不撓不屈の物語を貴方へ

人と向き合い続ける、成長の物語です。

物語は大きく奇をてらうものではなく、王道そのもの。

しかし、飽きるのかと言えばそうではなく、著者の物語の運びかたが秀逸で、山場をしっかりと体感させてくれる、暑くて熱くて厚い物語構成になっていました。

キャラクターに関してもそれぞれ独立した個性があり、キャラクターの個性がほやけるといったこともありませんでした。それぞれのキャラクターが成長により変化していくため、キャラクター性を大事にされる人にとっても、キャラクターが生きているように感じる、満足のいく作品だと感じます。

向かない人もいます。
主人公の特性上、安易に敵を乗り越えることはありません。
ですので、一斉の迷いはなく、正解のみを特に努力もなく選び続け、人間的成長が一切ない、完成された主人公や、そこに心酔するヒロインの姿を切望する読者には致命的に向いていない作品だと思います。

個人的に嬉しい点は、ヒロインと主人公の関係です。主人公はここまで、終始高嶺の花に手を伸ばし続ける物語となっており、同じ男として、いい女を手にいれるために頑張る男の姿は、心をうたれるものがあります。


富も女も名声も、全て、自分で奪い取れ!

といわんばかりの熱さを感じます。

是非とも、そのどでかい欲を、誰よりも臆病で、純真な主人公とともに、勝ち取るecstasyを感じてください。

おもしろいですよ