第1-7話 扉は閉められなかった
扉は閉められなかった。酔いどれはたちまち車席から滑り落ち、土瀝青路にぽたりと尻を落とした。おれは様子を見て、ささやかな手助けをした。どうも酔いどれに関わると決まって失敗する気がする。よく知っている酔いどれでも、身構えてまっこうから殴りにかかりにくるのはありがちなことだ。おれは若者の両脇をかかえて、しっかり立たせてみた。
「はなはだかたじけない」と、若者は丁重に言った。
He let the door swing open. The drunk promptly slid off the seat and landed on the blacktop on the seat of his pants. So I went over and dropped my nickel. I guess it's always a mistake to interfere with a drunk. Even if he knows and likes you he is always liable to haul off and poke you in the teeth. I got him under the arms and got him up on his feet.
"Thank you so very much," he said politely.
on the seat of one's pants…勘に頼って 通常は「by the seat...」で「無計器飛行(計器に頼らない飛行)」なんだけど、この文脈では「尻もちをついた」というのと掛けてるんだね。
drop one's nickel…わずかなほどこし ニッケル(5セント貨)ってのは、ダイム(10セント貨)よりも少ない額。ドロップ・ア・ダイムだと「通報する」って意味があるんだ。
in the teeth…まっこうから
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