第二章 あらたなる ちんきゃく

一度の失敗ではくじけない

「そうか。あのガキもアサシングロウの抹殺も失敗したのか」

 暗闇の中で男はボキボキと指の関節を鳴らす。

「すいません、ボス。それにアイツら結託までしちゃったから、どうしよう……」

「結託ねぇ……」

 ボスはスッと立ち上がってそういう子分の方向に狙いを定めて何かを放つ。

 それは子分の真横を通り抜け、ダーツの中心へと突き刺さった。

「むしろこの機会は好都合じゃないか。分散して処分する手間が減る。ところで、あの女の方はどうなっている?」

「首領の方ですが、アレから特に目立った動きも無く、少年を護るような素振りもなさそうです」

「あの女はあの女で日和見って訳か。都合のいいヤツだ全く。首領エーデルワイスの暗殺の方はまた機会があればにするとして、今はあのクソガキとアサシングロウの抹殺の方が先だな」

「次はどんな手段でやるんですか、ボス?」

「今度はこいつらに連絡をしろ」

 ボスはそう言って、子分に二枚の名刺サイズのカードを渡す。

「こいつらなら、一網打尽ですね! さっすがボス」

「そうだろ、そうだろ」

 子分に褒められてボスは何処と無く上機嫌であった。

「さぁ、今度こそお前らの最後だ」

 ボスは手を組んでニヤリと笑った。

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