霊感のある凌は、中一だというのに怖がり。そんなところへ、大好きな兄が『黒鎌鼬の呪い』にかかってしまう。この恐ろしい呪いは、かかった人間を一週間後に殺すというのだ。
凌は図書室で資料を調べ、そのときに知り合ったちょっとおかしな銀水先生の助けをえて、見た目は子供、中身は老人の美少年な鬼『冴鬼』と契約する。そこへシスコンの地団駄美少女・蜜花も加わり、図書室を基地に呪いを解くための凌たちの冒険が始まるのだ。
まず、中心となる気の弱い霊感少年とおかしな小鬼がコンビが楽しい。ちょっとズレたヒロインや、変人の先生など、脇役も個性的。
街に古くから伝わる呪いを解くために謎を解き、怪異を退ける。でも、それだけじゃなくて、冴鬼や蜜花との放課後の活動とか、図書室での作戦会議とか、ネコとの絡みといった、ストーリーに直接関係ないような無意味なパートこそが楽しい。
そして、怪異と、街に伝わる呪いに、きちんとストーリーが用意され、謎解き要素もあいまって、まるで凌たちとともに学園生活を送っているような錯覚を起こす。
人を何人も殺すほど強烈な呪いを相手にしているのに、愉快な仲間が怖がりの凌を勇気づけ、その凌こそが呪いを解く力を持つという展開も熱い。
暗闇のように恐ろしい呪いの物語なのに、全編に流れる彼らの活躍はまさに目映い光であふれ、闇の深さがまるでその光の強さを映えさせているかのようだ。
呪いの力が増せば増すほど、彼らの光も輝く。
よーし、週末までに呪いを解いて、カレーを作ろう!