第3話 ハリウッドの近くのホテルからの手紙

親愛なるオリヴィアへ


 ああ、オリヴィア。

 わたしは、ちょっと前までろくに会ってもいなかった妹はもちろん、休みの度にお世話になっていたはずの叔母のことも何もわかってなかったの。


 サン・ジェルマンおじいちゃまが言うにはね、二人は同じ映画を何度も観ているらしいの。

 タイトルは『恐怖の吸血ミイラ』!

 アデリン叔母さまにこんな趣味があったなんて、びっくりだわ!

 叔母さまは前に、こんなのは大人のレディが観るものじゃないって言っていらしたのに!

 二人とも映画なんかよりもずっと恐ろしいものを山ほど見てきているのにどうして?

 わたしは――あんまり観たくないけれど、二人と話を合わせるために、観ておいたほうがいいのかしら――




 オリヴィアはこういうの好きよね?

 この映画、あなたはもう観たの?


キャロラインより

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る