投稿準備完了&名前 他薦ありです

「うわつ」

 ロスが大臣のいた商務省の扉をくぐるや否や、書類束が顔めがけて飛んできた。

「入室前の挨拶くらいせぬか馬鹿者」

「だからってやめてください!」

「殿下の側近だろう。普段から礼儀をわきまえぬと肝心な時に無礼を働くぞ」

 大臣は卓上でペン走らせ顔を上げもせずに諭した。


「貴方こそこれ大事な書類じゃないんですか。投げるなんて」

「受け取れぬ輩には投げん」


 確かにロスは顔に当たる前に受け止めた。ただ褒められているのか何なのか、釈然としない。

 ぶつけられ(そうになっ)た書類を見てみると、新年から営業する市場店舗の一覧である。どれも区画が大きい。

「それを殿下のところへ」

「やたら一店舗あたりの土地が大きくないですか」

「新年数日間、市場の半分は前年終わりから期間総数十万以上の出品がある店に絞った」

「その制限の割には結構ありますね。で、今作っているのは?」

 ロスは机に近付いて大臣の手元を見る。横では商務省の担当者が侍女から聞いていた案件を書き写しているようだ。


「名前の一覧表ですか」

「新年最初の仕事の割り振りだ。ええとロス……苗字は何だったか」

「……覚えててください」


 城内で苗字を呼ばれることもほぼないので仕方がないが、今日はやたらと運が悪い。


 ***

 こんばんは。完結長編、ラストまで投稿準備が終わりました。前回はタイミングに関し、ご意見をありがとうございます。


 参考に致しまして、一話ずつ(最後だけ短いので二回)にしました。

 日曜朝に一つあげました。早速お読みいただき感謝です。いつもながらの深夜投稿にします。ひそやかに。


 月曜になった深夜0:12分に一話。

 夜に最終話です。(ここ、昨夜のアップ状況を見て変えました)


 そのあと、後書き書くかな、と言う感じ。

 長かったものです。しかし前半に書いた通り、十万字越えのコンテスト参加作の多いこと! 中には複数作品参加の方もいらっしゃいますよね。すごい。


 さて表題。名前ですね。

 登場人物の名前をどう決めるか、です。作品を書くには悩むところでは。名は体を表しますので。


 カクコン5参加作品に絞って、上手いなーと思ったもの、いくつかあります。それぞれお話も面白いのでご紹介。

 まず複数回のご紹介もお許しを。

 野々ちえさんの『今日に捨てて行く』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054888967236


 じれじれの恋愛。もうくっついてしまえと外野が言いたくなってしまう。前半で結末を知っているのに後半も「もーっだから!」と読んでいます。町の名前から脇役まで名前にもご注目。親友さんが個人的に主役を上回る助演男優賞です。個人の好みです。


 続いて竹神チエさん『幻想街の鬼退治』

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054892281807

 桃太郎伝説に絡めた不思議なお話。ミステリー、ホラー、ファンタジー全ての要素が詰まっていると思うので、どれかお好きな方は楽しめるはず。少年少女たちが不可思議な体験に頭を捻っています。同じ夢を見ていたのか? 記憶が欠けているのか? 突然起こる不気味な出来事の意味は? コメディ的なところがありながら、ところどころゾッと背筋が……。

 桃太郎に関係させて登場人物の名前がつけられているのですけれど、それぞれがどんな働きをしてくるのかまだ読めないんです。それも私にとっては楽しみです。狐につままれる気分で読んでいて、紹介文も下手ですみません。

年末の岡山旅行、至るところに桃太郎お土産やら桃太郎のイラストがありましたが、真っ先に思い浮かぶのはこのお話でした。


 そして達見ゆうさん『スシババア』


 https://kakuyomu.jp/works/1177354054891740824


 名前について書いてしまうと面白さ半減だと思うので伏せます。短編でさくっと読めて、大笑い出来ます。お寿司好きの方にもお勧め。



 それで名前です。私の場合どう決めるかというと、登場人物はラテン語などからとっています。土地名国名は適当。というのは姉妹作が昔の書きかけを掘り出したもので、すでに土地名国名はあったので変えなかっただけです。

 当初は姉妹作の王女以外の主人公名は日本名でしたし。『千歳』でした。


『天空』では以下の通り。


 カエルム=天、空(王になるので、上位統率者のイメージですね)

 ロス=霧、雫

 クルックス=南十字星

 スピカ=星の名前です。小さいので星座までは作りません。

 ソナーレ=音、という意味から。イタリア語では動詞。ラテン語では何だったかしら……今度調べなおします。


 カエルムなんて姉妹編で名前すらなかったのに……。


 シレアとテハイザは昔の私が語感で決めたに違いないです。何で適当な。


 という感じで作られた人物たちでした。さて終結まであと僅か、ということでリンクも貼っておきます。果たしてこの話はファンタジーだろうか。


「天空の標」

 https://kakuyomu.jp/works/1177354054891239087


 この体験記、キャッチコピー変えなくちゃ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る