人気投票やっちゃいます
カエルムはメロンパンを奪われて意気消沈するパン屋と王女を宥め、城への道を急がせた。そろそろ本当に帰らないと、城で大臣と約束していた打ち合わせに間に合わない。
「ロス、今晩、大臣が折り入って相談が、と言っていた内容なのだが、何か聞いているか?」
実は、常ならば事前に用件を簡単に伝える大臣が、今日の事については何も詳細を語らなかったのだった。
カエルムの質問にロスはふっと目を明後日の方向へ逸らした。その様子に、カエルムは顔をしかめる。
「何だ、聞いてるのか」
「いえ、何も? 全くもって存じ上げません」
「口調と目線が嘘だと言っているが」
「目は言葉を紡げませんので」
顔を合わせようとしないが、ロスの声音には明らかに笑いが含まれている。不穏なものを感じたカエルムが更に追及しようとすると、少し先を歩いていた王女が「あら、なぁにこれ」と声を上げた。
王女が足を止めたのは、城下への触れが貼られる掲示板の前である。興味津々といった体で、貼り紙を読んでいる。
しまった、と顔に書いてあるロスに構わず、カエルムも王女の横に並んだ。
「これか……大臣が隠していたのは」
——即位式を目前に、式次第にて一興を行う。役者として願いたい御仁を国民及び諸外国の訪問者の票により決定する。
投票については下記詳細を参照のこと。
「……一体、何をやらせるつもりなんだ……」
「さぁ、知りませんけれど、珍しい殿下が見られそうなので楽しみにしてます」
事が露呈したのでロスは開き直り、さも面白そうに述べた。しかし、次のカエルムの一言でその表情は固まった。
「ロスも入っているが?」
***
立て続けの更新失礼します。今回は予約投稿です。
『天空の標』、自作中で多分、1番のレビュー数ではないでしょうか。お星様も降っています。ありがとうございます。天空なだけに嬉しさもひとしおです。
小説貼っておきます。https://kakuyomu.jp/works/1177354054891239087
それでですね。今話題の人気投票です。
竹神さん、野々ちえさんの連載で行われていた人気投票、やってみたくなっちゃいましたので、やってしまいます。
お二人の投票についてはこちら。
竹神さんの体験記(投票締め切り済み)
https://kakuyomu.jp/works/1177354054891848373/episodes/1177354054893862809
野々ちえさんの小説末尾(投票は締め切り済み)
野々ちえさんのは小説の最後についていますので、未読の方がいらっしゃるといけないから小説ページのリンクにします。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054888967236
お二人の作品、どちらもとても面白いです。竹神さんはミステリー+ホラーのような、スリルとギャグのバランス最高の物語『幻想街の鬼退治』
野々ちえさんはじれじれ幼馴染の恋愛もの。胸が熱くなります。『今日に捨てていく』
未読の方、是非に!
というわけで自作『天空の標』の人気投票ですが、
三位まで投票お願い致します! 理由もお願いしますです。
ここから先、登場人物紹介が入るのでネタバレを大いに含みます。未読の方はスルーしていただけたら嬉しいです。
では早速。
カエルム……主人公。シレア国第一子第一王子、王位継承者。二十七歳。今回テハイザほか、外遊。常に冷静沈着。キレると怖い。
趣味は従者をからかうこと。
今回の連載で頂きました通り名は、天然たらし、シスコン、イケメンという彩り豊かなものとなりました。
ロス・プラエフェット……カエルムの側近。今回、カエルム以外に一人だけ苗字ついたよおめでとう!三十歳。王子と恋人相手に苦労人。一応、偉い人です。戦争に赴く軍を持たないシレア国にて、国防団最高司令官兼、王家直属第一等衛士団指揮官長という二つの肩書きを持っております。
クルックス……テハイザ王宮の使用人。両親を早くに亡くしています。ほんわか優しいお兄ちゃん。スピカの実兄が不在の間、スピカの面倒を見ています。それもあって、嫌いな武術も随分と鍛錬しました。
実は図書室での力持ちな彼は、そのあたりの暗示です。
スピカ……テハイザ王宮の使用人。当初、全くいない予定の登場人物でした。
主に動物のお世話をしています。実兄はさて国外へ? 雷と稲妻以外はほとんど何事にも恐れぬ元気娘。先が心配です。
随分と早くから文字が読めるようになりました。
テハイザ王……即位後まもない若い王です。城の中で若輩の王はなかなかに苦労した様子。カエルムほどの強い意志がないせいで、まぁあんな状況になりましたが。
やるときにはきちんとやる人です。強かとの評もいただきました。
クルックスがテハイザ王では? と予測なさった方が多かったみたいです。そんなミスリードは全く考えていませんでした。
近衛師団長……テハイザ王の側近です。いかつい顔したおじさん。根は優しいんですが、表情筋が硬いので怖いと思われがち。一応上官ですから、カエルム達が動きやすいように色々と苦慮してくれました。
テハイザ国 大臣……黒幕。割と強行政治を行なっていた先代の時代、教育長を務めていたのが大臣に昇格。武力も辞さない領土拡大を狙います。
ソナーレ……ロスの恋人です。カエルムよりも年上です。王女の侍女を務めています。シレア王宮のメンタル・ランキングでは一位二位を争うかもしれません。
テハイザ国 琥珀色の髪の男……名前すらないんだ、ごめん。替え玉くん。
スピカの父親……内部分裂したテハイザ国の急進派の中で、テハイザ王を支持しながらも、軍事力を用いてでもテハイザの繁栄を目指すのが王の役にも立つと考えちゃった一派ですね。シレア国での行動には頭が働いたようですが、相手が悪かった。
テハイザ国 誘惑の女性……カエルムの被害者その一。読者様から「峰不二子」に擬えられました。彼女に幸あれ。
テハイザ国 宿屋の娘……カエルムの被害者その二。お父さんが買い出しに出かけてしまったばかりに、被害にあった娘さんです。いい人見つかるよ、大丈夫。
テハイザ国 商人……ロスに色々教えてくれた酔っ払いのいいおじさん。運よく奢ってもらいました。よかったよかった。
番外
シレア国王女……冗談です。この体験記にしか出てきてないじゃないですかって。あ、四位でしたら入れていただいても(笑)
多分、上でほぼ全員書いたと思います。
他にいたらどうぞ。
すでに投票が開催されたところを参考に、1位5ポイント、2位3ポイント、3位1ポイントで集計します。
しかし、見事に男ばっかりですね。なぜ私、女なのにこんな話書いてるんだろう。自分が謎すぎて仕方ありません。姉妹編は女の子が頑張る話なのに。
たくさんの投票をお待ちしております。よろしくお願いいたします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます