VirtualYouTuber煌ナユタの雑談

清泪(せいな)

雑談エンタテインメント


「こんナーユー! VirtualYouTuberのきらめきナユタです! みんな久しぶり! 元気にしてた?」


【ナユタおかえりー!】

【待ってたよ!】

【久々すぎて通知二度見したわ】


「いやー、ほんと久しぶりの配信になっちゃってごめんね! ちょっとね、風邪ひいちゃって、体調がしばらく悪かったんだよね。それに、来月のライブイベントの準備もあって、レッスンがめっちゃ忙しくてさ……」


【ライブイベント!?】

【レッスン忙しいのか!】

【風邪もつらいな】


「もう、Vチューバーあるあるだよね、配信できない理由が体調不良とレッスン漬けで、あっという間に時間が過ぎちゃうんだもん。正直、レッスンの時は声も出しづらくて、配信しようと思っても『あ、今日はちょっと無理だな』ってなることよくあるよね。」


【あるあるすぎて笑う】

【レッスン忙しそうだもんね】

【無理しないでね!】


「ほんと、体調には気をつけないとね。さ、でも今日はめっちゃ話したいことがあるから、たっぷり語らせてもらうよ! みんな、準備はいい?」


【たっぷり、期待】

【テンション高くね?】

【正座待機中】


「今日の雑談テーマは、ミステリー演劇! みんな、ホテルを貸し切って体験するリアルミステリーって聞いたことある?」


【演劇キター】

【参加型ミステリーとか?】

【なんか聞いたことあるかも?】


「そうそう! お客さんは観客として事件の推理を楽しむんだけど、舞台はなんと孤島のホテル! もう最高じゃない? まさに探偵が事件に巻き込まれそうなシチュエーション!」


【なんか豪華】

【何とか少年の事件簿っぽい】

【行くだけで怖そう】


「実は、私ね、知り合いのイベントスタッフさんに招待してもらって、特別に参加させてもらったんだよ。普段はこういうのってチケット争奪戦らしいんだけど、『Vの視点でレポートしてもらえたら面白そう』って言われて!」


【え、ナユタVの力使ってんじゃん】

【コネやん】

【リアル探偵役じゃんそれ】


「ま、まあ、確かにちょっとコネみたいなとこはあったけどさ! でも、そのおかげで関係者向けのリハーサルも見せてもらえたんだよね。いやー、なかなかレアな体験だった!」


【リハ見れるのスゴい】

【貴重じゃんね】

【うらやま】


「リハーサルを観るために前日入りでホテルに着いたんだけど、その日はリハーサルの時間に合わせて遅めの到着だったから、観終わったあとそのまま部屋で寝ちゃったんだよね。それで、イベント当日はまず館内ツアーがあって、それがもう雰囲気バツグン! 豪華なダイニング、シャンデリアのあるロビー、古い書斎とかもあって、『あ、ここ絶対重要な場所だな』ってワクワクしちゃった!」


【めっちゃ楽しそう!】

【推理小説の舞台そのまんまやん】

【もうそこで住みたい】


「でね、物語の導入として、ホテルのオーナーが『今宵、この館では殺人が起こる……』って不気味に宣言して、そこから演劇がスタートするんだけど……いやー、役者さんの演技がすごいの!」


【オーナー、犯人やん】

【いや、死亡フラグ】

【そんなん聞いたら泊まらんて】


「しかも、これ普通の舞台演劇じゃないの! ホテルのいろんな場所で同時進行するんだよ! だから、観客は実際に館の中を移動しながら、異なる視点で事件の断片を見ていくの!」


【うわ、それめっちゃリアル】

【RPGのNPC視点みたい】

【プレイヤーごとに体験変わるやつか】


「そう! たとえば、書斎ではオーナーと使用人が何やら秘密の話をしてるし、バーカウンターでは探偵役がウイスキー片手に『この事件、何かがおかしい……』とか言ってるの! で、それを観客が自由に見て回れるの!」


【神演出すぎる】

【没入感ヤバそう】

【それ、普通に住みたいやつ】


「私もどのシーンを追うかめっちゃ迷ったよ! 『え、あっちで揉めてるの何? でもこっちでは悲鳴が……!』みたいな。まじで探偵気分を味わえた!」


【めちゃいいじゃん】

【面白そう】

【重要なポイント見逃しそう】


「で、ついに事件が発生するシーンは鳥肌モノでね、被害者役が倒れて、探偵役が推理を始めるんだけど、これがまたおしゃれな演出で! なんと立食ディナーを楽しみながら、観客が推理シーンを観るって形式だったの!」


【え、めっちゃいい演出】

【ディナーショーみたいな感じ?】

【優雅に飯食いながら殺人事件解決すんのか】


「もう最高だったんだよ! まずさ、ディナーがもう贅沢そのもの! だって、高級なフィンガーフードが出てくるんだよ? フィンガーフードって、あれ、ちょっとした演出も加わっててさ、ただ食べるだけじゃないんだよね!」


【お、おう】

【どんどん語り出したぞ】

【ナユタのオタクトークが炸裂中】


「で、たとえばね、チーズの盛り合わせに、ミニサイズのブリオッシュが添えられてるんだけど、そのブリオッシュが、もう! ほんとに! ふわふわで、しっとりしてて、で、チーズとの相性が完璧で、あの一口で全てが満たされるんだよね! 食べてみて、うわ、これ完全に犯罪級! って思ったもん!」


【演劇に集中しろ】

【おい、食レポ始まってる】

【美味しそうだけど関係ない】


「そしてさ、そもそも、ディナーを楽しみながら推理を観るっていうスタイルが、私にとってはまさに理想の推理劇! だってさ、推理の合間にさ、また一口食べると、あれ? これって犯人の気持ちがちょっとわかるかも? みたいな気分になってくるんだよ! 私だけかな?」


【完全に食い意地】

【イベントレポより料理トークが熱い】

【いや、それでもめっちゃ分かる】


「そう、だから途中でさ、私、完全に演劇の推理もどこかに飛んじゃってたんだよね。もう! だって、料理が美味しすぎて、食べることだけに集中しちゃってた! でも、まあ、犯人が明かされたときには、もちろん私も本気で『誰だ!』って感じだったよ!」


【見逃してんじゃねぇか】

【迷探偵誕生】

【お腹すいてきた】


「いやー、ほんと、あの演出は最高すぎた。あんなディナーショー初めてで、まさにミステリーファンにはたまらん演出だったね!」


【最初のオタクトークに戻った】

【よし、推理始めて】

【料理の感想はもういいから】


「で、推理シーンが進んでいって、ついに真相が明かされる——ってところで、会場がざわついたんだよね。」


【え?】

【ざわついた……?】

【いやな予感】


「最初は、演出の一部だと思ったの。でも、様子が変でね……。被害者役の役者さん、推理シーンが始まる前からダイニングの一角で椅子に座って『死体役』としてじっとしてたんだけど——急に、その身体が、がくんって崩れ落ちたんだ」


【え……?】

【演出じゃないのか?】

【いや、でも……】


「その場にいた誰もが一瞬『ああ、リアルな演技だな』って思ったの。だけど、探偵役の役者さんが一歩近づいて、様子を見た途端、表情が変わった」


【え、これ怖い話?】

【怖い怖い】

【気絶してる?】


「誰かが『大丈夫ですか?』って声をかけても、返事がない。スタッフが駆け寄って、会場が一気に騒然となった——そう、あの瞬間、私は気づいた。これは演劇じゃない。本当の事件が起きてしまったんだって」


【うわぁ……】

【マジで……?】

【えぐい】


「事件が起きたあと、警察の事情聴取を受けて、ホテルの外に出られるようになってからも、ずっと考えてたんだよね。誰がやったのかって。すっかり、名探偵の気分になってたからさ。もちろん、最初は私もわからなかった。でも、思い返してみると、気になる点がいくつもあったんだ」


【来たぞ名探偵ムーブ】

【ここから推理タイムか】

【ワクワクしてる場合じゃないんだけど】


「まず、一つ目。リハーサルと本番で演技が違っていたこと。事件の前日、関係者向けの通しリハーサルを見せてもらってたんだけど、そのときの被害者役の演技って、本番とは微妙に違ってたんだよね。リハーサルでは、首を絞められる演技のとき、ちゃんと苦しそうに喉元を押さえてた。でも、本番では……それがなかった」


【あ……】

【え、なんで?】

【確かにおかしい】


「普通なら、絞殺されるシーンって、それっぽく演じるじゃん? でも本番では、ただ目を見開いたまま崩れ落ちた。しかも、その後も妙に固まっててさ……」


【いやそれもう……】

【リハでは生きてたのに、本番では……】

【うわああああ】


「二つ目。暗転のタイミングで、一瞬だけ消えていた人物がいたこと。推理シーンの直前、演劇の進行上、館内の照明が一斉に落とされる演出があったの。でも、その直前にね、客席側にいたある人が『ちょっと小道具を確認してくる』って言って、舞台袖の方に行ったんだよ。で、暗転して、しばらくして照明が戻ったときには、その人はもう元の位置に戻ってた。私はそのとき、全然気にしてなかったんだけど……よく考えたら、その間に何をしていたかは、誰も見てなかったんだよね」


【え、それ完全にヤバいやつ】

【その人、やったんじゃ……】

【推理劇の暗転って、つまり……】


「そして、決定的だったのが推理劇の途中で、ほんの短い間だけ、また舞台が暗くなったこと。普通、暗転ってシームレスに切り替わるものじゃん? でも、本番では、一瞬だけ変な間があったんだよね。照明が消えた後、すぐにスポットライトがつくはずなのに、何秒か遅れた」


【あっ……】

【まさか、その間に……?】

【つまり、犯人は……】


「そう。あの一瞬の暗闇の中で、何かが起きてたんだ。リハーサルとの違い、暗転中に消えていた人物、推理劇の微妙な暗転のズレ……。全部が繋がったとき、私は確信した——犯人は、私の知ってる人だった」


【やめてくれ】

【えぐい】

【そんな……】


「私は警察に話した。でも、事件から数週間が経っても、犯人はまだ捕まってない。証拠が足りないのか、それとも……だから、私はこの配信で告発することにした」


【え!?】

【大丈夫なの?】

【まじで言うの?】


「犯人の名前は——」


(画面が一瞬フリーズする。ナユタの口が動いているが、音声がブツッと途切れる)


「……お前がやったんだよ」


【え? 今なんて?】

【聞こえなかったんだけど】

【回線バグった?】


「さて、今日はこの辺で終わりにしようかなー。いやー、事件が起きちゃってさ、案件レポ配信ボツになっちゃったの痛いよね? どうしよっかなーって思ってたんだけど、話せてスッキリした! みんな、聞いてくれてありがとー! 次は体調のいい日にやろっかなー。あ、そうそう、ストーリー途中のあのゲームの続きも気になるしね! じゃ、次の配信でまた会おう!」


【おい待て! 名前聞こえなかったぞ!?】

【え、バグ? 仕様?】

【誰か巻き戻して確認して!!】


「それじゃあ、おつナーユー!!」

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VirtualYouTuber煌ナユタの雑談 清泪(せいな) @seina35

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