十節 瘴気満ちる異形のはらわた(参)
「――見失いました!」
フィージャが吠えた。
「見失っただとお?」
アドルフ団長が悪人面を曲げた。
「フィージャ『周囲にいる奴ら』は、俺たちから遠ざかったのか?」
ボゥイ副団長が訊いた。
「いえ、違います。他の探索者団の音や匂いに混じって判別がつかなくなりました――」
無い眉根を寄せたフィージャが背後へ視線を送った。スロウハンド冒険者団の隊列後方からどやどやとついてきた素人探索者のうちの何組かが脇道へ入ってゆく。興味本意か探索データが目当てなの定かではないが、彼らは別行動を選択したようだ。
「後ろからついてきていた素人探索者どもが脇道に散り始めたのかあ――」
アドルフ団長がボヤいた。
「油断しきってるな、命知らずの連中だ」
ボゥイ副団長が顔を歪めた。他の連合の面々も呆れ顔やら苦々し気な表情で散開を始めた素人探索者を眺めている。
そうしていると突然、
「おい、くっそ! あの馬鹿学生どもは何を考えてやがる、戻ってこい!」
アドルフ団長が大通路へ目一杯の怒鳴り声を響かせた。
「どうしたんだい、アドルフ団長?」
イーゴリが訊いた。
「あっ、あの子たちまで別行動を――」
ゾラの視線の先に脇道へ消えようとする学生の小集団がいる。昨晩の野営中、アドルフやゾラと楽しそうに談笑していた学生六人組だった。
「ああ、この前の小生意気な意識高い系のクソ
ツクシは口角を邪悪に歪めた。
その横でボゥイ副団長もにっこりと頷いた。
「いや、ゾラ。あの学生どもを力づくでもつれ戻してきてくれ。団長の俺は隊列から離れるわけにもいかん。足の速いお前に頼めるか?」
アドルフ団長はゾラへ厳しい表情を向けた。
「何だよ、アドルフ。学校の後輩がそんなに可愛いか?」
ツクシは顔を歪めた。
ゲッコが苛々し始めた自分の師匠をポカンと眺めている。
その近くにいるイーゴリは難しそうな表情で黙っていた。
「アドルフは案外、お人好しなんだなァ――」
ゴロウは顎髭に手をやって苦笑いだ。
「うむ、確かに意外だ」
リュウは笑っている。
「アドルフ団長、彼らは私の知り合いでもありますよ。良ければ、ゾラと一緒に私も行ってきましょうか?」
無い眉根を寄せたフィージャが提案した。
その横にいたシャオシンは眉を寄せてフィージャを見つめている。
「いや、フィージャは隊列に残ってくれ。まだ、何があるか、わからねえからな――大人の行動は自己責任だ。死ぬ間際になって他人に泣きつくような無様を晒さないのなら、何だって好きにやればいい。だが、
アドルフ団長がいった。
「あの学生ども、もういい年齢に見えたがな?」
ツクシは不機嫌な顔をうつむけて呟いた。
「奴らはまだ
アドルフ団長は学生の姿が消えた脇道を睨んでいる。
「へえ、それがどうしたってんだ?」
ツクシが唸って返したが、表情厳しいアドルフ団長は返事をしない。
「わかった、アドルフ団長。一番、ボクの足が早いもんね」
笑顔のゾラが脇道へ走った。
周囲の面々は無言でゾラの背中を見送った。
全体の隊列はまだ停止中だ。
ゾラの姿が脇道にに消えた瞬間である。
「――あっ、駄目です、戻って、ゾラさん! 遠くから多くの悲鳴。すぐに戻ってきてください!」
フィージャが叫んだ。
その声が聞こえたのだろうか。
ゾラは脇道から後ろ歩きで姿を見せた。
「何だとお?」
「まさか攻撃されているのか?」
アドルフ団長とボゥイ副団長が同時に顔を歪めた。
「クソ! やっぱりこうきた。俺の悪い予感は外れた試しがねェんだよ――」
ツクシが魔刀の柄へ右手を滑らせた。
「――後ろだァ!」
ゴロウが物凄い大声で叫んだ。
「ゲゲッ!」
ゲッコが腰の偃月刀を引き抜いたが敵はまだ視認できない。
「これは大気が変質する匂い――」
フィージャが黒い鼻先を忙しなく動かした。
「お、鬼の力――魔導式ではないようだが?」
リュウが呻いた。
「大気が毒素化しておるぞえ、これは裏五行の――」
シャオシンの声が震えている。
「後方でひとが倒れているぞ、みんな警戒をしろ!」
イーゴリが大戦斧を肩から下ろして怒鳴った。もっともその声のほとんどが異形神の大回廊に響く多くの悲鳴や呻き声で掻き消された。
スロウハンド冒険者団の背後にいた素人探索者の集団が喉元を掻きむしったり、大気を必死に掴み取りながら踊るようにもがき苦しんでいる。彼らは彼女らは悶え苦しみながら倒れると、何かを吐き出すような仕草を見せながら動かなくなった。倒れたものは二百人以上いる。悲鳴や呻き声はまだ上がっている。しかし、もうその半数以上が死体のように見えた。阿鼻叫喚だ。異変を察知した団員たちがアドルフ団長のもとへ集合してきた。
以下は大まかにである、
銃歩兵姿が二百名余、β型導式機動鎧装備の機動歩兵姿が五十名余、導式陣砲収束器装備の
隊列の最後尾にいた団員に被害が出ている。
すでに団員の二十名前後が欠員――。
「――しまった、ゾラが!」
ツクシが吠えた。
「――これは」
ゾラは脇道を見やりながら後ずさりをしていた。
震えながら後ろへ送るその足元がひどく頼りない。
「みんな、こっちへ、来ちゃあ――」
ゾラは団の隊列へその美貌を向けた。
「駄目――」
声が震えていた。
全身も震えていた。
振り向けたゾラの顔の左半分が煮沸されたように泡立っている。
その肉のあぶくが爆発して血が飛んだ。
「駄目、かも――」
ゾラがくりんと白眼を剥いた。その
倒れたゾラは身動きをしない――。
「――おい、ゾラ!」
駆け寄ろうとしたツクシを、
「ちょ、ちょっと待て、ツクシ。あれに近寄ると死ぬ!」
「駄目だ、行くな、ツクシ!」
「ゲロゲロ、師匠、落チ着ケ!」
左右からゴロウとボゥイ副団長、後ろからゲッコが抱えて止めた。
「これは毒だ、大気が毒素化しているのだ」
リュウが強張った声でいった。
「北方の脇道から何らかの毒物が噴霧されていますね。すぐに退避したほうが良さそうですが?」
フィージャの表情は恐ろしいほどまで厳しい。
「ゾラが、何ということだ――アドルフ団長、早く全体へ退避の指示を!」
イーゴリが怒鳴った。
「うっ、うっう――」
シャオシンは真っ青になっている
「いや、待て。この攻撃に『アレ』を使用しているとなると、退避するのが安全だとは限らないぜえ――ゴロウ、リュウ、衛生兵ども、退魔の導式陣だ。導式陣・
アドルフ団長が怒鳴った。
「上書きしてあの
ゴロウが左手に鉄の錫杖、右手を髭面の前へやって
その足元から黄金の導式陣が展開された。
「
リュウが離れた場所まで走って、ゴロウ同様の陣の展開した。
「他も急げ、大通路へできるだけ大きな面積で陣を張れ、手の空いている奴は導式陣を展開するものを護衛しろ。動け、早く動け!」
アドルフ団長が怒鳴り散らすと、アドルフ団長を中心に東西南北で退魔の導式陣の展開が開始された。
大通路の路面が黄金の煌めきに塗り潰される。
「アドルフ、俺はゾラを助けに向こうへ――」
唸りながら歩を進めるツクシを、
「ゲロロ! 仲間ヲ失ウ悔シイ。ソレ、ゲッコモ今ハワカル。デモ、アッチ、スゴク危険。行クト、師匠、死ヌ!」
ゲッコが必死で止めている。
「ツクシ、待てやあ!」
アドルフ団長が怒鳴った。
「ゾラはまだ助かるかも知れんだろうが!」
ツクシは怒鳴り返した。
「ツクシ、いいか、よく聞け。俺たちが動けるのは退魔の導式陣が展開されている範囲だけなんだよお――」
アドルフ団長は歯噛みしながらいった。
「この緑色のモヤの所為か?」
ツクシは異形神の大回廊へ視線を巡らせた。導式陣が展開された範囲外は大気に緑色のモヤがかかっていた。目を凝らすと何本かある脇道から緑色の煙玉のようなものが定期的に飛んできていた。どうやらそれらが破裂して死を呼ぶ緑のモヤを広めているようだ。
「――そうだ。あれは導式陣・
アドルフ団長が低く唸った。
「あの緑色のモヤは毒ガスなのか、この閉鎖された空間で、敵はそんなものを使ってるのか!」
ツクシは怒鳴った。
「あれを機動・投射する軽導式陣砲収束器――一〇年式ソリウム・トキシック・エヴォーカーは、生身じゃあ危険すぎてとても扱えねえ。運用できるのは防毒装備を持っている王国陸軍の特殊部隊か、どんな兵装でも調達できる厄病神の連中だけだがなあ――だが、何故だ? こんなものまで使用して、俺たちを殺す必要はない筈だろうがあーッ!」
アドルフ団長が怒鳴って周囲に潜んでいる敵へ抗議する。
敵はその姿を見せないまま、この場にいた数百人のひとを一瞬で虐殺した――。
――腰の魔刀を引き抜いて、
「フィージャ。敵はどこだ」
ツクシが唸った。
ゲッコも偃月刀と円形盾を手にキョロキョロしている。
「います、確かにいますが!」
フィージャも両手に戦闘爪を装着済みだ。
その横でシャオシンが震えている。
「敵の足音がありません――ただ、導式機関の機動音が――」
もう近くにいる。
そう判断したフィージャは聴覚と嗅覚に加えて視覚も使った。
それでも敵が見つからない。
平面に敵はいないのだ。
残るは――。
「――上、上空に敵影!」
フィージャが叫んだ。
「――
アドルフ団長が天翔ける兵士の姿を見て呻いた。他の団員からも悲鳴に近い怨嗟の声が上がった。
導式剣術兵はタラリオン王国陸軍最強の白兵戦闘能力を持つ兵種なのだ。
「俺の導式ウィップで叩き落としてやる!」
飛び出したのはボゥイ副団長だった。
「ボゥイ、先走るんじゃあねェ、それは俺の役回りだろ!」
ツクシもあとを追ったが、猫人のアジリティには遅れをとる。
「二人とも、イキって陣の外へは出るな、敵の狙いはそれだあ!」
アドルフ団長が導式陣砲収束器を構えて怒鳴った。
「よくも、ゾラを――」
身を低くして疾走するボゥイ副団長が呟いた。導式ウィップは使用者の技量によりけりであるが最大で何十メートルも導式の刃を伸ばせる。走るボゥイ副団長が攻撃可能範囲に敵を捉えた。上空五十メートル付近を駆ける導式剣術兵だ。これを狙って、ボゥイ副団長の手元から赤い導式の刃が一直線に伸びたのだが――。
パンパンと上空で立て続けに発砲音が鳴った。
「――ぐっ!」
上から銃撃を受けてボゥイ副団長が倒れた。
しなる導式の刃は、あと一歩で敵へ届かない。
「しまった、ボゥイ!」
ツクシが呻いた。
「はっ、走りながら、あんな正確に狙撃しやがったのかあ――」
アドルフ団長が呻いた。
「立て続けに二発来た。奴らが使っているのは新式銃だぞ!」
ボゥイ副団長の元へ駆け寄った若い団員が悲鳴を上げた。
「あれがボルト・アクション式ライフル銃か――注意しろ、あの新式銃は続けて五発撃てる!」
アドルフ団長の近くで壮年の団員が怒鳴った。
「ぐおっ! やれやれ装甲で弾が逸れたか――」
導式陣展開中で動けないリュウの周辺にいた導式機動鎧装備の団員が、上空から銃撃を食らって悲鳴を上げた。装甲部分で銃弾を受けた場合は無事でいられるようだ。
「衛生兵だ、奴らは導式陣を展開している連中を狙ってるぞ!」
銃を持った団員が叫んだ。
「こっちも、撃て、撃ち返せ!」
地上からも応戦を開始したが――。
「だめだ、当たらねえ!」
「当たっても導式の障壁に弾かれちまう――」
「導式剣術兵を相手に先込め銃では厳しいぞ」
「直接打撃で奴らを叩かないと――」
「だが、敵は常に上空だぜ。銃以外でどうやって叩けばいい?」
銃持ちの団員たちは揃って顔を歪めた。
地上五十メートルを跳ねまわる敵――導式剣術兵に地上から放たれた弾が当たる気配はない。
「また脇道から出てきたぞ。何てこった、俺たちの敵は全員が導式剣術兵なのか?」
初老の団員が呟いた。
大通路の脇道から敵の増援が空を駆けて飛び出してくる。
地上へは脇道の奥から腐食瓦斯弾の投射が続いていた。
「奴ら、動きが早い――」
「一体、どこの部隊なんだ?」
「いや、は、早すぎるぞ――」
「
「あ、あんな動き俺は見たことがねえ!」
銃の照準の先で跳ねまわる導式剣術兵の速さに団員たちは表情を固めている。
「――全体、聞きやがれ!」
不機嫌な怒鳴り声が響き渡った。
アドルフ団長の声ではない。
ツクシである。
「――邪魔だぜ。そのすっトロくせえ銃撃を全部やめろ。今から俺が奴らを
ツクシは上空五十メートルを飛び交う敵影を睨みつけていた。
「おい、ツクシ。いくらお前でもあの距離じゃ届かねえ! 大人しく下がってろ。上から銃で狙われるぞお!」
アドルフ団長が怒鳴った。
「師匠、奴ラノ位置、チョト高スギル!」
導式陣を展開中のゴロウの前で、盾代わりになりながら叫んだゲッコの額へ、上空から飛来した鉛弾がぶち当たった。
「グッゲーッ!」
悲鳴を上げたゲッコは仰向けにぶっ倒れたが、
「ゲコゲコ。痛イ痛イ――」
額をさすりながらすぐに立ち上がった。超硬い緑のウロコがひとつ剥げ落ちた額から、ちょっぴり血が出ているが全然平気そうだ。その周囲にいた導式機動鎧装備の団員たちは、そのゲッコを(たぶん)仰天した表情で見つめていた。彼らの顔はすべて黒い防毒兜の下にあるので外から表情がわからない。
何にしろ、とんでもない生き物である。
「敵はツクシさんが持つ
フィージャが呟いた。
その横でシャオシンは薄暗がりの翼が揺れる死神の背を見つめている。
「敵はツクシさんの使う
イーゴリが呻いた。イーゴリは導式陣を展開する衛生兵を銃弾から守るため、その前に立って導式の防壁を展開し鉄壁と化している。他のドワーフ戦士五十名余も導式陣を展開するゴロウたちや衛生兵の周辺を導式機動鎧装備の団員と一緒に囲み盾役を務めていた。
彼らの疑問に応えずに死神は翼を広げた。
次の瞬間、虹のきらめきが上空一直線に伸びる。
残った結果は七つの色を持つ昇竜の軌跡だった。
「あっ、あぁあっ!」
地上にいた全員が驚愕した。
大通路の路面から上空五十メートル付近だ。
地上の銃撃が途切れて眼下の硝煙が薄くなると、はっきり目標を捉えることができた。その白子兵がライフル銃の照準に捉えてのは導式陣を展開していたリュウの頭部だ。地上に展開中である退魔の領域を消してしまえば展開されている毒が――毒素の執行者がすべての生命を抹殺する。
白子兵の集団は狙撃で敵集団の生命線を効率良く断絶する作戦だった。
「――おい、
死神が低く囁いた。
その死神は薄暗がりの翼を広げて地上五十メートルにいる。
白子兵は何の対応もできない。
事前の情報でこの『最も危険な敵』が持つ攻撃可能な範囲は歩幅にして十二歩と半分、カントレイア世界の距離単位に換算すると十五スリサズフィート(※おおよそで十メートル)前後だった。その攻撃範囲の外で白子兵の五体は安全に戦っていた筈だった。
その筈だった――。
「――高く跳べばそれでもう安全だと思っていたか?」
死神は下方向から縦一閃、すでに魔刀を跳ね上げている。股間から頭頂部まで一直線に突き抜ける斬撃で、白子兵の身体が左右二つに割れた。
「考えが甘ったるくてな、反吐が出るぜ、あ?」
死神が――ツクシが唸った。
「
またも唸った。
そして、
「このクソども、身のほどをわきまえろ!」
ツクシは咆哮する。
宙にいた他四体の白子兵はここでようやく『最悪にして最強の敵』の出現に気づいた。だが、もう遅い。彼らは全員がツクシの
為す術無し。
白子兵は千々き斬り裂かれて墜落した。
ツクシは十二歩半――十メートルの瞬間移動を縦へ五つ積み上げて上空五十メートルまで到達した。
零をいくつ積み上げても得られる結果は常に零――。
「――何だとお!」
アドルフ団長が絶叫した。二つ三つに分かれて落下してきた白子兵の死体が、しんと静まった大通路の路面へ激突して、ドチャドチャ音を立てる。
「ゲロゲロゲロ――」
ゲッコがパカンと大口を開けた。
「ツクシさんは、あんな遠くにまで移動ができたのですか――」
フィージャが呻いた。
死神の翼を広げてツクシが落下してくる。
「やはり、ツクシは伝説の『武神』じゃ。黄龍の血を与えるに相応しい
虹色に煌めく死神を食い入るように見つめていたシャオシンの声が、その美貌が、明らかに燃えていた。しかし、横にいたフィージャの耳は驚きで塞がっていて、それに気づかない。
「ツクシさんが一息で五体の敵を仕留めた!」
イーゴリが吠えると、表情を固めていた地上の団員たちから、ようやく「うおおっ!」歓声が上がった。
地上に激突する寸前、ツクシは虹のきらめきを散らして消失する。
その零秒後、
「フィージャ、残った敵の場所を俺に教えろ。この要領で、あの蚤の兵隊どもを片っ端から叩き斬る」
ツクシはフィージャの眼前で唸っていた。
その右手の先で血化粧を整えた魔刀がギラリと笑って見せる。
「――あっ、はい! 敵は東西の脇道の奥に潜んでいます。数はおおよそで十前後づつ」
我に返ったフィージャが報告したところで、
「――ゲロゲ!」
ゲッコが身を低くして疾走し、フィージャと向き合っていたツクシの背後へ出た。ガインガインと硬いウロコが飛び散る。師匠の背を狙って飛来した鉛弾を、ゲッコが身体で受け止めたのである。
ツクシが背後へ視線を送ると、
「師匠、腰抜ケドモ遠クカラ飛ビ道具使イ始メタ、気ヲツケロ!」
ゲッコがゲコゲコ吠えた。まともに二、三発の銃撃を受けたようだが、やっぱり全然元気そうである。
ツクシは必死なトカゲ面を見やって呆れ顔だ。
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