第2話 走り続けない


こんにちは、19歳です。


先日、長崎の実家の方に帰りました。

母の誕生日もあったため、母と一緒に買い物にもいきました。


その日の夜は散歩がてら田舎の町を歩いて

風が冷たくて、懐かしい気持ちと大人になっていくことを実感させられました。


小さい頃はあったはずのお店が潰れていたり、

なかったはずのお店ができていたりと変わっていく町が

すごく新鮮に感じてしまうこともありました。


散歩していてだんだん暇になって

急遽、友だちに電話してご飯に行くことにしました。


そんな中、将来起業したいと考えてる男の子に会いました。


彼は20歳で高校のクラスではかなりの好成績で

福祉関係のことを学んでいる人です。

バイトではシフトを組んだりと軽い役職の仕事を任されていたり

親の介護の会社でもバイトをしたりとしています。


さらに、彼は2018年大学1年生の時に

短い期間ではありますが手羽先屋を大学の友達と開いてみたりと

かなりアクティブです。


別れてはしまいましたが、彼女とは4年以上付き合ったりと

優しく、頭がかなりキレる人でした。


彼と私のエピソードを話すと、案外ないもので

唯一思い出せたものは「将来の夢」の話でした。


社会に出て18歳の時私はずっとなにかしらの経営をしたいと思っていました。

彼もその『経営』をしたいと考える人の一人でした。


でも、元は彼は福祉関係の教師になるために大学に行きましたが

経営者さんと話すことが多くなっていくにつれて

だんだんその夢が芽生えていったのだとか。


彼とはたまに電話しながら、お互いの情報交換を行ったり

経営の仕方で学んだことをアウトプットしたりと

よく話をしていました。


彼はバイト先で経営者さんの側で働いており、

彼が得るものは私よりもきっと多いものがあったでしょう。

親を経営者にもつ彼はきっとなにかしらのセンスがあるのかもしれない。


そんな彼の考えを聞くことが私は面白く

自分とは違うものを感じて得ていってるんだなと思いました。


ただ、そんな彼は悩んでいました。


何度もアクティブに行動はして何度も楽しいと思えるのに

急な虚無感に襲われてしまったり、

将来が急に見えなくなっていましていることにどこか不安に思っていること。


彼にとってこの悩みは意外にも苦しいでしょう。


以前は彼ともう一人の男の子によくこのことについて相談していたけど

その男の子は彼女ができて、話すことも女性関係のことばかり。

本当はもっと将来のことで話したいけど、女の人の話に合わせることで精一杯。

嫌いじゃないけど変に気を使ってしまうのだとか。


私は彼の話を聞いていて、とても懐かしい気持ちになりました。


私自身もやってもやっても先が見えなくなって

楽しいはずなのにどこか枠にとらわれてる感じがして

誰かに歩幅を合わせて苦しんだ時期がありました。


正直を言うとこれは『成長痛』だと思うんです。


素直になりたい自分がいて、素直になれない自分がいて

気持ちが不安定になってしまっている時期は

その人が一皮むけるタイミングだと思うんです。

私はそんな時期が2ヶ月ほどですが続いていたことがありました。


周りからは「すごい」「羨ましい」「才能」なんて言われても

なにも嬉しくなくて、後味が悪い感じ。


なにが正解かわからなくてとりあえず手探りなのに

やっぱりどこかドンピシャになてくれない感じ。


きっとどこか不安なんでしょうね。


今までどこかで成功体験を積み重ねてきたからこそ、

急にうまくいけないことに不安を感じてしまっているはずなのに

そんな自分を見つめようともしていない。


目に見えない何かに襲われていることの恐怖。

これって実感はしていないけどかなり苦しいんですよね。

誰が言うことも耳に入らない、常に疑心暗鬼。


破天荒だった、昔の自分がいなくなったような感覚。正直、震えてしまいます。


でも、そんな私が唯一彼に言えた言葉は

『なにもしない日を3日作る』と言うことです。


なんでそんなことを言ったのか、

彼は今まで常に走り続けてきました。


走り続けていないと、高校の成績もトップじゃなかっただろうし

バイト先で役職の仕事を任せてもらうこともなかったし

なんなら経営者の親の元で少しでも働くことはなかった。


ただ、彼は走り続けて常に成功してきた体験が多かった結果

初めて目に見えた結果が出なくなってきたことに虚無感を感じてしまったのだと

私は感じました。


私自身もそうでした。


成績もまあまあ良くて、常に彼氏がいた高校時代があって

介護の国家試験も125点中120点をとっていたり

会社に入っても同期の男の子より仕事ができる部分があったり

風俗の仕事を始めてもたった3ヶ月でお店でNo.1になったり


ビジネス関係では初収益をたった2ヶ月であげてみたり

インスタグラムのアカウントが1ヶ月でバズってみたり

同い年からも「すごい」と言われてみたりと

なかなかの成功体験をしてきました。(※自慢じゃないです。)


ただそんな時に作り上げてきたアカウントが消えてしまったり

思ったような成果が出てこなくなったりした時に

どうしても『虚無感』と言う壁にぶつかってしまいました。


ただ、休もうと思っていても

どこかプライドがあってここで休めば周りになんて思われるだろうとか

そんなことで休むことさえも拒んできました。


でも、いざ自分がダメになった時に

初めて1週間ほどなにもしない日を作ってみたんです。


今まで自分と向き合う機会もなかったから

その時、初めて自分と向き合ってみたんです。


今自分がどんな状態なのか、これからどうするべきなのか

なんのために動いているのか、どうしたら昔みたいに戻れるのか

とにかく嫌になってしまうほど向き合ってみたんです。


向き合うことって怖いんです。

みたくなかった自分の弱い姿を見てしまうのが嫌で避けてきたのに

面と向かってぶつかったら負けてしまうんじゃないかって

追い込まれて潰れてしまうんじゃないかって。


でも、しっかり向き合ってみて気づけたんです。

本当に自分がしたいことに、なんのためにやっていきたいのか。


私の夢は『大好きな人たちと大好きな時間を過ごすこと』です。


私はたくさんの人に恵まれています。

実家に帰れば美味しいご飯を作って受け入れてくれる家族がいて

突然電話して急にご飯に行こうって誘っても一緒に行ってくれる人がいます

したいことがあれば背中を押してくれる人がいます。


そんな人たちは当たり前じゃなく

きっと大切にしていかないといけないものなんだと思いました。


でも、この考えって常に走っていたらきっと見えないものでした。

一度止まってじっくり考えて、インターバルを入れることで見つめ直すことで

ここまで考えることができたのかなって思います。


『逃げ』は決してダメなことではありません。


ただ、そんな時にしっかり考えて

次に繋げられるようにどれだけ客観的見れるか

それが大切なだけなんです。


それができない『逃げ』は逃げじゃありません『怠惰』です。


目に見えないものは確かに怖い。

お化けだって目に見えないからこそ恐怖を感じてしまう。


でも、お化けなんて訳のわからない壁にぶつかってる訳じゃない。

絶対に倒せる壁にぶつかっている。


だが、永遠とその壁に打撃を加えたところで壊れはしない。

きっとどこかにその壁を壊すスイッチがあるのかもしれない。


そのために、一旦考えるための休憩を挟んで

じっくり考えてみてもいいと私は思っている。


きっとその中でいつか答えは見つかる。

だって、どんなに迷路に迷ったとしてもいつかは抜け出せてしまうのだから。



さあ、話が熱くなってきたところで今日は終わりにします。

最後まで読んでいただきありがとうございました。












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