第3話 大切にしていきたいもの


こんにちは、19歳です。


先日、立ち読みをしました。

いつも健康サンダルを履いているのでずっと立っていると

めちゃくちゃ痛くて仕方ないです。

なので、立ち読みは向いてないと言えるでしょう。


最近考えることを聞かれれば『命』についてよく考えます。


YouTubeをよく見ます。特に4人組の男性youtuberをよく見ます。

4人といっても演者として今もなお出ているのは3人、

ひとりは2019年1月にサイパンで事故死されている。赤髪が綺麗な人でした。


1月ニュースを見たときは正直「あ、悲しいな」なんて軽い気持ちもなかった。

むしろ「ふーん」ってくらいの他人事のような気持ちだった。


が、11月になってから他のチャンネルをよく見ていたのだが

ふとコラボ動画を見てやっぱり面白いなと思って

また、過去の動画の赤髪の彼がいるものを見ていました。


いつもハマったらとことんハマる癖があるので

案の定かなり釘付けになって毎日見ていました。

とにかく、面白いんですよ。

だって、家の中に巨大プール作りたいなんて思いますか?私は思いません。


それから、毎日のように4人が出ている動画をひたすらに見ました。

見ていて、楽しくなるのと同時に本当に小学校から仲良い友だちなんだなって

羨ましく思っていました。


ふと、我に返ってときに赤髪の彼はこの世にいないんだなと思いました。


彼が亡くなった後、彼らのYouTubeは上がらなくなり、

事故の経緯だけを説明しているものがありました。

いつもと違う重たくて、どこか怖い雰囲気で笑顔は全くなく

ただ、赤髪の彼がいない悲しい動画だった。


どこか現実を突きつけられているようで苦しかった。

いつも4人の中で中心的でいつでも後ろから見守ってくれてる彼が

もうこの世にいないとジワジワと突きつけられているようだった。

涙は出なかったものの本当に心臓が締め付けられた。


その動画の後に次の動画が上がったのは2月18日だった。

3人の思いをただ話しているだけの1時間の動画だった。


もともとは1時間長いから見たくないがあったが

その時だけはしっかり集中して目を凝視して見た。


動画では、3人が赤髪の彼の思い出や思い、そしてこれからについて話していた。

言葉のどれもが彼への愛なんだと引き寄せられたし、

彼がどれだけ愛されていてまっすぐな人生を送ってきたのか伝わる動画だった。


赤髪の彼は誰よりも天才でYouTubeが好きだったんだそう。

メンバーによれば編集、企画、演者として申し分なく本当の天才だったそう。


確かに、動画を見てればわかる。

彼の考えた企画はほとんどが100万再生以上を超えているし、

15歳の時にあげている動画でさえも編集が凝っているのもわかる

さらに、演者としてもひと時も面白くない姿を見せたことなんてなかった。


初心者の私が見てもわかる本当に天才だ。


それから、彼は多彩な才能に加えてもう一つ持っているものがあった。

それは『たくさんの人に愛されている』ことだった。


確かに画面越しではあるがメンバーだけでなく

他のyoutuberさんから愛されているような動画がたくさん出回っている。

それに2019年の今になっても彼の更新されることのなくなったSNSに

いまだにメッセージが送られている。


彼の誕生日なんて#happyeijidayとハッシュタグがつけられた

誕生日メッセージがたくさん更新されて、

その日は日本のトレンドにもなっていた。


本当に彼は周りだけでなく、動画を通してたくさんの人に愛される

『真の才』を持つ男だったでしょう。


私自身、直接あったこともなかったし動画でしか彼を見たことないのに

どうしてもファンになっていたし、どうしても好きになってしまっていた。


数字だけで言えば50万再生など毎回超えていたはずなのに

彼がいなくなってからの動画はどうしても再生回数に悩む部分もある。

それだけ、数字に響いてしまうほど彼の存在は大きかった。


ただ、彼ら4人がYouTubeをどうしても辞めれない理由があった。

それは、グループのリーダーが語っていた。


「彼が好きだったものはYouTubeだし、4人だった。

それは絶対に無くしたくない。」


「彼はあれだけスゴいやつだから、俺らがもっともっと頑張って

いろんな素晴らしい作品を作って、あいつを伝説にしてやりたい。」


「何よりずっと大好きな4人を終わらせたくないし、前に進み続けたい。」


それから、

「いろんな人が悲しい気持ちになったと思う。でもそのなかで、俺たちを支えてくれたYouTuberの仲間だったり、地元の友だちだったり、高校の同級生だったり、親だったり、視聴者のみんなだったり、そういう人たちは絶対に大切にしないとだめだなって思うし、一生守りたいな。恩返しがしたい」

と、熱く語っていた。


愛してやまない赤髪の彼のために、

自分を支えてくれた人たちのために

彼らは止まらずに走り続けていくのだろう。


この動画を見てからはずっと見れなかった彼のいない動画を見るようになった。

もうこの世にいない彼の部分を必死にカバーしようと一生懸命にやっていた。

彼がいなくても、素直に面白くてたまらないし

応援したいという気持ちになってくる。


3人はきっと彼の分までこれからも恩返しをしながらも

常に走り続けていくんだなと思うと、胸が熱くなると同時に

応援し続けたいと心から思う。


私の今の夢は

『大好きな人たちと大切な時間を過ごしていくこと』だ。

正直これといってなりたいものもないし、欲しいものもない。

ただ、大好きな人たちとの時間は大切に守っていきたいと思う。


なかなか、親孝行も恩返しもできない未熟な部分がある。

やっぱり、まだ19歳子どもなんだなと思ってしまし

かなりの自由人で気分屋な私だからこそ時間がかかってしまう。


でも、やっぱりどんなに時間がかかったとしても

きっとこの感謝の気持ちと愛してやまない気持ちだけは忘れたくない。

これから先どんな人と出会っても大切にしていきたい。


もし後悔してしまうことがあるとすれば、

『大好きな人たちと大切な時間を過ごせなくなる』ことかもしれない。


何もできないまま、終わってしまうことが今は1番怖い。


自分が死んでやりたい事をやれなかった後悔よりも、

大好きな人たちと大切な時間を過ごせないまま

一生その人に会えなくなってしまうことの方が強く後悔して

いつまでも引きずってしまう自信がある。


だからこそ、全力で好きな事をして

全力で大好きな人たちと向き合っていって

自分の夢である『大好きに人たちと大切な時間を過ごす』ことができるように

これからも自分らしく進んでいきたい。


きっと一生叶うことがない夢でもあるが

これから先もずっと叶えたい夢でもある。


こんな夢を持てる私はきっと誰よりも幸せなんだろう。


最後に、幼稚園から赤髪の彼と一緒にいた彼に

メンバーのひとりが弔辞で読んだ文を添えたいと思う。


『一緒に住んでいると様々な事があってね、話したくない時期もあったし君の元から離れたくなる時もあった。それでも去ることは出来なかった。血は繋がってないけど、本当の家族の様に思っていたからだ。


それじゃあまたね、いつも全然寝ないんだからちゃんと寝るんだよ。

大好きだよ。バイバイ。』








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19歳。 19歳 @nijioko

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