魂の欠片達
それは望まぬ生死を繰り返す
それによって選ばれたのは、
自分達が
「――……私とウォーリスが、世界の変革者ですって……。しかもそれで、
『それは、私にも分からないの』
「は?」
『
「!?」
『でも、それ以上の未来が
「……ちょっと待ちなさいよ。それって、初めから……
『そうだよ』
「……私達が体験した、
『そうだね』
「何が起こるのか分かった上で、全て進めてたってこと……。……なんて奴なのよ……!!」
アリアは嫌悪の表情を強めながら、周囲から響く『黒』の意識に悪態を零す。
しかしそうした嫌悪を否定するように、『黒』は自分の思考を伝えた。
『何が起こるかは、全ては分からなかったよ』
「え?」
『
「……『黒』の集合意識であるアンタだからこそ、『
『そう。だから貴方達と出会った
「それが、
『その通り』
「つまり全部、私達に丸投げって事じゃないのよ。……何なの、その計画性があるようで無いような行き当たりばったりな感じは?」
呆れるような物言いを見せるアリアは、辟易とした様子を見せる。
すると今度は否定しない『黒』が、渋るような声色で語り掛けた。
『ごめんね。君達にとって今までの出来事は、とても辛い体験ばかりだったのに』
「……まぁ、別にいいわ。そもそも、
『!』
「ただそういう話なら、前もって説明しとけとは思うわ。この土壇場の状況でいきなりそんな話をさせられても、どうすればいいか私自身には分からないもの」
『……ごめんね』
「それも
今までの出来事に対して『黒』を責めるような態度を失くしたアリアは、改めて生死を繰り返す
すると少し間を置いてから、『黒』は幾つかの方法を提案して見せた。
『一つ目の方法が、最も簡単。残り一本のマナの
「
『二つ目が、
「完全に復活?」
『
「ちょ、ちょっと待ちなさい。それじゃあ、今の
『肉体を満たす為の魂が足りないせいで、元の人格を形成できていないの。だから自我がほとんどないまま、肉体に蓄積している瘴気の影響で暴れ回ってしまうんだよ』
「じ、じゃあ……今起こっている
『そうだね。
「……この計画自体を止める事が、不可能じゃないのよ……」
すると表情を顰めながら、深い動揺の面持ちを浮かべて『黒』に問い掛けた。
「私達以外の六つの魂、その持ち主が誰か知ってるの?」
『知ってるよ』
「誰っ!?」
『でも、駄目なの。そのうちの一人は、ずっと眠り続けているから』
「眠ってる……!?」
『五百年前に復活した
「……なら、完全に復活させなくてもいい。せめて世界の破壊を停止させる事が可能な魂は、幾つ必要なの?」
『……また止めるだけだったら、四つの魂があれば』
「四つね。だったら、その四つも今すぐ
『うん。こうなる状況までは、分かっていたから』
「なら教えなさい。私達と同じように、分けられた
『……分かった、教えるね。君以外に、
「――……はぁっ!?」
『黒』が明かす
そしてその三名の人物こそ、アリアが良くも悪くも最も知る存在だった。
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