第15話 映画館に居合わせた観客(A)へのインタビュー
A「そうね、何か起きないかなって、期待していた部分はあったのよ。
毎日が退屈だったしね。
だからあの映画館を選んだの。
『恐怖の吸血ミイラ』をやっていたところって、もともとあんまり多くなかったし。
水道管が破裂した映画館って、火事があった映画館の一番近くだったじゃない?
だから次に何かあるとしたら、水道管の映画館に一番近いあそこかなって思ったワケ。
一つ目の怪異は後ろの席からポップコーンが飛んできたことね。
髪の毛のカールの中に入り込んじゃって大変だったわァ。
二つ目の怪異はそのポップコーン女が映画の中に現れたコト。
画面に映るなりタタラを踏んで、カップに残ってたポップコーンを残らずぶちまけてしまっていたわ。
そうしたらそのポップコーンに、鳩みたいなモノがワッと集まってきたの。
鳩じゃないのよ。
大きさはカラスくらいで、鳥じゃあないの。
トンボのようなハチのような。
まあ、バケモノとしては小さい部類ね。
ポップコーン女、なかなか優秀なスクリーミング・ヒロインだったわ。
あとはあの停電。
ほんと、ただの停電だと思ってたのよ。
客席はそれなりにザワザワしていたわ。
だけどまさか外があんなひどい騒ぎになってるなんて夢にも思わなかった」
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