第6話 現状と想い

「お前、すごい食べっぷりだったな」


 お腹もいっぱいになり甘めの烏龍茶ぽい飲料をすすり始めた頃、星斗せいとが口を開いた。無表情のままだが、声は呆れの色を含んでいる。

 だっ、だって! 黄金のチャーハン、すごく美味びみだった! 卵のご飯への絡み方にも舌が踊った。玉になっている感はなくてあそこまで半熟感を残すのは、相当の腕だ。しかも、野菜の炒め方が秀逸。

 米は普通に至高食材だと思うが、これほど舌がとろける料理は初めてだ。


「なんとでも、言えです。はぁ、満腹。こんな幸せ作る、料理人さん、すごいです」


 服の下、あり得ないほど膨らんでいるお腹を撫でる。そして、ここまでになって、ようやく私は周囲に目を向けられるようになった。

 丸窓の外はどっぷりと日が落ち、ホーキッキホーキキという奇妙な鳴き声が聞こえている。セミともホトトギスとも考え難い鳴き声だ。

 

「お腹ふくれたら、落ち着きました。本当に」


 いい加減、現実逃避はやめよう。ここは日本じゃないどころか――異世界なのだろう。

 改めて星斗やぼうちゃんたちの服装を良く眺めてみる。印象は中華服っぽいけど、明らかに古代中華にタイムスリップしたとは思えないデザインだ。

 それに、部屋を見渡せば道具や家具も、魔法みたいなものが多い。例えば、優しいあかりを灯しているランタン。薄い色ガラスの中にあるのはロウソクでなければ、油でもない。どうみても、マリモみたいな光の玉が浮いているのだ。なんかふよふよ上下左右に動いているし。


「よかったわ。わたくしも、今日の焼飯は特に絶品だったと思いますわ。庶民的料理であっても、あの者の手にかかればこの通り。けれど、わたくしは小籠包の方が美味でしたわ」

「それを言うなら、野菜の炒め方が俺の舌を唸らせる感触だったな。朔とやら、そこの感想はないのか」


 私の勝手な呟きに、望ちゃんが愛らしく自慢げに鼻を鳴らし、星斗が自慢げに酒の杯を掲げて揺らした。

 鼻の奥がつんとする。もしかしなくても、望ちゃんの良かったと星斗の文句は私に向けられたものなのだろうか。考えて、喉が渇いた。


「私に、話しかけてる、ですか?」

「えっ? えぇ、もちろんですわ」


 望ちゃんが年相応のあどけない調子で瞬きを繰り返す。すぐさま、凛とした表情に戻ったけれど。

 ふと思った。お父さんがいなくなってから、こんなにお腹が満たされたのはいつぶりだろうか。食事を与えて貰っただけでなく、だれかとのは。


「少なくとも、この場で食を共にしている『朔』という奴はお前しかおらん」

「そうですよね。えへへっ」


 それだけで、私はもうこの場にいる人を疑わなくても良いんじゃないかと考え始めていた。

 我ながら単純だと思う。それでも、同じ食事の美味しいを一緒にわかちあえたのが、目が湿るくらいにはすごく嬉しい。

 もう正直、ここでお前を殺すって言われても良い気がした。暴漢から救ってくれて、柔らかい寝床を与えてくれて、最後に腹を満たしてくれたのだ。……いや、まぁ、この歳で死んでしまっては、あの世でお父さんにあわせる顔がないかもだけど。


「ごちそう様でした」


 ぱちんと両手を合わせる。

 本当に、ごちそうさまでした。水さえ飲めなくて騙されたのに、今はこんなにも満たされている。

 お父さんが教えてくれた。いだきますもごちそうさまの意味も私の中に自然に存在する。それは、異空間にきたって変わらない。


「なんだそれは。食事の初めに呟いていた言葉も気になったが、聞きなれない音だな」


 あれは疑問のまなざしだったのか。通りで、神荼しんとさんが殺気だったはずだ。きっと呪術を唱えているとでも思ったのだろう。

 不思議そうな目を向けてくる星斗に、両手で空の皿を示す。


「いただきますも、ごちそうさまも、食材や食事を作ってくれた人、食べさせてくれた人に、感謝。空になったお皿たち、笑みが浮かぶ。私の栄養になってくれるもの、全部へのお礼」


 微笑むと、口の中に美味しさが蘇ってきた。

 昔、お父さんが教えてくれた。いや、自然とそう考えられるような見本がお父さんだった。


「お前がいた国では、神や王にではないのか?」


 尋ねてきたのは神荼しんとさんだ。顎髭を撫でながら、眉をしかめている。落ち着いて改めて見ると、筋肉隆々でいかつく威圧感があるが、目つきは意外にも優しい気がする。

 これ以上、なんて説明すれば良いのか。まぁ、変な言い回しはしないで、事実を伝えるか。


「それは、人それぞれ。宗教や慣習、家庭環境によって、いろいろ。私がいた国は、八百万の神、感謝するが沁みついてる」

「やおよろず?」

「つまりは、自然、全部への感謝。それ、無宗教言う人いるけど、日本人古来からの、信仰。あらゆるものに、感謝。作物、水、火、道具、全部」


 私がお礼を捧げるのは、私の栄養になってくれる食物たちや身の回りの全部。それを作ってくれる料理人とその場を設けてくれた人。あらゆる繋がるもの。

 神荼さんがなんか神妙な顔つきで俯いてしまった。その背中を郁塁うつるいさんが軽く叩く。見かけによらず、神荼さんは繊細なのかもしれない。今のやり取りの中で落ち込む要素があったかは甚だ疑問ではあるものの、文化の違いはいつだって不思議がいっぱいだ。


「さて。そこまで我々と異なる価値観と持つ朔様。あなたは、どこからきたのですか?」


 興奮した様子で椅子を鳴らしたのは郁塁さんだった。

 斜め横の星斗に突っ込まれた米菓子の甘い余韻に浸っていた私は、意表をつかれてしまった。呆けて彼を見上げるしかない。

 それでも彼は私を見つめ続ける。


「表現、あってる、わからないです。でも――」


 私自身、言葉にするには迷う。

 それでも、さっき考えたみたいに、ここが日本や古代中華だと肯定する要素の方が少ない。


「日本、いう、国です。みなさん、ご存じですか?」

「お前、疑問に疑問で返すのはやめろ。この国で目上の人間には無礼極まりない行為だぞ」


 星斗にぴしゃりといさめられた。

 えぇ、私の国でもそうだと思いますよ!

 無表情で頬杖をついている星斗に無言で向き直る。

 「拗ねるな。事実を教えてやっただけだろう」と恐ろしい笑顔を浮かべられて、烏龍茶っぽいものを飲み干した。拗ねていない、ムカついているだけだ。


「あぁ、やはり。日本というのは、我々の世界で言うところの『鬼門きもん』の内側にあると言われる世界なのです。しかし、朔様にはこちらの世界で仙女が纏う仙功せんこうも感じるのが摩訶不思議なところ」


 郁塁様の視線はとても優しい。それと同時に、とても居心地が悪い。なんだろう、これ。自分を視られているようで、違うような変な感じ。

 意義を申し立てたのは、安定のというかお決まりになった神荼さんだった。


「だから、おかしいだろう。鬼門奥の世界は、遥か昔にこちらとの縁を切られているのだぞ!」


 椅子を鳴らして立ち上がった神荼さんは、叫び終わるのと同時に肩を震わせて俯いてしまった。

 私にも経験があるからか、なんとなくわかる。まるで自分から出てしまった言葉を認めたくないと言わんばかりの態度だ。

 

「神荼、望の予言を疑うのか? 目の前の現実を闇雲に否定するのは、俺たちが宿望し必ず成し遂げるべきアレの可能性をひとつ潰すことなるのだぞ」

「そうですよ、神荼。貴方はそろそろ気持ちを切り替えるべきで――」

「星斗はともかく、郁塁! 現状を受け入れる方がどうかしているだろうが!」


 まさに中国史の武将という神荼さんが大粒の汗を流している。

 神荼さんは、私と目が合うと左目の少し上にある傷を押さえた。ぱっくりいっているように見える傷は、先ほどよりも浮き上がって見える。ただ、先ほどまでは薄っすらわかる程度の古傷だった。

 私の足首にも同じような痣みたいなものがある。体温が上がった時にだけ現れる痣のようなソレを、お父さんは生まれつきだと言っていた。


「あの時! 鬼門が塞がってから、内側から人が遡ってきたことなどない! 逆もしかり!」

「それは私も知っています。けれども、これまで起きなかった現象が、今日以降起きないとは限らないでしょうに。縁が切れていると考えていたこと自体が誤りではないと、神荼は言い切れるのですか?」

「それこそ、郁塁は知っているだろう! オレがありとあらゆる術を試しても、決して鬼門が開かなかったのを! オレより年若いお前が耄碌もうろくしたかっ」

「鬼門は神々が創造せし奇跡の空間。我ら程度がすべての手段を試せたと断言出来るほど、神荼は愚かではないでしょうに。あくまでも、知り得る術を試しただけ」


 郁塁さんは先ほどまでの怖いくらいの柔らかい物腰から一遍、整った狐顔から笑みを消している。

 感情的に声を荒げる神荼さんと、淡々と神荼さんの心を折るであろう言葉を吐き出す郁塁さん。星斗は「また始まったか」とあくびをし、望ちゃんは長い袖で両耳を塞いでいる。止めない。だれも止めない。


「それに! よりによって、オレと郁塁が崇める戸朔山の文字を持つ『朔』だと⁉」


 そして、予想通り神荼さんの矛先が私に向けられた。

 一文字とって責められるなんて納得できない。めちゃくちゃ画数が多い旧字で使い難い漢字ならともかく、割とありふれていると思うのだ。それが山の一文字と被っているだけで、なじられるのは理不尽すぎる。


「お父さんとお母さん、一生懸命考えてくれた名前、文句言われる、筋合いないです! この世界では、どうか知りませんが、私の国、霊山と名前被る、無礼ない! 神荼さん、理不尽すぎる!」


 気が付けば、こみ上げた感情のまま右拳を机に叩きつけていた。怒り慣れていないせいか、手も声も震えていてみっともない自覚はある。それでも、我慢ならない。

 あっ。また。青い火花が散った気がする。

 私が火花に気を取られている間に、たじろいだ神荼さんがすぐさま調子を戻してしまった。


「いっいくら望嬢が予言したとはいえ、間者スパイかもしれないだろうが! いや、百歩譲って違うとしても、オレの勢いに飲まれるような小娘だぞ! 魔窟の後宮で望嬢の憑代よりしろなど務まると思えぬ! 陳家の息子など赤子と思えるような場所だぞ」


 あまりの迫力に身じろぎすら出来ない。怖い、怖い。襲われたのを思い出すと、震えが止まらない。でも、不思議と泣きたいとは思わない。

 胸元をぐっと掴み、神荼さんをただ見上げる。

 私が泣きだすとでも思っていたのか。ただ見上げられた神荼さんはぐっと息を飲んだ。


「彼女の制御されぬ仙功が陳家の息子を惑わせたのでしょう。力を持っていると意識しないということは、体の内から溢れるものを横溢おういつさせていることと等しいのですから」


 沈黙が続いた中、郁塁さんがぽつりと呟いた。気まずさの中、みんなの視線が一気に彼に集まる。


「私、ふつうの子。センキ、なに?」

「それは、わたくしからご説明いたしますわ」


 すくりと立ち上がったのは望ちゃんだった。牡丹色の艶やかな紅の髪が夜の灯の中、やけに妖艶ようえんに映る。長い前髪の間に見える瞳は、髪と反して冷静な銀色。

 どこに控えていたのか。望ちゃんが立ち上がると、さっと高級そうな椅子が私の隣に置かれた。しかも、望ちゃんが腰かけるのにあわせて両脇に控えた女性がスカートみたいな長い裾を左右対称に広げた。すごい。映画の世界だ。


「簡単に説明すると、仙功は仙女や仙人に宿る力の源のようなものですの。この源が強ければ強いほど、自然界や生き物に干渉出来る度合いが強くなる」

「干渉?」

「えぇ。風を起こしたり、火を起こしたり、それこそ水を龍の形にし命を吹き込むことも可能とか。ちなみに、その術のことを『神仙術しんせんじゅつ』と呼びますの。その下位にある術が『魔道まどう』ですわ。あの灯りは魔道ですわね。貴族はもちろん、従者のほとんどが魔道使いですの」


 いやいや。ちょっと待って欲しい!

 私は正真正銘にお墨付きが付くほど普通の人間だ! 十六年とちょっとの間、超能力があるのかなって思う不思議現象も起きたことないし、ましてや、不自然な風を起こすなんてフラグを立てたこともないんですけど⁉

 あんぐりと口を開いている私の考えなど、ここにいる誰もが手に取るように把握できたのだろう。それぞれの様子で、だが、一様に肩を竦めた。


「加えると、この北辰国ほくしんこくの王族は神、そして民の祖は仙人や仙女と交わりと持ち栄えてきたと伝えられているの。だから、仙功を持つことは特異――特に優れているのであっても、まれではありませんのよ?」


 いやいやいや! 私は鬼門の内側とかいう、こことは違う世界出身ですから!

 高速で右手を振り、頭をぶんぶんと左右に動かすものの、突っ込んでくれる人はいない。いっそのこと冷静になる反応だ。実際、一人動揺するのが虚しくなって、上げた腰を下ろしていた。

 えーと、つまり、みんながみんな魔法を使えるわけじゃないけど、RPG的に魔法使いもいるってことなのかな。

 ということは、望ちゃんの『予言』とやらの力も、仙功由来なのだろうか。

 私の心を読んだかのように、郁塁さんが空色の長い髪に似た爽やかな笑みを浮かべる。


「ちなみに、星斗様は純粋なる仙功、望様は先見の仙功、神荼は攻撃に秀でた仙功を持っているのですよ?」


 なるほど。純粋ってよくわからないが、オールマイティー的な感じなのだろう。

 つまりは、四人全員身分が高く特別な能力があるエリートってことか。殊更、息苦しくなるし、私に仙功があるのはおかしい。私はどこまでも平均的な人間だ。

 っていうか、いちいち心を読まないで欲しい。

 頭の中では毒を吐けるのに、音になるまでは至らない。


「朔。お前は全部表情や仕草に、考えていることが滲み出ている。そのような調子では、後宮でやっていけないぞ」


 とは、星斗の言葉。うん? 後宮? さっきも神荼さんがと後宮とか叫んでたのを思い出した。

 あからさまに首を傾げたところで、木の実の欠片が額で跳ねた。どうせまた星斗だろう! 若干、涙目になりつつ睨むと、


「そういうところだ」


と微笑まれた。

 不意打ちの優しい目つきに、心臓が気持ち悪く跳ねた! なななんだこれ!

 たまらずそっぽを向くと、望ちゃんがすごい顔をしていた。美少女の名残などないほどに、不気味なものを視るような目を星斗に向けている。ちなみに、神荼さんもだ。郁塁さんは笑顔で凄んでいる、気がした。

 まとめると、全員怖い。以上。


「お前ら……小動物のようだと思っただけだ。こんなに心の中を自然に出し、表情を変える女は、俺の周囲にはほとんどいないからな」

「なるほど。小動物、見守る目、納得。星斗さま、この中で、一番、そっけない。でも、自然体だから、怖くなかった」


 腕を組んで、何度か頷く。

 望ちゃんは女性特有の腹の中で何を考えているのか不明な感じだし、神荼さんは敵意全開で単純に怖いし、郁塁さんは距離感なく親切というか優しすぎて恐ろしい。

 みんな一様に悪意がないのは小娘でも理解できるものの、星斗の態度が一番自然だと思えたのだ。それに、星斗は口にした。


――お前は、一人で夜を越す術を知っているのだな――


 ただの親近感だってのはわかっている。それでも、小娘な私が信頼の可否を判断するには重要な点なのだ。あぁ呟いた星斗の触れ方、空気、声色は本物だと心を寄せられる自信はある。

 というか、むしろ私が持つ信用の天秤なんて共感性と公平性だけだ。

 

「これで納得するのか、おまえ――朔は」


 名を呼ばれて、また鼓動がうるさくなった。安心するけど、なんだか慣れない。

 そうか! 私、星斗が何度か見せてくれた優しい眼差しに、お父さんを重ねていたのか。いや、せめて兄くらいか。

 わかってすっきりした! 無表情とのギャップにどきどきしてしまっていたが、理由がわかるともう大丈夫。


「小動物は、不相応言いたいですか。まぁ、望嬢みたい、小さいないから、わかるですけど。でも、さっきのは、優しい目、ほんと」


 素直に何度も頷いた私に返ってきたのは、激しい舌打ちだった。

 激しく舌打ちされた私の心情を五十文字以内で述べよ。と言いたくなったが、我慢した。顔を背けている星斗の耳元が、心なしか赤い気がしたから。普段無表情っぽいからね。ほめられて? は怪しいけど、照れただけなのだろう。


「と、こ、ろ、で! 朔様、私の仙功は気になりませんか?」


 長テーブルの向かい側から体を乗り出してきた郁塁さん。上品な美形に似合わない口調と仕草に戸惑いつつ、ひとつ頷く。

 それに満足げな笑みを浮かべ、彼は元の場所へと腰を落とす。いまいち、この人のキャラって掴みどころがない。


「内緒です。ぜひ、考えてください」

「えっ、今、教えてくれないですか!」


 全力で裏手突っ込みをしたくなった私は悪くないと思う。おまけに「私のこと、たくさん考えてくださいね」と念押しされて、ドン引きしたのはしょうがないだろう。これがちょっとでも好感を持っている男性なら、「意地悪」とか「じらされている」などど、ときめくものだろうか。

 恋愛経験の少ないというか、ないに等しい私にはさっぱりわからない。


「話を進めますわ」


 望ちゃんがため息交じりに袖を額に当てる。ここにいる誰よりも年下であるはずの彼女は、一番頼もしく感じる。

 両膝をしっかりと合わせ、望に向き直る。かしこまった私を見て、望ちゃんは真剣な眼差しを向けてきた。


「わたくしは、先見の力で視たの。朔が、星斗様の御守り役となり、この国を犯している病を取り除いてくれるって」

「御守り役とは、文字通りの存在だ。魔を除け、招福をもたらし、加護を与える者。こちらも、仙功同様、特異ではあるが稀ではない。しかし、かなり特別な意味をもつ存在だ」


 望ちゃんと星斗の言葉に、思わず頭を抱えた。

 本当にお守りみたいな効果がある人間のことだったのか。的外れにも、そんな風に考えていた。

 もうすでに頭がパンクしているが故の反応だったのかもしれない。受け入れるというよりは、ただただ、そういうこともあるんだなぁという他人事。


「準備は整っているわ。国を蝕んでいる正体を、一緒に突き止めて欲しいの。あとは、宮入するわたくしの御守りと偽り、星斗様とわたくしの力になって欲しい」


 それは懇願ではなく、決定事項として突き付けられた。

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