タオ・タシと申します。
今期は『荒野のコトブキ飛行隊』を視てまして、ざっくりあらすじを書くと、異文明(多分日本)が干渉して去っていった後の異世界で、遺された技術の一つであるレシプロ戦闘機を駆って空賊などに立ち向かう主人公たちをえがいた作品です。これが世間的にはあまり評価が高くないんですが、「なんでだろう結構面白いのに」とつらつら考えてみたら、空戦シーンかなあ、と。
空戦はしっかり描けていて、ビームが当たるとなぜか爆発したり、ミサイルを一斉発射(リアルでは牽制目的以外ありえません)したらグネグネ燃料の無駄使いをしながら敵に向かって飛んでいくなんてこともない――そもそもWW2の旧日本軍機しか出てこないのでミサイルはありませんが――のですが……分かりにくいんですよね。何がって、味方機の個体識別ができないんですよこれ。全機隼一型に迷彩塗装で、パーソナルマークは垂直尾翼に描かれてますが、誰がどんなマークなのかという紹介的場面もなし。もちろん操縦シーンが時々入りますが、引いた画面ではどれがどれやら。
その点、ガンダムシリーズは分かりやすいですよね。主人公はほとんどがワンメイクの特別機(ド派手な全体塗装)、味方と敵は色分けされてることも多い。
「ロボットものと一緒にすんな」? じゃあ、『エリア88』と比べましょうか。「傭兵部隊ゆえ、機体は各自が自分に合った機種を購入して参加している」という、なるほどと思わせて実際にはあり得ない――整備兵が過労で死ぬわ!――設定で、キャラを見分けやすくしています。主人公のカザマ・シンは最強格のパイロットですし。キリエ(コトブキの主人公)、強さ的には中の上か上の下なんですよね。それもつまんないのかな、最近の風潮からすると。
文章を書いている身として、絵が無い以上、キャラの書き分けには注意しなきゃな、個体識別してもらえなくなるなと考えさせる一品でした。
では。