「仲睦まじくて良いコンビですねー」 byクレッセ

「皆様、いかがお過ごしでしょうか。本日インタビュアーを務めさせていただくクレッセですー。今回のゲストは一人と一本という事ですが、どんな方々でしょうかねー。さっそく、名乗りを上げてもらいましょうかー」


『初めまして、主人公のシーク・イグニスタです! 魔法使い……ですけど聖剣で戦ってます』


『どうもね』


『どうもね、じゃないよバルドル。ああ、こっちが喋る聖剣バルドルです』


『おや、代わりに紹介をしてくれたのかい。やっぱりどうもね』


「では、ついでに作品のタイトルもコールしてどうぞー」


『はい! 【emergency】魔法使いは、喋る伝説の聖剣を拾って旅に出る……魔術書も買わずに。』


『聖剣バルドルは、喋る人間に拾わせて旅に出させる……魔術書なんかより剣がいいに決まってる』


『はいはい、主剣公さん目線だとそうだね。なんだかバルドルが考えた方はすっごく押しが強いタイトルに聞こえる』


『押すより引いて斬る方がいいよ、シーク』


『いや、そんな物理的な話じゃなくってさ』


「恋も押し引きが大事って言いますよねー。あと、駆け引きも?それではさっそく、お二人の馴れ初めから伺って参りましょうかー」


『親しくなったきっかけ……まあ、いつもこんな調子だからいつの間にかって感じです』


『こんな事を言いながら、シークは僕をとても大事にしてくれるんだ。おかげで僕も今ではシークなしではいられない刀身になってしまったよ』


『ちょ、ちょっと言い方!』


「仲がいいですねー。新婚の夫婦みたいですねー。じゃあ改めて、あらすじについて教えてもらっていいですかねー」


『魔法使いを目指していた少年が聖剣を拾い、仲間と共に剣と魔法を使いながら強敵や謎と対峙していく王道の冒険ファンタジーです。作者がそんな事を言ってました』


『僕の忠剣っぷりが幾度となくシークを救うんだ。つまりシークは適度に強すぎるモンスターと戦ってくれる。そう作者が言ってたよ、むしろそれを僕は望んでいる』


『鬼か』


「ほうほう。ちなみに、シークさん」


『はい?』


「その剣、私に売ってくれたりしませんかー?この、聖徳太子の書かれた貴重な千円札と交換でどうでしょうかー?」


『その剣だって!? 僕にはバルドルという気高き名があるというのに、その剣呼ばわりとはね!』


『消毒大使……どんなお仕事ですか? それに殲円殺ってなんだかかっこいい技名ですね。貴重な……それが消毒大使の方ですか? その紙はおふだ……いや宗教画? あーその、もちろん売るつもりはないんですけど』


「心配しなくても冗談ですよー。本気にしないでくださいよー、やだなぁ、もう。……ちぇっ」


『えっ、舌打ちされた?』


『うん。剣である僕を前にして舌がある事を自慢するなんてね』


『え、そういう捉え方になる?』


「え?いやいや、何も言ってないですよー?喋る剣があったら、一人暮らしでも退屈しないなぁとか思ったりしませんよー」


『おや、モンスター牧場でも一人で経営しているのかい? だったら僕の出番だ。黙々と斬るのは退屈と言うなら、楽しく話しながら何匹でも斬ってあげるさ』


「安心してくださいー。三割は冗談ですー」


『おや、7割は本気ってことだね。どうだいシーク、君も一緒にモンスターを斬って倒して修行できると思わないかい? しかも退屈しない』


『いや、なんでそんな一石二鳥みたいな言い方するんだよ。俺別に得することないんだけど』


『僕が二鳥とも貰うから平気』


「そんな話はさておくとしてー」


『む、じゃあモンスター牧場の話は後でゆっくり聞かせてもらうとするよ』


「物語の見所とかあれば、語ってもらっていいですかー?十文字以内で」


『ロングソード語でも?』


『俺分かんないんだけど、それ』


「これも冗談ですよー。知ってますか?二度ある冗談は三度でも四度でもあるんですよー?ともあれ、作品についてアピールしちゃってくださいな」


『そうですね、俺とバルドルの緩い会話のやり取りが特に好評だと聞いています。噛み合っているようでいないような』


『僕は歯じゃなくて刃しか持っていないから噛むのは難しい。斬り合っているようでいないようなと言い換えても?』


『そんな物騒な関係お断りだよ……』


「ホントに息ぴったりですねー。運命の出逢いっていうのはこういうのを指すのかもしれませんねー。あー、これ以上長くなるのもあれなんで、このあたりで締めにしましょうか。せっかくですし、お二人から何か一言ずつどーぞー」


『お二人? この僕を人間呼ばわりとはね』


『まあまあ。え~っと、白熱の戦闘シーンと、ちょっぴり皮肉交じりなジョークが詰まった冒険旅をぜひ覗いていただければと思います!』


「ありがとーございましたー。これにて今回はしゅーりょーですー。またの機会をお楽しみにー」








「ところで、シークさん?」


『あ、はい?』


「聖徳太子の千円札がだめなら、夏目漱石の千円札ならどうですかー?」


『なつ……え? ああ、作者が吾輩は猫であるの人って言ってるけど、その、お金みたいな紙切れに人の絵を描くの流行ってるんですか?』


『猫!? そんなのお断りだよ! 猫ってのは僕の鞘で爪を研ごうとする邪悪な生き物なんだ! 自分を猫と名乗るなんてモンスターに心でも売ったのかい? まったく、敵は金なりとはよく言ったもんだ』


『……え?』



↓今回のゲストの登場作品↓


【emergency】魔法使いは、喋る伝説の聖剣を拾って旅に出る……魔術書も買わずに。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054892946749

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