第1-8話 その子は運転席に座った
その子は運転席に座った。飲みすぎると、この人はひどい英国なまりになるのよね。非錆合金のような声だった。わざわざすみません。
後部座席に乗せよう、と、おれは言った。
悪いんだけど無理。約束の時間に遅れてるの。女子は継手装置を動かしたので、高級車はすらりと動きはじめた。
この人はただの迷い犬で、あなたなら飼ってくれる人を見つけられるかもね。とりあえずしつけはいきとどいてるよ。
冷めた笑みがつけ添えられていた。
そして車は音を立てて、門からサンセット大通りに続く私道を走り、そして右へ曲がって消えた。おれは係員が戻って来るまで後ろ姿を見送っていた。そしておれが抱え続けていた若者は、今ではぐっすり眠っていた。
The girl slid under the wheel. "He gets so goddam English when he's loaded," she said in a stainless-steel voice. "Thanks for catching him."
"I'll get him in the back of the car," I said.
"I'm terribly sorry. I'm late for an engagement." She let the clutch in and the Rolls started to glide. "He's just a lost dog," she added with a cool smile. "Perhaps you can find a home for him. He's housebroken-more or less."
And the Rolls ticked down the entrance driveway onto Sunset Boulevard, made a right turn, and was gone. I was looking after her when the attendant came back. And I was still holding the man up and he was now sound asleep.
housebroken…家で飼う犬や猫が、ペット用のトイレで用をすませるようしつけられている、という意味
tick down…普通は「時を刻む」って意味なんだけど、この文脈ではさっぱりわからない。何でしょう。
sound asleep…熟睡する
andで文章が続いてる節があるところは、略していいのかそのまま訳すべきなのか迷う。
長久別離(おれのロング・グッドバイ) るきのるき @sandletter
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