スロー展開、やっとクライマックス
王女とカエルムは、お互い特に何も口にせず、なんとはなしに窓の外を見ていた。冬晴れの澄みきった空が屋外の寒さを眼に伝えるが、室内はそれが嘘のように暖かく、暖炉の火のはぜる音が耳に心地よい。
「あんなに変なものが見つからなければ、って思うくらいの良い天気よね」
非常事態が起きているとは思えぬほどのんびりと王女が言う。
「何も大事は起きていないからな。ただ何か起きてからでは遅い。未然に防ぐ必要があるだろうが……今の状況で早くに事を勧められないのも事実だ」
カエルムといえばこちらも、焦る様子を微塵も見せず、机の上に肘をつき、両手を組んで空を仰いでいる。
やる事はやったところなので別段咎める行為でもないのだが、ロスが見たら耳に聞こえる溜息をつきそうな光景である。
先の書物はまだ文字を増やし続けており、王女以下三人が対策を練ったり書類を作ったりしている間に、綴じられた紙のうち白紙のまま残るのは五分の四ほどになっている。
先と比べると動きが不規則で、進んだと思うと止まり、すこし戻り、を繰り返しているようだ。
段々とその様に慣れてきた王女は、秋頃の混乱時とは異なり兄がいる安心のせいか、ぽつりと呟いた。
「なんだか、お腹減ってきちゃった。料理長のところに行って甘いもの、もらって来ようかしら」
***
こんばんは。毎日夜ご飯が遅くなってしまいまたこんな時間です。
お話はやっと、クライマックス。下書きでは80000字を超えております。あと少し。
本日は自作について思うことをチラリ。むしろフォロワーさんが減ってしまう発言かも?
私の物語は、長編になるとスローーーー展開だと自覚しております。これは異世界ファンタジーながら、異世界ファンタジーによくありそうな? 殺し合いやらバトルやらが嫌いなので書きたくない、のもあるのでしょう。基本的に前半にばーっと伏線をばら撒くだけばら撒いておくので、しかも書いている間にそれが増えるので、なかなか焦ったいと思います。
PVを見ていると、序盤半ばでがくりと数が落ちるのでこのスロー展開が原因だろうなぁ、と。
読者さんが次は? 次は? と待つような山あり谷あり展開を作れるようにしなきゃなぁ、と。ですから、ここで転じるよ! というすぐそばまで見てくださるのが分かると本当にはらはらどきどきしてます。
そんなのろのろスローな、まだ? まだなのという展開にも関わらず、ずっと追ってくださっている読者様が天空には複数。励みになります。ありがとうございます。あと、何気に読み専さんも多いみたい?
本編はやっとクライマックスで、張っておいた伏線を回収し始めましたが……少しでも驚いた、というところがあれば嬉しいです。
この後、語りも長くなります。それらを全部拾った上で、ラストに繋がる糸を張るのに苦戦してます。ここから今まで以上に姉妹編とぴったり時間軸を合わせなきゃならないので、注意しなきゃ……!
姉妹編の方ですが、先日にふづき詩織さまから嬉しすぎるレビュー頂きました!
「人々の生活を感じるファンタジー」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054889868322/reviews/1177354054893137980
さて他薦。お久しぶりの薮坂さん、ぶっちぎりの良作短編をお書きになって戻っていらして。ほっこり、じんわり、幸せなお話。クリスマスは過ぎても、トナカイに笑顔になります。
「幸せのトナカイ」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054893273010/reviews/1177354054893276658
自作の短編賞応募中のショコラティエとピアニストのコラボは、一時期は週間五位あたりを頑張っていましたが、ランキングはすぐにかわっちゃいますね。
長編短編どちらも、ランキング上位なんて夢のまた夢。レビューや星が軒並みついていく作者さんと比べると、まだまだまだまだ、な自分です。
でもまずは完結。今書いているのは登場人物が好きになれたのも幸運ですし、一定の読者様が続けて応援を押してくださるのに毎度喜びながら書いています。
でも、今日はランキング落ち気味だった短編に嬉しいレビューを頂きました。finaleが何人もの方の心に届いたようで、嬉しいです。やっぱり良いよって言ってもらえて、初めて自信につながる、エゴにならないで済む気がするし、書いてよかったと強く思えるのです。
「魔法の隠し味はいつも君が」
https://kakuyomu.jp/works/1177354054892910261
仕事が今年のうちに終わりそうにないですが、申し訳程度でも大掃除はしたいもの。今日はカクヨム書くためにも、仕事も家事も頑張んなきゃー。
今年お気に入りのピアスを三つも落としたので、傷心中の蜜柑桜でした。そんな中で皆様の暖かさに慰められてもいる蜜柑桜でした。
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