終わりに

あとがき

 まず、最後までこの作品を愛読してくださった皆様に感謝をしたいと同時に敬意を払っています。現金な話ではありますが、応援が無ければ確実に挫け、或いは拗ねて止めてしまっていたであろう私の背中を押してくださったのは他でもない応援やコメントでした。ブックマークや星を付けてくださることも勿論嬉しかったのですが、面白いと言って貰えたりしたという事が、自分が間違っていなかった事の証明であるような気がして少し報われたような気がします。


 この作品を書くきっかけになったのは”ディノサウロイド”に関する記事を見ていたことがキッカケです。トロオドンのように賢い知能を持つ生物が絶滅しなければ今頃は人型の生物に進化していたかもしれないという推測らしいですが、「それじゃあ、ライオンやトカゲの様な他の生物もやり方次第によっては進化したり、違う環境に適応した結果、人間として生きていた可能性もあったのか?」などと思いついたのが始まりでした。


 さらに創作意欲を掻き立てる理由になったのが「不満」でした。ファイナルファンタジー15を以前遊んだことがあります。世間ではこれまた驚くほど憎まれているこの作品について大小の不満はあれど、仲間達との旅という部分や幻想的な景色を旅行するかのように巡っていく雰囲気が私は非常に好きだったのですが、どうしても納得いかなかったのが、亜人や異種族と呼ばれる存在がいなかった部分でした。ウィッチャーや過去のファイナルファンタジー作品についても多少知っていた身としては、一般的に言う人間ばかりが登場するというのがどうしても物足りなく感じてしまったのです。


 また、定義については色々とややこしいらしいので割愛はしますが「どいつもこいつも獣の要素が尻尾と耳以外無い様なものを獣人なんて呼ぶとは。これでは色々と満足できない」という私自身の苛つきが心にあった創作意欲に対する情熱に火を付けました。前述のディノサウロイドやファイナルファンタジーへの不満、そして獣人というものへの考えが合わさった結果、ノイル族やザーリッド族という種族を生み出す要因になってしまったわけです。


 世界観についてはグローバル化などによって何もかも統一されてしまった世界ってどんな風なんだろうなどと考えている内に出来たものです。バビロンの名前を冠しているのは、旧約聖書にあったバベルの塔の話から来ているのは既にご存知の通りかと思います。何もかもが統一されて、国際化だなんだと叫ばれている中でも人間は過去の行いや悪意の無い差別意識などから自然と他者との間に境界線を作ってしまう生き物です。その境界線を乗り越えられる、もしくは消す事が出来る人というのは余程デリカシーのない馬鹿者か、誰にでも寄り添ってあげられる優しい人なんだと思います。


 最後になりますが本当にありがとうございました。まだまだ至らない未熟者である事も痛感した処女作でしたが、何とか完走出来た事を嬉しく、誇りに思っています。新しい新作の構想も練りつつ頑張って行きますので応援してくれたら幸いです。それでは、お疲れさまでした。

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バウンダリーズ・イン・ザ・バビロン シノヤン @BonKyu

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