美しい世界で繰り広げられる、少し変わった兄妹の力

舞台は琉球。神の力が未だ息づく島と、その島で兄妹神として生きる、少女と、その新たな兄となった少年の物語……

物語のところどころに出てくる名詞は、琉球読みもありますが、あおさんさすがです…!全く困らず読めます。

琉球の青い空と海の下。

一部の舞台は、今より昔。
少しづつ、確かに成長していく少女と、秘密を抱える少年の、旅の物語。不器用な優しさや、細やかな描写、明らかになっていく童達の過去に、自分までもが、彼らと共に旅をしている様に、切なくなり、嬉しくなり、泣きたくなります。

二部は、一部よりも後。
成長したからこその、感情の変化や人間関係。揺れ動く気持ちともどかしい関係。そして、それの元となっている二人の“使命”や“思い”が、思わず一気に読んでしまうほど、読み手を引き込みます。
首飾りの描写は、見ていないのに息を呑むほど綺麗だったです!
きっと最後には、誰だって心が温まると思います。

切なくて、優しくて、不器用で、時折残酷なようで…そして何よりも美しい。

そんな世界の旅を楽しませていただきました。ありがとうございました。


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