ほうそうし
たったごもじがいえなかったのです
もちろんことばをはっすることはできないのですが
つぎはなにになりたいのか
かみさまにきかれたのです
ぼくはおぶらあとです
でんぷんでできています
それいじょうでもそれいかでもありません
ぼくはとうめいです
たとえばせけんからむしされるほおむれすよりも
たとえばくらすからむしされるあのこどもよりも
きっとぼくがかれらをつつんでも
なんのいみもないでしょう
つねになにかをつつむぼくは
さらにうえからなにかにつつまれています
さむかったらこおって
あつかったらとけて
ひとよりすこしはだがよわいのです
てもあしもありません
にげることもかくれることもできません
ぼくはみんなにみられることにはなれていません
なにかをただつつむのがしごとで
やくめがおわればとけてなくなって
ただでさえそんざかんのうすいぼくは
いつかそのすべてをうしないます
ぼくはおぼぶらあとなのです
ちゃんとしっています
ぼくはしゅやくじゃありません
ぼくがつつみこむそれがしゅやくで
ぼくはただのでんぷんです
ぼくはそれになりたいのです
ただそれになりたいのです
なにかをうつくしくまもることのできるそれに
きらびやかでうつくしく
へいたいのようないっしょうをすごすそれに
きっとぼくはべんりさをもとめるあまりに
たいせつなものをうしなったのです
ごめんなさい
いいなおさせてほしいのです
せめてさいごはごうかいでありたいのです
うん
わたしはたいせつなものをなくしました
つつみこむ 木兎太郎 @mimizuku_tarou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます