第20話 家族になりました

「悠くんきたよー!」


 冬休み初日。昼前くらいに、ウチの前に引っ越し業者のトラックと黒いワンボックスカーが到着した。

 もちろんトラックは中村家の荷物である。ワンボックスカーからは父親である雪路さんと紗雪が降りてきた。

 元々の荷物がそんなに無かったらしく、事前に荷造りを進めておいたため、午前中には全てトラックに詰めれたらしい。

 妹の奈々が、雪花さんは?と聞いてきたので正直に答えてやった。

 あいつならだと。

 これには奈々も母さんも、目を丸くしていた。見た目だけは勉強出来そうだからな、あいつ。紗雪は苦笑い。雪路さんも笑っていたが、こめかみがピクついていた。

 とりあえず台所とリビングと空き部屋に荷物を全て下ろしてもらい、空っぽになったトラックと引っ越し業者の兄ちゃん達が共に去っていく。


「で、部屋割りは決めたの?」

 母さんに聞く


「とりあえず悠君と奈っちゃんはそのままね。廊下挟んで向かいの三部屋のうち二部屋を紗雪ちゃんと雪花ちゃんに使ってもらって、余ってる部屋は四人で使ってちょーだい?雪路さんはあたしと同じ部屋ね♪それでいーかしら?」


「あぁ、それでいいんじゃないか?じゃ、紗雪と奈々はこっちにきて。案内するから。奈々は女の子同士じゃないとわかんない事あるだろーからそれを頼む」


「よろしくねーお義兄ちゃん♪」

「ん」


 階段を上がって二階にくる。

 廊下があって左側手前が奈々の部屋。その奥が俺の部屋。右側に同じように二部屋あって、突き当たりにもう一部屋広い部屋がある。紗雪と雪花は事前にじゃんけんして決めてたらしく、紗雪が右側手前、雪花が奥の部屋ってことになった。案内が終わると後は荷物を運ぶ作業になる。

 今日から一緒に住むので、生活に必要な物から荷ほどきしていかないといけないので、大きいものはベッドだけ姉妹の部屋に運び、残りは明日に回すことになった。

 とりあえず俺は姉妹の名前が書いてある段ボールをそれぞれの部屋に部屋に運んで行く。そして見つけてしまった。【下着】と書かれた段ボールを…。

 もちろん転んで引っくり返したりしないよーに丁寧に運んだ。

 そんな事をしてるうちに雪花も補習から帰ってきた。思ったより遅かったのでそんなに補習大変なのかと思ったら、


「間違えて、前の家に帰っちゃったのょ…」


 らしい。安定のポンコツぶりで安心する。


 少し落ち着いたところで夕飯は出前で寿司とピザが並んでいる。そして雪路さんがあいさつする

「それじゃ、今日からよろしくね!ちなみに、クリスマスの日に入籍しようと思ってます!なので、その日から弥生ちゃんだけ一足先に中村弥生になってもらうね」


「はいっ、よろこんで♪」

 母さんも笑顔でうなずく。


「奈々ちゃん奈々ちゃん!アタシ等のことは好きに呼んでもいいからね!」


「あ…ぅん…じゃ、さゆきねぇとせつかねぇで…」

 そしてこのバカップルはさらに爆弾も落としていく。


「悠君と雪花ちゃんは節度良くお付き合いしてね?」


「わかってるよ」


「避妊はしっかりするのよ……!」


 グッ!ゲホッケホッ

 なんちゅうこといいやがる。


「雪花ちゃんもちゃんと避妊してもらうこと!するときはちゃんと着けてもらうのよ?」


「ひゃっ……は……はぃぃ……」


 おぃ、真っ赤になりながら「はい」じゃねーよ。しないからな?ちゃんと付き合ってもいないのにするわけないからな?

 そして紗雪と奈々の視線が痛いっ!あーでも、紗雪には昨日のこともあるし、なんか恩を返さないとな……


 ともあれ、本日をもって橋本家、中村家は正式に家族になりました。





━━こんにちは!亞悠です!

 この度、カクヨムコン用の新作を投稿しました!

 タイトルは、

【元女子高生行き倒れWeb作家(17歳)の青春やりなおしに付き合う事になったけど、体験した事しか書けないって言って俺を振り回すのはやめてくれ】です!

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054894982175/episodes/1177354055104577445



 良ければこちらも☆で称える、フォロー等、応援宜しくお願いします!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る