クリスマスイブ

大木 奈夢

第1話  クリスマスイブ

12月20日、師走と呼ばれる時期である。もうすぐクリスマス。


クリスマスはキリストの降誕祭とも言われる。キリストの誕生日は別にあるらしいのだが、キリスト教においてはともかく特別な日なのだろう。そして男女にとっても特別な日。


しかし俺にはもう縁のない季節と言える。五十を過ぎて女と縁がある方が、不思議としか言いようがない。縁があると豪語する人の話を聞くと、殆どが風俗である。


クリスマスをどう過ごそうか? それが今の俺の最大の命題だった。


この年になってもやはり、クリスマスを一人で過ごすのは虚しさだけが残る。


そして12月24日、クリスマスイブを迎えた。


その時の俺の最大の命題は有馬記念に呑み込まれてしまった。それでも一人だけという虚しさを馬達が薄めてくれた。


キタサンブラックに武豊、最高の組合せ。


2017年のクリスマスイブである。


尚、この後キタサンブラックは引退した。俺もそろそろ引退の時期かも。女も人生も……。


このように俺のクリスマスイブは、世間の華やかなイメージとはかけ離れていた。

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クリスマスイブ 大木 奈夢 @ooki-nayume

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