死にたがりの姉

真霜

川遊び

「姉さんどこいくの?」


「川」


「どうせいったって死ねないぞ」


「死ねるかもしれないわ」


姉はそんなことを言って、真夏の朝に出ていった。外は暑くて、熱中症で死んでしまうんじゃないかと、水筒を持たさせていただいた。

きっと川で釣りか水遊びをして帰ってくるとのんきに考えているのだが。少し心配なので様子を見にいくことにした。


「やっぱりか。」

川辺で川の水は涼しいねと言わんばかりの顔で水遊びをしている姉を見つけた。石を投げようかと思ったけど、当たりにに行かれては頭に穴が開きかけないのでやめた。

「姉さん。死ぬ気は起きたのかい」


「川が冷たくて、死んでったわ!」

またパァッと明るく振る舞うので、心配した自分がムウっとした。でも、今日も無事だった。

「魚でもつるべ」

私は姉が溺れていた時のために釣竿を二本持ってきた。引き上げるためにね。

「おぉさすがです。」


「多く釣れたほうがアイス奢りでどうでしょうか」


「おかねないわ」

だろうと思ったよ。死ぬのにお金持ってくるバカはいないからね。

「でもポッケに二百円あったからいいよ!ガリガリ君ね」


「え?二百円あったんでしょ?ドケチだな」


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死にたがりの姉 真霜 @yotsuba_0223

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