完結しました。この体験記は続きます

 同じ頃、執務室では王女とカエルム、下男がまんじりとせずに件の書物を見つめていた。

 沈黙の中、冬晴れの外から、凛とした澄んだ音が聞こえてきた。鐘楼の鐘の音だ。


「あ」


 窓の外に顔を向けた下男の横で、王女が突然つつかれたような声を出す。


「これは、止まった……?」


 カエルムが書物を手に取り上げた。指輪が乱反射した光が、書物の紙面に淡く虹色を映す。文字が浮き沈みしていたところはしっかりとインクが紙に定着し、消える気配もない。


「止まったなら、もう問題は無いのかしら。それとも?」

「差し当たりは、急を要することはないということだろう」

「様子は見続けた方がいいかもしれないわね。あとはテハイザの方に異常がないか、書いておくとか」

「ああ」


 鐘楼は鳴り終わり、戸外で雪が降り始めた。風花だ。

 美しく舞う雪片を見ながら、カエルムは内心で謝罪した。


 ロスを走らせて悪いことをした、と。


 ***


 完結しました! 良かった、書き終えられて。

 読んでくださった皆様、読んでいただいている皆様、ありがとうございました。早速のレビュー、お星様、応援コメントその他、感謝です。なければここまでテンポ良くこられたか。

 ずっと最新話をすぐに読んでくださり応援マークいただきました野々ちえさん、無月兄さん、無月弟さん、新巻へもんさん、坂井令和さん、コノハナサクヤさん、九乃カナさん、宇部松清さん、勇気づけられました。この場を借りてお礼申し上げます。(お名前のわからない方々も……どのお話もPVが一定でした)

 そしてまだ読み続けてくださっている読者様にも、ありがとうございます。


 色々と書きたいことあるのですが、まずはご報告と御礼を。


 まだこの体験記は続きます。(え? このふざけた調子で続くのか? というツッコミはご容赦を。なんだか楽しさと使命感です)

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