下書き、完結

「あら?」


 ふと、王女が会話相手の二人から顔を逸らし、立ち上がった。カエルムが書見台の脇に置いた例の奇妙な本に近づき、両手で恐る恐る取り上げる。


「どうした」

「いえ、何だかこれ、さっきからペンの走る音がしていたけれど、止まったのじゃないかしら」


 妹から書を受け取ったカエルムは、最後の方の頁をぱらぱらとめくる。裏表紙まで行きつき、もう一度前へ戻った。

 覗き込んだ下男が怪訝に眉をしかめる。


「何の変哲もない本じゃないですか。全部の頁、埋まってるし」

「おっかしいわねぇ。さっきはこれ、途中空白でどんどん間が埋まっていってたのよ」

「そんな馬鹿な」

「いや、待て」


 首を傾げながら言い合う二人を制し、カエルムは書を卓上に置き直して二人に示した。王女と下男はカエルムの指先へと視線を動かす。そこでは、文字の順番が入れ替わったり単語が消えては浮き上がったりしていた。


「何ですかこれ、不気味な……」


 下男が気持ち悪そうに卓から後退る。王女も一緒になって手を引っ込めた。


「天球儀と時計台の異常かと思えば、今度は書物。いつになったらこの変なこと続きの状況がおさまるのかしら」

「早晩、止むと信じよう。まぁ終わっても、これが変な書であることに変わり無いかもしれないが」


 ***


 こんばんは。

 完結までもう少し、とお伝えしておりました。

 お正月、途中で少し仕事を入れつつ(お客さんおもてなしや家事の合間に)、書き進めました。月曜になる前を目指して。


 下書き、完結しました。


 あとは手直しして、アップロードできる状態にし、順に上げていきます。

 残り「火焔」が二話、そして終章、エピローグです。


 長かった・・・。本日の執筆、約4000字です。

 最後がキツかったです。それはアップしてから。


 ところで疑問に思うところがあります。

 残りの話を、頑張って全て明日(=多くの方は日曜で休日?)にアップ

 or

 明後日(=多くの方は通勤時間に読むのかも?)の朝昼晩でアップ

 or

 明日から一話ずつアップ


 のどれがいいのかなぁ、と。


 一気に読みたい派ならPossibility1、通勤時間が読む読む、むしろ休日忙しい方なら2、ちょっとずつ派には3??


 これいつも迷いながら、結局できた順にあげちゃうんですけど。


 なかなかこの長編は200位以内にも入らないので、(あまり期待していないながらも)もう無理かな〜と思いつつ、頑張って形にしますね!


 それでは!


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