炎上する愚者、嘲笑う敗者
虎戸リア
そして書籍化作家は炎上し、界隈は荒れる。
詳細は省くがとある書籍化が決定した作家が5chなどで炎上した。原因はツイッターでの過去の発言である。なのでここでは主にツイッターを主題にして話していく。
まあツイッターの発言で炎上はこのweb小説界隈にはよくある事である。案の定というか、例によって例のごとくというか、界隈は荒れるのであった。
なので、私はこう思っている。
炎上する作家に罪はないが愚者である。
そしてそれを笑う者は敗者である。
まず、私は相手を炎上させようと過去のツイートを掘り出したり、掲示板で騒ぎ立てたり、それを執拗に拡散させたりする行為を肯定するつもりは一切ない。こいつらは揃いも揃って敗者であり、加害者である(炎上していると知らずにやってしまった事はある。知らずとはいえ結果加担していたので、猛省)
また、作品と作者は切り離すべきであり、作者の人間性の如何問わずに作品は評価すべきだと思っている。
だがこれだけ炎上、ネットリテラシーなどなどで騒がれている昨今の界隈で、炎上の危険性を孕むツイートや言動をそのままにしておくのはあまりにも甘く、無防備で、浅慮であると断言する。
ちなみに私もあれこれ意見を見て、少し議論などもしたりした(議論相手とは相互理解を得られず残念であった。私の力量不足である)
またツイッター上で色々と議論が巻き起こっているが、どうにも話が噛み合っていないような印象を受けた。そのせいか、殺伐とし荒れているように見える。
なぜそうなるのか。
ここで分かりやすい例をあげよう。
ある男がいて、自宅のテーブルの上に金の延べ棒を無造作に置いていた。男は出かける際に、ドアはおろか窓すら閉めず、当然鍵もかけていない。
ある日、男が帰ると金の延べ棒がなくなっていた。
なぜなら空き巣が入って盗んでいったからである。
この場合、その空き巣を非難するのは当然である。しかし、そもそも窓もドアも閉めて、鍵をかけていれば防げていたのではないだろうか?
男に落ち度は本当にないのだろうか?
この事件に対し、如何に空き巣が酷いかを主張する人と、如何に空き巣を防ぐかを主張する人で、話が噛み合わないのは当然なのだ。
つまり今の荒れた界隈は、炎上した事自体ではなく、如何にそれを防ぐかが重要だと考える人もいれば、炎上という事自体の是非について主張する人が同じ土俵で戦っているのだ。
荒れるはずである。そもそもが平行線の議論なのに、噛み合わないからヒートアップしてしまうのだ(意図的にそれを狙っている人もいるが……)
だから、もう一度ここで言おう。
炎上した作家に罪はない。
だが、愚者である。
なぜ断言できるのか。何も難しい事はない。
ネットという魑魅魍魎が跋扈する場所で、無防備に炎上する材料を放置していたからである。
掘り起こされたら問題になるようなツイートを消す。
普段から、炎上しないように言動に気を遣う。
こんな簡単な事をしないが為に、炎上し、これまで培ってきた人間関係をアカウントごと消すところまで追い込まれてしまったのだ。
これが愚者でなく何であろうか?
もう一度言うが、炎上した作家に罪はない。
問題発言をしようが、それは作家の自由である。
だが、残念ながら著名になればなるほど、そういう問題発言を漁ろうとする連中は必ず出てくるのである。悲しいがこれが現状である。いくら正義を、理想を掲げようと、炎上させようとする敗者は必ず存在するのだ。
なぜ自分がそんな悪い連中の為にめんどくさいことをせねばならんのだという気持ちは分かる。なぜ配慮せねばならんのだと言いたい事も分かる。
作品と作者は別だと言いたい気持ちは承知している。
ならば逆に問いたい。なぜツイッターという炎上する危険性を孕んだ物を辞めない? 作品と作者が本当に別ならば作者のアカウントなぞいらないだろう。必要と言うのなら作品の宣伝アカウントを作れば良いだけである。なぜそれをしないのか。
結局どこかで、作者のキャラで作品の売り込みをかけたいと思っているからではないだろうか? そのキャラが問題であれば炎上して作品が批判されても当然だろう。
別に、ツイッターをやるなと言いたいわけではない。実際私も活用している。
要は使い方じゃないかと思う。どんどん知り合いを広げて、宣伝して楽しく創作論を語り合って。大いに結構である。
だが、少しだけ、「ああこの発言を掘り起こされたら面倒だなあ、消しとくか」と行動すれば良いだけである。
ほんの少しの自衛と、楽しいツイッターライフ。
難しい事では決してないはずだと私は信じている。
炎上する愚者、嘲笑う敗者 虎戸リア @kcmoon1125
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