大好きな人に婚約破棄されてしまった私
一ノ瀬 彩音
第1話 婚約破棄というは実に悲しい
私には以前からお付き合いしている日下部守という
恋人がいるのですけれど、日下部守がとても素敵な人で
私には勿体ないという感じなのです。
しかし、それでも日下部守は私と一緒に居たいということで
今も恋人として一緒にいるわけです。
そんな時、日下部守から将来は婚約しようと言ってくると、
私は良いお返事をして婚約するというお約束をします。
婚約出来ると思うと、私は幸せになれるんだなって思うと、
それがとても嬉しくて堪りません。
それから月日が流れて最近、私は日下部守と仲があんまり良くなくて
気まずい雰囲気になってくるとついに起きてはいけない出来事が起こります。
日下部守から大事なお話があると言われて呼び出されると、私はその場所まで行くと
日下部守が既にもう待っていて私は早歩きで向かいます。
日下部守の目の前に到着した私は
「お待たせ、守」
「来たか、薫」
「大事なお話って何なの?」
「婚約の約束の件でな」
「婚約の約束をしているよね」
「その事なんだけどな、婚約破棄したいって思っている」
「いきなりどうしたの?」
「特にこれといって理由はないがなんとなくだな」
「なんとなくで婚約破棄するっておかしいでしょ」
「おかしいかもしれないが、それも俺の勝手だろ」
「守の都合で婚約破棄されるのはおかしいよ」
「うるさいな、別にいいだろ」
「良くないよ、最近は気まずい雰囲気だけど、その前までは
仲良しで婚約の約束もしてて幸せになれると思ったのにさ」
「確かにそうだが、状況が変わってしまえば、そこまでだな」
「守と婚約出来ると思ってたのに…………婚約破棄するなんてあんまりよ…………」
「本当にすまない」
私はその場で泣き崩れてしまっているのですが、泣き止む事が出来ずにいると
守は私の事を見下ろすという形であんまり良い気分じゃありません。
どうして私がこんな目に遭わないといけないのかなって考えているけれど、
思いつかないし、婚約破棄は理不尽過ぎる。
どうにかして婚約破棄を撤回させないといけないので私は頑張ります。
私は泣き崩れていたけれど、なんとか泣き止んで立ち上がると私は守に
近寄ってこう言います。
「婚約破棄は取り消して、お願いします」
「嫌だね、一度決めた以上は取り消さない」
「どうしてよ、私の事が大嫌いになったの?」
「そういうわけじゃないが、婚約となると慎重にならないといけないよな」
「それはわかるけど、婚約破棄する事ないでしょ」
「何度も言わせないでくれ、婚約破棄を認めてくれ」
「認めないし、嫌だよ」
「頼む、婚約破棄させて欲しいんだ」
「さっき理由は特にないって言ったけど、本当はあるんだよね?」
「はぁっ、理由はしっかりとあるよ」
「その理由を教えてよ」
「別に大好きな人が出来てその人と結婚前提でお付き合いをしているんだよ」
「そんな~、あんまりよ~、守~、まじひくわぁ~」
「そんな風に言われても婚約破棄を撤回するつもりはないぞ」
「ちっ、本当に頑固ね」
「舌打ちしするなよ、女性なのにそういう事はやめろ」
「わかったわ、婚約破棄を認めるね」
「そうしてくれると助かるよ」
「じゃあね、バイバイ」
「じゃあな」
私と大好きな守との恋愛はここで終わって別れてしまうけど、それはそれで
悲しい出来事何で思い出さないようにします。
これからは独り身で生きていこうかなって思っているので、その方が気楽でいいし、
充実した日々を過ごせて幸せにやっていけるかもしれないです。
平穏に暮らしている方が安心でホッと出来ると思います。
恋愛はトラブルがあるので今はしたくないという気持ちが強いです。
婚約破棄された私って惨め? それとも負け組? どっちでもいいけれど、
婚約破棄しなくてもいいじゃないって思うのが私の気持ちです。
大好きな人に婚約破棄されてしまった私 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます