創造神の魂達
それは分け隔てられ転生する
すると『黒』に自分を含まない残り三名の
それから時間は僅かに遡り、
「――……クソッ、まだなのか! アルトリアの奴……っ!!」
そうして僅かに焦りの言葉を浮かべるユグナリスだったが、
「アルトリアッ!?」
「――……チッ!!」
その二人に対して名前を呼んだ未来のユグナリスに対して、アリアは苛立ちの舌打ちを鳴らしながらそちらに向かって悪魔の翼を羽ばたかせた。
そして
「アンタはまだ、
「なっ!?」
「
「ど、どういうことなんだっ!? 少しは説明しろよっ!!」
「うるさいっ!!」
「……何なんだよ、いったい……!!」
理由を聞こうとした未来のユグナリスに対して、アリアは怒鳴り返しながら
それを追おうかと僅かに悩んだ未来のユグナリスだったが、精神の核となっていたアルトリアの
そんな未来のユグナリスに嫌悪の感情を向けていたアリアは、真上に飛翔しながらこうした言葉を漏らす。
「――……まさか、アイツと私が元は同じ魂の生まれ変わりだったなんて……。……そんなの、死んでも知られたくないのよ……っ!!」
アリアはそうした呟きを漏らし、自らの
そんな彼女の脳裏には、『黒』と交えた会話の一部が思い出されていた。
『――……
『それは分かってるわ。それで、二人目は誰なのよ?』
『ユグナリス=ゲルツ=フォン=ガルミッシュ』
『……は?』
『黒』が明かす
すると『黒』は口にした名が間違え出ない事を伝えた上で、それが
『だから、ユグナリス=ゲルツ=フォン=ガルミッシュ。貴方の幼馴染で、ガルミッシュ帝国の皇子様』
『……いやいや、待ちなさいよ。
『転生体については、
『……百歩譲ってそれはいいわ。でも、あり得ないわよ。それがユグナリスだなんて』
『どうして?』
『だって、私とあの
ユグナリスが自分と同じ
それを諭すように、『黒』は冷静な声色と言葉で話を続けた。
『転生する魂の欠片達は、それぞれに特色の強い
『どういうことよ、それ』
『そうだね。簡単に言えば……アルトリア。君は多分、
『!?』
『そしてユグナリス。彼は
『……人間の感情、罪と呼ばれている大罪のこと?』
『そう。そして
『あっ、そう。……って言うか、
落ち着き払った様子で語る『黒』の言葉に、アリアは納得を浮かべながらも動揺した面持ちを再び浮かべる。
すると少し考えるように沈黙した『黒』が、ある話を行った。
『実は、七人の
『特徴?』
『それはね、御互いに強く嫌い合うんだよ』
『……はぁっ!? 元は、同じ魂なのにっ!?』
『私も
『……なんでよ?』
『多分だけど、元となっている
『……じゃあ、私がユグナリスを嫌ってるのは……』
『君達が嫌い合うようになった原因は、確かな理由があると思う。でも根本的な部分で、君達は魂が拒絶し合っているんだよ。だから小さな出来事が原因でも、御互い関係の溝は深くなってしまっているんじゃないかな』
『……聞きたくなかったわ。その話だけは……』
アリアは自身が嫌悪し続けたユグナリスが、同じ
それを知らされると酷く陰鬱な表情を浮かべながら過去から未来におけるユグナリスとの争いを思い出し、『黒』の話が自分達に当て嵌まっている事に気付いた。
そんなアリアに対して、『黒』は新たな事実を教える。
『ユグナリス。彼が
『……まさか、三人目は……』
『
『……ッ』
そう伝えた『黒』の言葉を思い出すアリアは、右手に生み出した魔力の光で真っ暗な精神世界を切り開く。
そして自らの意思で
すると冷たい身体で青い瞳を見開きながら、
そこで押し寄せて来る『神兵』達と対峙しているエリクの背中を発見した後、その視線を自身の隣で横になっている人物に注ぎながら引き気味の顔で呟いた。
「まさか、三人目が貴方なんてね。――……ケイル」
「――……」
それはアリアの人生において、幼馴染のユグナリス以外に明確に嫌悪と矛を向け合った間からである、仲間のケイルだった。
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