第5話#欲しい愛の行為は―――
今から、あれをパオとホットドッグと言わせてもらいたい。
私の悩みはこうだ。
パオ生地を引き延ばされるのはおいしくないと思うのだ。角煮の味見は大好きだ。
でも、角煮を吸う行為はいただけない。要は匙加減なんじゃあないだろうか。
いただけないときは、我慢できなくて正直にまずい!と言ってしまう。
でないと、角煮を守れないからだ。
角煮は非常に繊細だ。そんなにがっついてしまったら、どうなるかわからないのか。
ホットドッグは大丈夫かもしれないが、角煮はダメだ!!
このパオの持ち主は、ダメ!!!と声を大にしてはいけないんだろう。
ダメなことをしてしまった罪悪感がホットドッグの持ち主に大きく響いてしまうのではないだろうか。
食べてはいけないと、抑制されてしまいかねないのではないか……
優しさが故、しばらく拒否をしなかったのだが、長らく続けた先に赤信号を出したら
「え??今までのはなんだったのか??」と考え及んでしまったら、角煮を傷つけていたと気付いてしまう。
「いっそのこと、信号が出てしまえばいいのに――――!!」
まだあみちゃんとの夜は続いていた。
ここまでさらけ出せるママ友が、30歳で出来たことが、私が生きてきた中で2番目に素晴らしいことだと思っている。
1番目は子供たちに出会えたことが当たるのだが……。
「〇んちゃんの仮装大賞みたいな?ティ・ティ・ティ・ティーン!」
あみちゃんは、子供たちを風呂に誘った。
「でもこれも私の我儘かな……ただひたすら優しく触られたい場所と、ちょいと強引にして欲しいところがある。ふふふ。なにー?違うー??ふふふ
もうさ、ただでさえ早く終わらせたいって気持ちが初乗りであるから、
その行為自体が最高だったら……千葉駅までじゃなくて、東京まで行ってもいいわ」
「割と長めー!結構に長め――――!!乳首取れちゃうよ」
「あ、私もそれある。。。むしろ初期段階で乳首切れる、ふふふ」
乾燥のせいかしら?なんて……もう何の話なのか。これが女子だ。
あみちゃんの息子の大和がまだ風呂に入っていなかったらしく、背後から私のデコルテ部分から服の中へとスッと右手を侵入させ、その先のおっぱいをお触りしに来た。
「おっぱ~い」
「はいはい、おっぱいだね~」私はニヤリにておうむ返しした。大和の手は止まらない。
「こら~~~!!やま!琴ちゃんのはダメだって言ったでしょう!!」
と、あみちゃんは困り果て大和を抱き上げた。
「やだ!!おっぱいさわるの!!」
大丈夫、気にしてないよと私は大和の頭をなでてた。
「だから~!琴ちゃんのはダメなの!父ちゃんにも言われたでしょう!」
なに!?
そういえば、先日丘家にうかがっていた時、途中丘パパが帰宅をし一緒に食事を摂った。あの時、この愛すべきおっぱい星人は丘パパの前で、私のおっぱいを揉みしだきに来たのだった。
私がお暇した後に時間が設けられ、“さすがに琴ちゃんのおっぱいはダメだろう”と丘パパに口酸っぱく言われたそうだ。
あみちゃんは
「やっぱりさ、男の人はエロい目なんだよね!
私さ、赤ちゃん産んだら父親の前で普通にポロっと出して授乳してたよ!」
「私もそう思う。ママは産んだらもう、ソレどころじゃないよね!
なりふり構わず育児していたからおっぱいはもはや、赤ちゃんあやすガラガラと変わらないよ~」
でも、心の底ではあの頃のむさぼりあう様な上気を思い出したい―――。
出産を経験して、身体が変わってしまったのかという自分を責めてみたりもした。
欲は無くは無いのだ。むしろ、ドラマのラブストーリーに恋焦がれてしまう様になった。
すきだ。愛してる。そう言って欲しいわけではない。
でも、すきだ。愛してるは、夫婦という契りの中で言葉が欲しいという人も居るが
少なからず私とあみちゃんは、それではない人種だ。
行動の“愛してる”が欲しい―――。
『子どもと一緒の家庭という落ち着く帳≪とばり≫の中では、家庭を守る“愛”を表現して?』
『私達母親は、この空間に居ると女にはなかなかなれないの』
可愛い我が子の香り、午前中に片付けてと頼んだそのままにされたぬいぐるみの中で
どうやって、どうやって……
女の裸=エロという単純な回路を、ママになった私たちがすんなり受け入れられるかと言ったら、もう育児の甲冑≪かっちゅう≫を纏った者にとっては受け入れがたい。
受け入れる為には、ある程度の試練というか、敷居がある。
育児に対する“愛してるの行動”を見せてくれれば私は――――。
これは最低限のギブ&テイクだと思っている。
旦那は寝る間も惜しんで仕事をしているし、休日は眠いと思う。
だったら、リビングではなくて二階の寝室で寝てほしい。そうでないと、リビングで寝ている大好きなパパにちょっかいを出した子供が、久しぶりに会ったパパに怒られてしまう。
怒るくらいなら、リビングで寝ないでほしいのだ。
その腑に落ちないことをした旦那を私が優しく叱責する。
この時点で子供が一人増えて、主婦業がひっ迫する。
叱責された旦那は「う~ん」とどっちつかずの生返事で、結局1、2,3,4,5、番かっこの後、怒り狂ってフィーネ。
そんな土曜の日中を過ごして、どうすれば身体を求めたいと思うか。
「それとこれは別でしょ?」
旦那は言うが、会社に居て多大なストレスを浴びている状態と同じなんだぞ。
会社で例えると
「ここは会社じゃないでしょ?」
例えに耳を傾けないのだ。
妻の悲痛な声に耳を傾けないこの行動こそ、何よりも痛い。。。。。
心が痛いし、性欲で耳をふさいでいる奴が痛い存在だ。
愛を感じられないのに、なぜ抱かれなければいけないの??
旦那は下等生物につき shiroko @shirokoko
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