第3章

―ここは兵庫県のある山奥。

そんな山奥にポツンと、氷の家がある。

自称大手「あぁ、さみぃ…様子見なんてこなけりゃよかった…」

自称大手秘書「さ、さむい…」

この家に、自称大手とその秘書がひっそりと過ごしている。

自称大手「明日、新幹線で帰るか…」

自称大手秘書「は、はい、そそそそそうですね」


相蔵「お好み焼きうんめぇ!」

じょーきゅー「兵庫県、ね…向かうか」

相川「こんな天気じゃ無理だ。明日、朝イチでいこう。」

外は大荒れで、とても外出できるような天気ではない。

相川「とりあえず今晩はここですごそう」

~翌日~

三鷹原「おはようございます、みなさん」

相川「今日は姫路までそりでいこう。」

相蔵「了解しました、行きましょう」

相川がそりを走らせると、次第に曇っていた空が晴れていき、冬の日差しが見えてきた。

だが凍った地面は一向に溶ける気配がない。


相川「とりあえず姫路駅についたね。」

甲武「あぁっ!ちょっと!みなさん!あれ!自称大手!!」

相蔵「あっ!ホントだ!自称大手だ!」

じょーきゅー「行ってみようか」

そりから降りた一同は、まるで刑事のように自称大手に迫る。

関中「秘書もいるぞ。そいつ、捕まえるわ。」

相川「せーので取っ掛かるぞ。」





相川「せーのっ!」

自称大手「?!」

相蔵「自称大手さん、すこし来てもらえますか?」

関中「みんなー!こっちも捕った!」


二人をそりに載せ、相川が再び城急本社に向けてそりを走らせると一同に笑顔が戻った。

駿武「とりあえず姫路駅についたとたんに見つかって良かったですねw」

相蔵「確かにw城急本社についたらじっくり話を聞かないとね」


じょーきゅー「ただいまー!」

城急社員「はやっ!?」

相蔵「それがさぁ、姫路駅についたとたんに見つかってさぁ。」

城急社員「それは良かったですね」

城急社員「ところで自称大手は?」

一同「?!」

なんと自称大手がそりにのっていないのだ。

秘書ものっていない。

相蔵「ohhhhhhhhhhhh!」

じょーきゅー「イヤァァァァァァァァ!!」

相川「…多分もう新幹線で自称大手本社に戻っているはずだ。ここからは…すごいことになるぞ。」


じょーきゅー「すごいこととは?」

相川「おそらく自称大手本社になにかあるのだろう、あんな朝早くから新幹線に乗ると言うことは」

相蔵「ほう」

相川「で、俺らが行ったところで自称大手が本社を明け渡すか?」

関中「んなわけないよな」

相川「そういうことだよ。関東で関西のことをやるんだよ。」

相蔵「そんなことなら」

相蔵「もすもす相蔵本社?」

相蔵本社「イェア、なんだい?」

相蔵「水素バス弾の用意を頼んだよ」

相蔵本社「ああ。わかったよ。帰ってきたら渡すよ。」


相蔵「お世話になりました!」

三鷹原「ありがとうございました!」

城急社員に手を振りながら、相川のそりは東へ進む。

関中「はぁ。なんでこんな戦いをしなきゃいけないんだよ。」

相蔵「自称大手なら『確認不足だよ!』とか言いそうw」


相川「そろそろ横浜だ。」

相蔵「じゃあ、バスを持ってくるね」


相蔵が持ってきたのは本社営業所のレインボーを使った水素バス弾、それにシムコをのせたエルガミオ、トラックだ。

甲武「何に使うんですか」

相蔵「突撃。」

一同「( ´Д`)?」

相蔵「だから、自称大手本社への突撃。」

相蔵「あとトラックはそり代わりね。」

相蔵は、本社から突撃用の道具を持ってきていた!

関中「なんなら東京支店からセレガ持ってきてそれ護送用で!」

すこし話が盛り上がっている頃に荷物一式がトラックに詰め込まれ、そりは相蔵バス本社に置いていかれた。

トラックに続いて水素バス弾、シムコをのせたエルガミオが国道を走る。

相川「さあ、ここが本社だ。事前に規制線は貼ってあるから、ドカーンと行けドカーンと。」

相蔵「アイクラ、いっきまぁぁぁぁす!」

 ∧∧∧∧∧

<ドッカーン>

 ∨∨∨∨∨

 ∧∧∧∧∧

<ドッカーン>

 ∨∨∨∨∨

 ∧∧∧∧∧

<ドッカーン>

 ∨∨∨∨∨

三発同時に自称大手本社に突っ込み、崩れ落ちていく。


瓦礫の上にたっていたのは驚いた顔をした自称大手だった。

自称大手「え、え、ええい!」

逃げ出した自称大手だが、回りにはシムコがいる。

自称大手「イヤァァァァァァァァ」

自称大手はシムコらによって取り押さえられ、相蔵バス本社の地下会議室で取調が行われた。

相蔵「しらす丼、食えよ」

三鷹原「田舎の母ちゃん泣いてるぞ」

自称大手「この石板を大阪府内に持っていけば、関西の凍りはすべて溶けます。」

そういって自称大手は石板を相蔵に渡した。

相蔵「ありがとう。あとで諸々請求しておくね★」

自称大手「えっ?」


相川「はあ、何往復目だよ。疲れたよ。ハァ、ハァ。」

三鷹原「ありがとうございます」

関中「さあ、じょーきゅー、お前が府内に入れば、一歩踏み出せば」

一同「溶ける。」


じょーきゅーが踏み出したとたん、街には活気が溢れ、山には緑が恵まれ、川や膿みには潤いが戻った。

市民A「わぁぁ!」

市民B「もとに戻った!」





〔3年後〕

3年後、西日本にはいつもの活気が戻り、平和な日常を送っていた。

あの事件直後、自称大手の社長の退陣を求める声が世界中から集まり、小田原箱根空港の清掃員となっていた。

自称大手「はぁ。屋外清掃はだるいなぁ。」

一方その頃、城急レイカーズの試合の始球式に出席していたじょーきゅーが投げたボールが遥か彼方の小田原箱根空港に向かっていた。

 ∧∧∧∧∧

<ドッカーン>

 ∨∨∨∨∨

自称大手の頭に野球ボールがぶつかった。

自称大手「ああああああああっ!いててててぇっ!」


END.

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