第7話
「言う!
言うからもうやめてくれぇ!」
心からの叫びでしょう。
私も気丈な心算でしたが、食べた物を全て吐いてしまいました。
それくらい残虐な拷問でした。
最初に言っていたように、四肢の指を潰していきました。
とても痛いようで、耳を塞ぎたくなるような悲鳴が、今も聞こえるようです。
王太子はここで白状しました。
それでも白状しなかった王弟とティッチフィールド公爵は、次の拷問を受けることになりました。
二人は腹を裂かれ、内臓を引きずり出されました。
私はこの前に屋敷で休息するように提案され、五人の主人ヴェンツと二人の護衛と共にその場を離れました。
後で話を聞いたのですが、内臓をズタズタに引き裂かれ、その内臓に溜まっていた糞を食べさせれて、遂に全てを白状したそうです。
★★★★
ヴェンツ様は私が落ちつくまで待って下さいました。
五人の家臣に守護を命じられ、私をエスコートして王城に乗り込まれました。
邪魔する近衛騎士を薙ぎ払い、国王陛下を謁見の場の末席に引き据えられました。
「えぇぇぇぇい、ひかえおろう!
ここにおわすを何方と心得る!
恐れ多くもアストリア皇国皇太子、ヴェンツ殿下におわすぞ。
頭が高い!
ひかえおろう!」
「「「「「はっはぁぁぁぁ!」」」」」
丁度アストリア皇国から来ておられた御使者のベロニカ卿が、急いで王城に来られてヴェンツ皇太子殿下の身分を保証されました。
他にも常駐されているアリステラ皇国の大使が王城に来られ、ヴェンツ皇太子殿下が本人だと証言されました。
そこからは大国の高圧外交でした。
王弟、王太子、ティッチフィールド公爵の三人が、アストリア皇国皇太子殿下に刃を向けて殺そうとした。
十分以上に開戦理由になります。
国王陛下は地に頭を叩きつけ、額が割れて血が噴き出るまで詫びられました。
ヴェンツ皇太子殿下はとても厳しい要求をされました。
それが聞き入れられなければ、途中にある国全てを蹂躙してでも、モンザーマー王国を攻め滅ぼすと宣言されました。
国王陛下は全て聞き入れられました。
私の名誉は回復されました。
王弟、王太子、ティッチフィールド公爵などのヴェンツ皇太子殿下に直接剣を向けた貴族士族だけではなく、舞踏会場にいて私を見殺しにしようとした全貴族士族の領地が、アリステラ皇国の飛び地として割譲されました。
モンザーマー王国の領地は三分の一に激減しました。
このままでは、いつ隣国の侵攻を招くかもしれません。
モンザーマー王国はアストリア皇国の属国となる事を望み、認められました。
特に税などは納めなくていいそうです。
そうそう、国王陛下の王弟達への怒りは激烈で、証言させるために拷問後に完全治癒していたのですが、王都の広場に磔にされ、足から徐々に犬に喰い殺される処分が執行された。
そして私は女公爵として、ヴェンツ皇太子殿下と婚約しました。
婚約破棄された公爵令嬢は流浪の皇太子に愛される。 克全 @dokatu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます