午前0時のカルマン・ヴォルール
「もう!何で私って人はいつもいつも・・・こう、シュゼさんに会ってしまうのでしょう!」
納得がいかない!そういって手にしていた枕を投げる。そして、引き出しを乱暴に開けて綺麗に陳列した十字架のひとつを取り出し、先ほどへしまげたのと同じように片手で神の首と胴を別つ。
「ふぇありーている、読みたかった・・・」
だがだめだ。シュゼはどういう理屈か、ものを貸した相手に不思議なココロの魔法をかける。それは、愛だったり、恋だったり、憎悪だったり、信仰だったり様々だ。しかもそれを百パーセントの確率で行うのでなおたちがわるい。まだ、植え付けられるのが信仰や憎しみなら良い。けれど植え付けられて面倒なのが愛だとか恋だとか、どうしようもない不条理な感情。しかもシュゼは思いの矛先も自由自在と聞く。神へ信仰なら当然、シスターとして本来あるべきものなのでまだいいのだが、愛を植え付けられ、まして相手がシュゼだったりしたら・・・と想像するだけで鳥肌がたってしまう。話は変わるが、シュゼは別に泥棒ではない。ただ、その鮮やかなまでのココロの魔法が、人のココロを盗むと言うことで、人々から泥棒と呼ばれているだけだ。彼は貸しものには深紅のシール、カバー等を必ずつける。深紅はフランス語で
かぁいいシスターと泥棒さん 雪月華@33331111 @33331111
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