冒頭から最新話にいたるまで、ずっと集中力の途切れない文章力です。無駄な描写を徹底して削って、かつ必要な描写を丁寧に追っていく。頭ではわかっていても、実際に手を動かそうとする忘れがちな基礎の部分を綺麗にこなしています。
実際、このレビューを書いている私自身も、この作品を読んだときに焦ったわけです。これは負けたなと。だからどこかで時間を作って、自分自身の作品を見つめ直そうと思いました。それぐらいに優れた文章です。
さて、あまりにも優れた文章だったので内容が二の次になってしまったんですが、もちろん内容にも触れていきます。
いわゆる異世界モノです。そして主人公は武士です。正統派の武士というよりかは荒武者でしょうね。我流で鍛えた剣術を使って各国を渡り歩いていた。そんな人物が主君と一緒に敗戦を経験して死を覚悟したところ、異世界に転移することになりました。
そこでも主君と合流することができて、またも剣の腕前を役立てることになりました。
いやぁ、強い。この男、魔法のある世界だろうと剣一本で戦い続けます。しかもメンタルまで強いものだから、現場の責任者になって弱小国を鍛え直すことになりました。
まだ物語は途中ですが、彼に待ち受ける困難は山ほどあるでしょう。しかし彼の剣の腕前と精神力ならば、きっと心折れることなく最期の瞬間まで抗い続けることになるはずです。
ぜひみなさんもこの物語を一読して、荒武者による八面六臂の活躍をごらんあれ。