とある世界のとある人物による…

ぽいふる

結城楓の場合

日常

 俺の生活はそこまで良いとは言えない。大学には単位を取りに毎日通い、その後に家賃やらなんやらの諸経費及び生活費を稼ぐためアルバイトに行く。でも別に親からの仕送りが三か月置きに入るので自分のことは苦学生だとは思っていない。

 そして今日も今日とて朝にこんなことを書いてはせっせと大学に通わなければならない。たまには休んでもいいだろうと思うこともあるけど、そんなことしていては少しずつだらしない人間になるんじゃないかと思って出来ないでいる。でもいずれはしたいという願望はある。さて、今日も単位を取りに大学に行くとしますかね。


 一限のある教室で、イヤホンをしながらお気に入りの音楽を聴きながら座って授業の開始を待っていると隣に誰かがきて俺の肩を軽く叩き、背負っていたリュックを下ろして椅子の下に入れながら座った。

「よっ、今日も疲れた顔してんね」

「まあな、そんな元気ではないかもな」

 俺はイヤホンを耳から外し、適当な返事であしらう。彼は俺の言動は気にせずリュックからノートやら筆箱やらを出す。

「そういや課題やった?」

「あーあれ?一応終わらせては来てるけど」

「まじ?ちょっと見せてくんね?」

「ああ、はいよ、500円ね」

「えー、そんなこと言わずに見せてくだせえよ…」

「しょうがねえなあ…ジュース一本な」

「ああ!神様仏様楓様!!」

 大げさにリアクションを起こしながら彼は俺のノートを見始めた。

 彼は別に悪いやつじゃないし、普段は仲良くさせてもらっているからこれぐらいは全然許せる。それにその分彼に助けてもらうことがあるからいいのだ。人と人は助け合って生きていくものだからね。


 そんなこんなで彼も課題を提出でき、今日も平穏無事に時間は過ぎていく。あまりにも変わらない日々にたまに辟易してくるが、逆にこれはこれで平和でいいのかもしれない。急に世界が終わるなんてこと、あるかもしれないしね。

 なーんてことを思いながら今日も今日とてせっせと働きにバイト先へと向かう。人間生きるためには働いてお金を得なくてはならないのですよ。はあ…だるいなあ…。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

とある世界のとある人物による… ぽいふる @poihuru

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る