雨降る女は今日も歴史を研究する。

巫 廉

プロローグ

プロローグ

ー町の一角にそびえ立つタワー達…から大分離れたところに小さな博物館があった。

決して穏やかでは無い一日が今日も始まるー

ガコン!

痛々しい音が玄関に響く。一体彼は何をしているんだか… 

「時間なーいよ?行くよー!」

仕事に遅れるよ!まったくもう…

「傘持った−?」

「あったりまえだー!」

そりゃそうだ。なんてったって雨降らす人間なんだから。

「はいはい。行こう。」

「いや、待ってたの私だから。」

「ごめんって〜…さて準備は良い?」

「それは、こっちの台詞。」

家のドアを開けて、一歩踏み出す。

ん〜。今日は良い天気だ!

次の瞬間、二人でダッシュする。

意外と足は速い…方だと思う、多分。

私達の家は、マンションの5階。

階段しか無いから駆け下りるしか無い。

なぜ、走るのかって?

それは、こうなるからさ。

「うわぁぁ!雨降ってきてるよ?!」

「いつも通りね!」

私には、何故か私が外にでると百発百中雨が降るというなんともいえない能力スキルがある。

能力スキル言って良いのか知らないけど。

晴れでも曇りでも雨でも構わず降る。

あ、でも、今日みたいに晴れだと小雨ぐらいかな。

時間が経つと大雨になるんだけど。

雨だと出た瞬間から大雨に変わるから。

博物館私の仕事場は家を出てすぐそこだから助かる。

歩いて5分ぐらいかな?

建物の中に入ったら止むからね…

だが今は外、雨は降るんだ!!

「はっしれー!」

「おいていくなよー!」

ー数分後ー

「わっふい。着いたぜ。」

博物館私のお家に!

「はいはい。周りの人が可哀想だから早く入って?」

「ほいほーい。」

ここは、裏口で屋根があるのに一応、外だから雨降らない判定に入らないんだよなぁ。

「準備しますか!今日は誰が来るんだっけ?」

「小学生の子達が来ますよ。館長さん。」

そう。ここは私の博物館お家

私が館長さんなんだよ!

スーツ姿、かっこいいでしょ。

そしたらメールチェックとか色々して…

「さて、開けましょうか。」

「了解です。」

ここでは、敬語がメイン。

仕事だからね。

小さいから、職員二人だけだけど。

ガチャン。ギギギ…

少し、光が漏れる。完全にあくまでもう少しだ。

「よいしょっと!」

ガッチャン。

「歴史の家へようこそ。館長の花暦はなごよみ 智慧ちえです。今回は案内を担当させて頂きます。宜しくお願いします。」

「副館長の梓棅紫しがらし 優暖ゆうのと申します。ごゆっくりと楽しんで行って下さい。」

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雨降る女は今日も歴史を研究する。 巫 廉 @Kannagi-Non

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