちしてまーす!」







 欠けた青春のピースを追い求め、少年は行く↓


 青に染まる面影を思い出すまで


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054922278685

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