第5話 同棲生活の始まり

私と雅也は立ち話しているのですけれど、いつになったら

雅也のお家の中へ入るのかと考えてしまっているのです。


そんな時でした。


雅也が住んでいるお屋敷の中から一人のメイドさんが出てくると、

雅也の傍まで行って何かお話しているように見えます。


しばらく私は立ったままでいると、ふらふらとしてきていつ

倒れてもおかしくないという状態です。


きっとこれは長い距離を歩いてて歩き慣れていないせいかなって

思っているのでここで倒れるわけにはいきません。


倒れてしまえば、雅也にご迷惑がかかるのでなんとしてでも

踏ん張らないといけませんよね。


どうやら雅也とメイドさんのお話が終わったみたいでメイドさんが

お屋敷の中へ戻って行きます。


そんな私を見ている雅也が私の傍まで来ると、雅也は私の事を

お姫様抱っこをしてお屋敷の中へ運ぼうとしているのです。


「雅也、恥ずかしいよ」


「何を言っているんだ、恥ずかしいとか言っている場合じゃないだろ」


「それはわかるけど、お姫様抱っこだなんて恥ずかしい」


「俺は恵梨香の事がよく見えて嬉しいけどな」


「恥ずかしいから言わないで」


私は赤面しているのでまともに雅也の顔が見ることが出来ないので

そっぽを向くようにしています。


「このままお屋敷の中まで連れていくからな」


「うん、お願いします」


雅也は私をお姫様抱っこしたまま、お屋敷の中へ連れて行くのですけれど、

私って重たくないよねとか考えてしまっているのでどうかしているとか言えない。


そうしているとお屋敷の中へ到着して私はお姫様抱っこをされてましたけれど、

雅也は私にこう言ってくるのでした。


「中へ入るんだが、靴は自分で脱げそうか?」


「うん」


雅也は私を下ろしてくれて私は自分で靴を脱ぐと、そのまま上がって雅也が来るのを

待つ事に致します。


雅也も靴を脱いで上がって私の所へ来ると

「それじゃ行こうか」


「うん」


「何処に行くの?」


「言うの忘れてたな、俺のお部屋にでも行こうか」


「うん」


私と雅也は雅也のお部屋へ行くために歩き出していて、その途中でメイドさんと

鉢合わせすると私は会釈をしていくのです。


「俺のお部屋に到着したぞ」


「う、うん」


雅也がドアを開けて中へ入ると私も雅也の後にお部屋の中へ入ると、

私は驚きの光景を見てしまうのでした。


「ここが雅也のお部屋なのね、高級そうなばかりだね」


「まぁ、そうでもないさ」


「私には手が届かない代物ばかりだよ」


「そうかもしれないけど、そのうちに何とかなるだろう」


「何とかならないって」


「あっはっはっはっ、そうだな」


「そこまで笑わなくてもいいじゃない、もうっ」


「恵梨香は本当に可愛いな」


「いきなりそんな事を言われると恥ずかしいよ」


雅也は私にとっての恋人なので大切にしたいのもあるし、

なるべく出来る事はしてあげたいと思っているので

飽きられないように頑張るつもりです。


「立ち話も何だし、座ってお話しようか」


「うん」


私と雅也は座れる所まで行くと雅也が先に座って雅也が

俺の隣に座れと指示してくるので雅也の隣に座ります。


「雅也はこれからどうするつもりなの?」


「そうだな、まずは恵梨香に話す事がある」


「う、うん」


「俺と恵梨香は恋人同士なんだが、ここで一緒に暮らさないか?」


「ここで私が暮らすのね、でも、いいのかな」


「気にする事はない、ここで一緒に暮らして欲しい」


「雅也がそういうのなら私はぜんぜんいいよ」


「そうか、ありがとうな」


「でも、私が住んでいる所はどうするの?」


「そのままでいいさ、ただ、家賃や光熱費は俺が払ってあげるからな」


「そこまでしなくていいよ」


「どうしてそんな事を言うんだ?」


「だって雅也だってお金は大切じゃないの」


「いいんだよ、恵梨香のためにお金を使いたいんだ」


「あ、ありがとう、雅也」


私は雅也が住んでいるお屋敷で一緒に暮らしていいという事になりましたが、

心配な事もないけれど、本当にいいのかどうかもわかりません。


でも、雅也が住んでいる所で一緒に暮らせるというのは本当に嬉しいので

恋人としてはありかなって感じています。


今日から私の住処はここになるのでご迷惑にならないように気をつけないと

いけないのもあるし、雅也に恋人らしい事をしてあげたいです。

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あの人の事を忘れられないでいる私~幸せを掴むまで~ 一ノ瀬 彩音 @takutaku2019

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