第7話
帝国東方における軍事的、外交的、経済的に優越とフリーハンドを得た。
即ちこれから力を向けるのは内か西になる。
戦争を繰り返した事を勘案すると次に差し向けるべきなのは内政。財政は黒字なものの金があれば今すぐ兵士と武器と物資が現れる訳では無い。
「これより俺の命令までは侵略を行わない。防衛戦争のみとする。勿論アレは喰らうがそれは数年後の話だ。ウィレム、条約の内容を」
「はい、陛下。手元の書類をご覧下さい。」
1、レマリア皇帝によってササン朝の王は承認される
2、レマリア皇帝レオ二世とハッサン一世の娘サラは婚約する。
3、ササン朝ペルシス王はレマリア皇帝の求めに応じて軍を派遣する義務を有する。
4、北突とササン朝とレマリア帝国は恒久的な不可侵かつ軍事同盟を締結する。
5、北突可汗はレマリア皇帝の求めに応じて騎兵を派遣する。
6、レマリア皇帝は同盟国の要請に対して兵を派遣する
7、同盟盟主はレマリア皇帝とする。
「の以上です。ササン朝ペルシスは信仰の自由を認め首都に大聖堂の建築を認めました。」
「オリエントの盟主になられる訳ですね」
「そうだ、カタリナ。更に婚儀についても進める。」
ファールス戦の予定がある故、結婚式はこの戦争が終わったら〜になりかねない。
それは宜しくない。
「帝国の粋を集めて盛大なものとする。期日は12月22日をカタリナ、23日をサラの結婚式を行う。」
半年後。皇帝の婚姻としてはかなり急だが仕方あるまい。
「そして、祝祭日を超えて26日はササン朝へ赴く。良いな。」
†
「神が我らに与えたもうた皇帝陛下万歳!」
豪奢な四頭立ての馬車から正装し、隣にカタリナを座らせた俺は民衆に手を振り歓声に応える。
「皇后陛下万歳!」
珍しく、頬を染めたカタリナは幸せそうに見えた。俺の物だ不幸にはさせない。
帝都の大聖堂にて、態々呼び寄せた教皇に式典の進行させる。
誓いを交わし、晴れて2人は夫婦となった。
国内外から多数の要人を招いた祝宴は先代、先々代の皇帝よりも盛大なものとなり、新皇帝の威厳を世界に見せつけたことになる。
そして、初夜を迎え結ばれる事になった。
「おはよう、カタリナ。」
頬にキスを落とすと恥ずかしそうに顔を赤らめ、シーツで身を隠す。それを見て、メイドを呼び出し片付けとカタリナの面倒を任せる。
身を手早く清めるとすぐ様サラの元へと向かった。
†
12月26日ササン朝ペルシス
「我らがシャー・ハン・シャー万歳!王女殿下万歳!」
民衆に紛れ込ませたサクラが歓声を挙げそれに釣られ全員が歓声を挙げて歓迎する。
パフォーマンスとして、肩を抱き寄せ頬にキスをする。それに一際大きな完成が上がり民衆は完全に帝国とササン朝の友好を歓迎した。
「レマリア帝国と我らに1000年の友好を!」
ササン朝の貴族達もそれに呑まれ歓呼の声を挙げる。
「…無能だな。」
「陛下?」
「気にするな。独り言だ」
国境部の複数の諸侯は反レマリアである。ササン朝の領土が取り込まれる時に第一陣となり、封建君主としての権力を喪うからだ。
優秀ながらも中央とは不仲のカワード将軍等は親レマリアであり、ここまで護衛の兵力を2000も出している。
暫くして拝火教式の婚姻の式典が終わり、祝宴が過ぎ初夜を終えると朝を迎えると直ぐに使用人に速やかに片付けと用意をさせる。
レマリアの帝都へ戻らなくてはならないからだ。これから先は戦争準備を始める。屯田兵や複数の軍団が参加する大規模なものとなる為に綿密な準備が必要となる。
可及的速やかに終えなくてはならない。
御者は馬車のスピードを上げた
帝国再興の英雄皇帝 佐々木悠 @Itsuki515
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