隠した真実

 少年は、思う、ひたすらに、尊敬したから。

愚痴がこぼれていく、溢れていく。


 あなたが最初に師匠と呼べと言ったじゃないですか?

 あなたに合わせることがどたれだけ、大変なことだったか。

 雨が降っていない日ですら雨がやまないと言うのですから。

 あなたの死体をもし見つけていたとしても幼心は、わかっていたんです。


ーあなたがいなくなることを。


「尊敬していたのですよ誰よりも、何よりも」

 でも、よかったです晴れて。もしかしたら神様っているかもしれないですね。

 その言葉たちは彼女にはもう届かなかった。

 死体の入った賽銭箱をなでる。

 心霊スポットであるその神社に誰も近づかない。靴を脱いで神社に上がればきっと足元が悲惨なことになっていたから靴をぬがなかった。さびれた神社を出ようと片手におさまる階段を下りる。クモの巣やすすだらけ。

 彼は驚いた、急な雨に戸惑う。

 天気予報はこまめに見るタイプなのに。

 それでも彼は走ることもせず一歩一歩今日を忘れないように神社の鳥居をくぐったのでる。



「お帰りなさいそしてさようなら叔母さん」


 きっと、あの人なら、

『叔母さん?って言わないの!師匠と呼びなさい!』

 なぜいなくなったのに笑えるんだろうか。でもたぶん思い出の方が多かったからかもしれない。


 これを言葉でくくるとするなら敬愛というやつなのだろうか。

 誰も答えはくれることはなかったが、この雨がきっと最後のお別れの涙を隠してくれた。


僕はそうただ濃くなくとも血の繋がる師匠を信じて自分の時間を歩いていた。


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神社の来客(この物語題名よく変わります) 313 @313satomi

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