レビュー

 以上、ボルカルスプレイレポート(小説風)をお届けしました。以下はレビューです。

 作戦級、あるいは戦略級シミュレーションがお好きな方なら、お勧めです。ただし、事前準備が結構面倒(慣れて、みんなで分担して並べていけば時間は短縮できますが)なので、サクッと遊びたいとはいきません。それに、できれば4人で遊んだほうが楽しいです。そういう意味でも軽いテイストではないと言えます。

 また、「怪獣になって暴れたい」あるいは「怪獣と戦いたい」という方にもお勧めです。大いなる破壊衝動とそれに立ち向かう力というのは、人類普遍のテーマであると思います。ゆえに太古の神話からウルトラ怪獣やゴジラまで、その手のお話には事欠かないわけですし。

 運の要素は、計6つの予兆タイル(各ラウンドの最初のイベントでカードがオープンされ、書かれている内容が予兆タイルの置かれていたマスで実行されます。内容は全て人間側に不利な内容です。)がどこに配置されるか、要人コマはどこに配置されるか(避難させれば資金が増えるため、重要です。)の2つだけ。逆に言えば、怪獣と人間の知恵比べになります。

 そういう意味では、怪獣が人間の相談を聞けてしまう(マニュアルでわざわざ『怪獣役プレイヤーに隠さないように』と注意書きまでされています。)、そして怪獣のアクションカード配置が人間の後なのは、怪獣側にかなりのアドバンテージが入ります。『潜水艦ゲーム』でどこを狙うか丸分かりってことですよ。しゃべらずにカードは置けますけどね。

 一つ、書いておかなきゃいけないことがありました。特殊冷凍弾のことです。プレイレポートでは、いい加減長くなってきたので1回の攻撃でボルカルスを沈黙させましたが、実際は何発も撃たなきゃだめです。

 人口降雪作戦は……ダメ押しとしての意味はあるかな。調査トラックが30まで行くと、攻撃タイルを防衛トラックに1つ置けるんです。これも長くなるのでカットしました。

 あと、消防ヘリ! なんでノーコストなの? しかも消防隊コマを飛び回らせられるし。人数が少ない場合は消防総監を入れないと、人間側はかなり不利になると思います。

 各種アイテムはよくできていると思います。欲を言えば、市民コマとか進化タイルは予備が欲しかった。


 この『kaiju on the earth』、シリーズ化の予定だそうです。次はどうも海の戦いのようで。『シン・ゴジラ』風ではないことまで明かされています。となると人間側は轟天号かノーチラス号か、はたまたムーの白鯨か。アトラスガ○ダムは……違うか。楽しみに待ちたいと思います。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『ボルカルス』プレイレポート(小説風) タオ・タシ @tao_tashi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ