第11話 対面
「グリフィスちゃんは、これからあなたの通うことになるユニゾン学園のことについてどれだけ知っているのかしら?」
そう尋ねてくるのは国立ユニゾン冒険者学園の長、ウルメラ・レークフィードである。
「一応昨日あたりになんとなくの説明はしてもらいました。」
そう答えるのは、およそ子供とは思えない落ち着きを見せるグリフィスである。
「……ちなみに説明してくれたのは?」
「さすがにミランダさんですよ。」
そうよねぇと言いながら納得するウルメラさん。そんな感じで馬を進めながらも話をしていると今度は俺の戦闘能力につ
いての話になった。
「さて、グリフィスちゃん、あなたってどれくらい強いのかしら?」
「一応奥の手を使ってない師匠相手なら対等に闘えます。」
「………それって本当?」
そう疑問を投げかけてくると周辺から人の気配がし始めた。
「……これはどういうことですか?」
「やっぱり実力は自分の目で見て確かめないと信じられないのよ、私も含めて。」
「そういうこった。一応うちの学園に入るにも試験があるんだがな。それはもう終わっているにも関わらず入らせようとなるとそれ相応のものが求められるのさ。」
そういって木陰から出てきたのは長身の美丈夫だ。ただどことなく暑苦しい感じのするいかにも熱血漢といった雰囲気を纏っている。
「彼らはうちの教員たちよ。自分達の教える生徒なら自分達の目で実力を確かめたいって言ってきたのよ。」
そう言いつつ馬上から降り、ため息をつきながら彼らの前へと出ていく。
「イテェ!?!?」
「全く!なんであんたは正々堂々現れちゃうのよ!!奇襲をしかけたときの彼の対応を見ておきたいって言っておいたわよね!?」
そう言ってウルメラさんは目の前の教員たちを怒鳴り散らした。
「はぁ、もう仕方ないわね。グリフィス君、悪いけど今ここで彼らと闘ってくれない?それを見て、体感できればあなたの戦闘能力がわかるだろうから。」
それに対し、「わかりました。」と苦笑いしながら返答することしかできなかった。
黒雷無双 荒場荒荒(あらばこうこう) @JrKosakku
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。黒雷無双の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます