美しい世界で繰り広げられる、少し変わった兄妹の力
- ★★★ Excellent!!!
舞台は琉球。神の力が未だ息づく島と、その島で兄妹神として生きる、少女と、その新たな兄となった少年の物語……
物語のところどころに出てくる名詞は、琉球読みもありますが、あおさんさすがです…!全く困らず読めます。
琉球の青い空と海の下。
一部の舞台は、今より昔。
少しづつ、確かに成長していく少女と、秘密を抱える少年の、旅の物語。不器用な優しさや、細やかな描写、明らかになっていく童達の過去に、自分までもが、彼らと共に旅をしている様に、切なくなり、嬉しくなり、泣きたくなります。
二部は、一部よりも後。
成長したからこその、感情の変化や人間関係。揺れ動く気持ちともどかしい関係。そして、それの元となっている二人の“使命”や“思い”が、思わず一気に読んでしまうほど、読み手を引き込みます。
首飾りの描写は、見ていないのに息を呑むほど綺麗だったです!
きっと最後には、誰だって心が温まると思います。
切なくて、優しくて、不器用で、時折残酷なようで…そして何よりも美しい。
そんな世界の旅を楽しませていただきました。ありがとうございました。