1-10.物語の季節が秋ばかり

 あなたには、好きな季節はあるだろうか?私はある。秋が好きだ。そのせいか、無意識に物語を書いていると、だいたいの場合季節が秋〜冬の設定になっていることが多い。

 自分にとって、秋は割とテンションが上がるというか、そわそわわくわくする季節だ。苦手な夏が終わり、冬が近づき、空は青が高くなり、過ごしやすい天気が続き、美味しい食べ物が増え紅葉は綺麗で、年末ほどの忙しなさもない。最高の時期だ。

 秋はいい。無くならないで欲しいと思うものの一つだ。


 さて。

 自分の作品を振り返ると、カクヨムで公開しているだけでも、秋〜冬の期間を舞台にしたものがこれだけ出てきた。



「ディスプレイ越しに魔法をかけて」※現在非公開

 現代日本を舞台にしている。2学期の始まりから年明けまでのお話だ。


「ティーンズ・イン・ザ・ボックス」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054896730865

 未来のどこかのお話だが、9/30から10/31までの秋の時期を舞台にしている。季節柄のイベントもある。


「シンデレラなんかやっていられるか!」(現在は非公開)

 時期は不明だが、冒頭から「秋が来てくれたおかげ」という描写がある。


「アオイのすべて 〜第四十一代司教に係る司教記録本」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054888774935

 私たちからすれば異世界が舞台なので、明確に秋だと断言はできないが、10/31からの5日間の物語。


「七日間のラズベリー」(現在は非公開)

 現代日本が舞台。時期は不明だが、紅葉の時期の設定になっている。



 多い。それにしたって秋に偏っている。こんな風に、何も考えずにいると物語の中の季節が秋になってしまうのは、自分がいつも秋に焦がれているからだろう。

 でもよく考えてみると、夏の方が本当は描写がしやすいように思う。特に、沈黙の場面を書きやすいのがいい。黙っていても周りで蝉がじわじわ鳴いたり、何もしなくても背中に汗をかいたりするので、そういう時に夏は使い勝手がいい。

 それなのに、秋が好きだから秋の物語を書いてしまう。特に何の描写もなく、ただ淡々と秋である世界を。


 先日、「今年の夏の話を書こう」と決めて、ひとつ作品を作った。その時、本当に夏は書くことが多いなと驚いた記憶がある。


「この夏の、延長線上で」

https://kakuyomu.jp/works/1177354054921193056

 2020年の夏が舞台。そのため、みんなマスクをしたり外出を控えたりしている。


 夏の使い勝手の良さを改めて感じた。そして同時に、何を書いて/書かないかの選択の難しさも。



 書き手にとって、好きな季節やついつい設定してしまう季節というのはあるのだろうか?人それぞれにクセがあるのだとしたら、なんだか面白い。色んな人の物語を並べて、一年の季節をなぞるカレンダーが出来たら楽しそうだ。

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