第1-4話 天蓋がなく、車高が低い外国製の二人乗り自動車が
天蓋がなく、車高が低い外国製の二人乗り自動車が駐車場になだれ込んできだ。ひとりの男が降り、車載点火器で長煙管に火をつけた。格子柄の頭巾付き襯衣に黄色の長袴、乗馬靴といういでたちだ。男は煙を漂わせながら歩いた。テリーの車などは見ようともしなかった。いささか陳腐な車だと思ったのだろう。露台に続いている階段の手前で立ち止まると、片眼鏡をつけた。
A low-swung foreign speedster with no top drifted into the parking lot and a man got out of it and used the dash lighter on a long cigarette. He was wearing a pullover check shirt, yellow slacks, and riding boots. He strolled off trailing douds of incense, not even bothering to look towards the Rolls-Royce. He probably thought it was corny. At the foot of the steps up to the terrace he paused to stick a monode in his eye.
long cigarette…これは多分ロング・シガレット・ホルダーの略。長い・細長い紙巻たばこなんて、あることはあるだろうけど気障に見えるかどうかは不明。長い煙管のようなものの先に紙巻たばこをつける。主に淑女が、たばこの吸殻に直接口紅がつくのを厭ったもの
corny…野暮ったい・陳腐な。この場合は時代遅れ、のニュアンスかな。
monode…monocleの誤植。フリーテキストではありがちなこと。
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