八節 若き骸の下(弐)

 昼を過ぎると、グェンの死を聞きつけた馴染み客が、ゴルゴダ酒場へ慰問に訪れた。ゴルゴダ酒場宿の常連は内陸と王都を行き来する冒険者や隊商が多い。だからたいてい、慰問に訪れるひとは堅気以上ヤクザ未満といった感じの気の荒そうな、旅慣れた感じの野郎どもだ。少数だが女性が交じる集団もある。だが、その女性たちも細面に派手な向こう傷があったり、男でも振り回すのに苦労しそうな重い刃物を腰から吊っていたりと、勇ましい感じだった。

「女将さん、グェンは残念だったな」

 エイダに声をかけたのは、丸テーブル席についた、あばた面の、強面の言葉をそのままにしたような中年男だ。

「賞金首狩りなら、俺たちに全部まかせろよ、女将さん。引退してから堅気を通しているあんたが裏街道へ出張る必要はねえんだからな」

 口髭男の横に座ったスキンヘッドの筋肉の巨塊がいった。

「おうよ、女将さん、すぐにでも冒険者管理協会館に賞金首の申請をしてきな!」

 口髭男とスキンヘッドと同じ席についた、ギョロリとした目つきの金髪男が高い声でいった。

「橋の下にいた乞食が何人か警備隊に捕まったらしいが――」

 同じテーブル席についた強面連中に比べれば、大人めな服装で紳士的に見えるが、しかし、落ち窪んだ眼窩にある眼つきも鋭い中年の男が唸った。

「――あのグェンが、浮浪者どもに? 馬鹿か? ありえん」

 紳士的な不良中年の背面の丸テーブル席にいた、毛皮のベストを着た大男が顔を向けずにいった。

 スキンヘッドが腰を浮かせて、

「何だあ、てめえ、その口の利き方は?」

「お、叩き殺されたいのか、このハゲ?」

 毛皮のベストを着た大男が顔だけを後ろに向けた。まるで熊のような面構えである。その形相に禿頭の筋肉達磨が怯んだ様子はない。派手な喧嘩が始まりそうな気配だったが、口髭男がギロリと睨みを利かせると、スキンヘッドの男が不満気に態度を示しつつも椅子へでかい尻を戻した。

「そうだぜ、ご同業。グェンを殺ったのは他所よその区の餓鬼集団レギオンだ――」

 熊男も出した牙を引っ込めた。

「団長、俺も聞いたぜ。最近は荒れているらしいじゃないか。マディアの――何ていったか、ファナクティクス?」

 熊男の丸テーブル席にいた、ゴブリン族の男が甲高い声を上げた。

「確かに最近、グェンたちは顔に色をつけていたよね――」

 頬に古傷のある女が視線を下へ向けた。

 エイダは客がついた丸テーブル席へ飲み物の入った杯を並べながら荒っぽい気遣いに弱い笑みで対応している――。

 リカルドがワインの杯を置いて、

「今日は長居すると迷惑になるだろう」

 ニーナも席を立って遠慮がちに、

「ツクシ、気を落とさないで。王都ではよくあることなの――」

「ああ――」

 ツクシは不機嫌な短い返事をした。リカルドとニーナは肩を並べてゴルゴダ酒場宿から出ていった。父も娘も朝方と同じ導式鎧姿だ。だが今日は視線を落としてガシャンガシャンと歩く父と娘の背が弱々しいものに見え――。


 ツクシが喉元へせり上がってくる憤りを酒で押し戻していると、

「ツクシ、グェンがられたってのは本当なのか?」

「――ああ」

 カウンター席から振り向かずにツクシがいった。

「くっそ! ジャダ、あの野郎!」

「――ジャダだと? そいつがグェンをったのか?」

 そこでようやくツクシはカウンター席から振り向いた。ゴロウがツクシの後ろに突っ立っている。血走ったどんぐりまなこを不健康に光らせたゴロウは一夜にしてやつれたように見えた。

「いや、違う。ツクシ、そうじゃねえ。ジャダは違うぜ――」

 ゴロウは視線を落とした。

「――なあ、ゴロウ」

 ツクシが不機嫌な声を投げつけた。

「何だ?」

 ゴロウが顔を上げた。

「グェンを殺った奴に心当たりがあるか?」

 ツクシが不機嫌なまま訊いた。

「ツクシ、それを知ってどうするつもりだ?」

 ゴロウがツクシを睨んだ。

「――わからん」

 ツクシはゴロウを睨んだ。

 ゴロウが不機嫌とまともにぶつかっていた視線を外して、

「よくある話なんだよォ」

「――何がだよ?」

餓鬼集団レギオンの抗争で死人が出ることだ」

 ゴロウはツクシを怒鳴りつけたい気分だったが歯を食いしばって耐える。

「――子供同士がきどもの喧嘩でか?」

 ツクシが唸った。

 それはひとのものとは思えないような響きの声だった。

「グェンたちは、そうやって生きてきたんだ」

 ゴロウが顔を上げると、ツクシはもう背を見せていて、

「ああ、そうなんだろうがな」

「ツクシ、俺ァ、用があるから行くぜ。くっそ、グェン、お前は、お前らは、どうして、いつも俺のいうことを――」

 ゴロウがこぼしたところで、ここにはグェンも子供たちもいない。

「おい、ゴロウ」

 ツクシが呼び止めた。

「あァ?」

 ゴロウが大きな背中越しに顔だけを向けた。

「ヤマさんは?」

「――ヤマは、ミシャについてもらってる。ミシャに外を出歩かれると俺の仕事が増えかねないからよォ」

「ミシャ?」

「昨日の晩、ここへ来た女だ」

「ああ――」

 ゴロウはゴルゴダ酒場宿を出ていった。

 二階からミュカレが降りてきて、ベッドにいるユキは呼びかけてもまるで返事がないと疲れた顔でいった。

 無理もねェ――。

 天涯孤独の身になったユキはグェンに助けられた。

 訊いたことはないが――。

 ツクシは空になったタンブラーを見つめた。

 ゴルゴダ・ギャングスタに所属している孤児たちは、グェンに助けられたものが多いのだろうな。

 あのグェンという威勢のいい子供ガキはそんな男だった。

 直接、訊いたことはない。

 グェン本人からそれをもう聞けない――。


 エイダは慰問にくるひとへ空元気で笑顔を見せた。

 ミュカレも腑抜けた笑顔を見せた。

 それを見た慰問客は何をいっていいのかわからなくなって口篭った。その誰もがエイダとミュカレのこんな表情かおをこれまで見たことがなかった。平日の昼間だがゴルゴダ酒場宿の客はいつもより多い。だが、喧騒はいつもよりずっと少ない。

 カウンター席に腰を下ろして、墓石のように押し黙ったツクシが、エールで口を湿らせているとシャルが表から駆け込できた。

 シャルは呼吸を荒げたまま階段をパタパタと上がってゆく。

 ツクシはシャルが階段から降りてきたのを見計らって、

「おい、シャル。お前、ちょっと、こっちへ来い!」

 馬鹿でかい声である。

 酒場にいたもの全員がツクシに注目した。

 おずおずと寄ってきたシャルが、

「な、なんですか、ツクシさん?」

 胸元で手を合わせて、内股気味に歩くシャルの仕草は女の子っぽいが、これは男子である。

「お前、ちょっとここに座れ」

 ツクシが乱暴に隣の椅子を手で引いた。不機嫌を全身から発散するツクシの横に座りたがるひとはいない。横の席はたいていの時間帯で空いている。

「あっ、はい――」

 シャルがツクシの横へちょこんと腰かけて、頭に乗せたハンチング・ハットを手にとった。そうすると、ゆるゆると波打つ栗毛色の髪が、シャルのエルフ耳にかかる。

 ツクシがシャルへ顔を寄せて、

「グェンたちはこれまでどこの誰と喧嘩をしていた? 喧嘩でなくて戦争か? まあ、何でもいい、お前らの状況を詳しく教えろ」

「えとえと、それは家族ファミリー以外のひとには――」

 声が小さい。

 視線を落としたシャルは小刻みに震えていた。

 そのくらい、ツクシの形相が凄まじいのである。

「シャル、嫌でも応えてもらうぜ。大人を舐めるんじゃねェぞ――」

 ツクシがシャルを本気で恫喝した。

「あうっ、あうぅ――」

 シャルが顔をうつむけたまま盗み見ると、ツクシは眉尻を天高く吊り上げ、目つきは刃物のように鋭かった。

 シャルは唇をきゅっと結んでこれに耐えた。

 眼光鋭い三白眼が益々と強くシャルを睨む。

「あぅう――きっ、きっかけは、大人の戦争が始まったことだと思います――」

 シャルが観念して語りだした。

 どうも、シャルはマコトから口止めをされていたようである。

 餓鬼集団マディア・ファナクティクスは王都は一二番区マディアの倉庫街を活動拠点とする不良少年集団で、その倉庫街は王都の外郭に沿って形成される貧民街の中心に当たる。王都で最も貧しい若者を主な構成員としていたマディア・ファナクティクスは、王都に無数ある餓鬼集団のなかでも元より屈指の武闘派だった。それに加えて、タラリオン王国と魔帝国との間で戦争が始まると、王都へ流入する田舎の若者たちを積極的に受け入れて組織をさらに拡大、その行動も過激化したという。

「それでも、僕たちは――ゴルゴダ・ギャングスタは十二番区との喧嘩を避けてました。それまではグェンが上手くやっていたんです。でも、マディア・ファナクティクスの新しい指導者リーダーは全然、僕たちの話を聞いてくれなくて――」

 ツクシが頷いて促すとシャルは話を続けた。

 元々、マディア・ファナクティクスの指導者は頭に黒いバンダナを巻いた、面長の顔に赤い唇の、背が高い小悪党チンピラ――エンリコ・ベルナンデスだった。だが、気づくと指導者が交代していた。今の指導者は、カールのかかった金髪に碧眼の若者で、その名前をフランクという。フランクは一見すると宿無し不良少年には見えない貴族風の優男だ。

 そのフランクが新しい指導者になった途端、マディア・ファナクティクスは見境いなしに周辺の餓鬼集団を襲うようになった。フランクは手始めに王都十一番区小ヤコブを縄張りにしていた餓鬼集団ヤコブ・ボヘミアンを襲撃してこれを壊滅させ、生き残りをすべて自分の配下とした。次にフランクは王都十二番区の北に隣接している王都八番区トマスを縄張りにしていた餓鬼集団トマス・パワーズを攻撃し、これも傘下に加えた。そのあとも、末端の餓鬼集団を次々襲い続け、遂にはグェンが率いていたゴルゴダ・ギャングスタとも衝突するようになった――。

「――フランクが僕たちと戦争をしている餓鬼集団レギオンマディア・ファナクティクスの指導者です。その部下はエンリコ・ベルナンデス、元は十一番区の餓鬼集団の指導者をやっていた双子兄弟のチャドとミケル。チャドのほうは最近になって行方不明になりました。それと、元八番区の餓鬼集団の指導者をしていたハービー・ベントリー。あとは流民の不良をまとめるマシラ・ルカワが組織を仕切っています。あともう一人は『包帯男』で――これが一番凶悪な奴なんです。でも、この包帯男の名前は調べても調べてもわかんない。滅多に表へ出てこないし、ずっと、包帯で顔を隠しているから。でも、包帯男はマディア・ファナクティクスの指導者補佐サブ・リーダーなのは間違いないみたいで――」

 シャルが上目遣いにちらちらとツクシへ視線を送りながら、自分たちと敵対しているグループの詳細な情報を語った。

「驚いたぜ。よくそこまで調べたな、シャル」

 ツクシは目を見開いた。

 シャルは頬赤らめて視線を泳がせながら、

「あっ、僕は方々の酒場を回って演奏をしてます。それだから――」

「なるほどな、お前の本業は『情報屋』なのか?」

 ツクシが頷いた。リュート演奏の名人であるシャルはゴルゴダ酒場宿にいたりいなかったりする不思議な少年で、普段からツクシは少し不可解に思っていたのだ。

「そうです、話題を集めるのも吟遊詩人の仕事なんです。僕のママも――」

 頷いたシャルがりんご酒の杯に唇を寄せた。

 少し迷ったあと、ツクシは訊いた。

「シャルのママはどうしたんだ?」

「僕とママは、緑の妖精旅楽団と一緒に旅芸人をしていて――」

「――うん」

「南から王都まで来たとき、ちょうど屍鬼がいっぱい墓場から出てきて。それで、逃げ回っている最中、僕はママとはぐれて。僕のママはヒト族で、お父さんは――多分、エルフ族なんだろうけど、お父さんはずっといなかったんです。お父さんみたいなひとは何人もいたけど、でもそれは、みんな、ヒト族だったから、たぶん――」

「――そうか。シャル、もういい。わかった」

 ツクシは顔を歪めて、シャルの話を遮った。

「はい――」

 視線を落としたままシャルが頷いた。

 頷いて返したツクシも視線を落とした。

 聞いた話を整理すると、グェンたちと敵対していたのは、十二番区の倉庫街を根城にしている餓鬼集団であるとのこと。

 以下が餓鬼集団・マディア・ファナクティクス中心メンバー。

 フランク――貴族風の青年で餓鬼集団の指導者。

 エンリコ・ベルナンデス――元はリーダーの青年で現在はフランクの手下。

 チャド・ジルベール――顔の右半分に植物柄の刺青を入れた青年。現在は行方不明。

 ミケル・ジルベール――顔の左半分に植物柄の刺青を入れた青年。

 ハービー・ベントリー――黒い肌の巨漢。

 マシラ・ルカワ――猿のような顔の男。

 包帯男――おそらく指導者補佐。顔に包帯を巻いた男。

『ああよォ、たぶん、そいつらは餓鬼集団に所属している連中だ。ツクシ、王都には数えきれないほど餓鬼集団があってな。グェンのところみたいに堅気を通している奴らは少数派なんだよ。ピンキリだがな。ここで死んだそいつらは、クソみてえなチンピラの部類でいいと思うぜ。それでも、子供には違いねえけどな――』

 ツクシがネストでひとを殺めたときゴロウがいった台詞。

 顔半分に刺青が入ったなま首。

 あの場所から逃げ去った猿顔の男。

 目立つ場所に吊るされたグェンの亡骸。

 グェンの亡骸をゴルゴダ酒場宿前の街路灯に吊るす決断をした奴らは、誰にグェンの死を見せつけたかったのか。

 一体、誰に――。

 ツクシのなかで物事の不愉快な繋がりができつつある。

「――そいつらが、グェンを殺したのか?」

 ツクシがふいに顔を上げた。

 シャルを刃引き抜きの殺気が唐突に刺し貫く。

「――ん、びゃあっ!」

 シャルは髪の毛を全部逆立てて、椅子からおしりをぴょんと浮かせた。ツクシの面構えをガクガク震えながら凝視するシャルの瞳には涙が目一杯溜まっている。

「ああ、おう。いや、シャル、すまん。そんなに怖かったか――」

「はっ、はい! 昨日の夜、僕たちの管理室が襲撃されました。グェンもそこにいたんです。逃げ切った仲間が襲撃してきたマディア・ファナクティクスのメンバーをはっきり見ました。だから、グェンを殺したのはマディア・ファナクティクスの誰かです。それだけは間違いないです――」

 シャルは震えながらも、ツクシの不機嫌な顔を真正面から見つめて断言した。

「――その管理室ってのは?」

 ツクシは眉根を寄せた。

「地下にある昔の排水路管理室のことです。今は何も管理してないけど、扉のプレートにはそう書いてあるから、だから、家族ファミリのみんなはアジトのことを管理室って――」

 シャルの視線が下へ落ちた。

 屍鬼動乱に巻き込まれて母親を亡くし、緑の妖精旅楽団からもはぐれ、王都で途方に暮れていたシャルへ声をかけたのはグェンだった。

 寝る場所に困っていたシャルを得意気に管理室へ案内したのはグェンだった。

 右も左もわからないシャルへ、仲間たちやゴルゴダ酒場宿の気のいい大人たちを紹介してくれたのも、グェンだった。

「地下? ああ、グェンたちは地下道で寝ているって、前に女将さんがいっていたな――」

 ツクシはうつむいて震え出したシャルから視線を外した。

「きっ、昨日の管理室には、いつも通り、ゴルゴダ酒場宿に来ていない僕たちの家族ファミリー――十三番区の孤児こどもがたくさん寝ていて――夜が遅かったから――」

 シャルがうなだれた。

「――ああ」

 唸るような返事をして、ツクシがエールの杯を手にとった。

「みんなを逃がすのに、グェンだけ最後まで――」

 シャルは沈黙した。

「それで、お前らはグェンの弔い合戦をやるのか。マディア・ファナクティクスのアジトは王都のどこにある?」

 ツクシが低い声で訊いた。

 シャルは応えなかった。

「お前らだけでやるのか、お前らの手でやりたいのか?」

 もう一度、ツクシは訊いた。

 シャルは応えない。

「――もう、お前らはやっているのか」

 諦めて、ツクシがいった。

 シャルはやはり応えない。

 強く唇を噛んでうつむいたシャルは、はっきりわかるほど身体を震わせていた。ハーフ・エルフのシャルは女の子のように色鮮やかな唇を持っている。だが、その唇の間から漏れる泣き声は聞こえない。シャルは美少女のような容姿なのだが、それでもやはり、シャルは男の子なのである。

 シャル・キンナリーは男なのだった。


 §


 場所は、ゴルゴダ区役所の西の区画、入り組んだ路地裏の奥にある酒場宿――明けの明星の前。

「仕事が遅いんだよ、ジャダ――」

 ゴロウが唸った。

 あえて個性を出さないように努めているような、古ぼけた酒場宿の出入口は内側から閉まる頑丈な鎧戸で硬く閉じられている。王都の夜を走る名もなき盗賊ギルドの窃盗団が、拠点として使うことが多いその宿は、たいていは二十四時間、開け放たれている。その扉が閉まっているときは、彼らが仕事中の合図だ。昨夜、十二番区の餓鬼集団に襲撃を受けた女衒街の五番通りは長い間、ジャダの領域シマで、今でもそうである。

「――仕事が遅えんだよ、ジャダァ!」

 ゴロウが鎧戸を怒鳴りつけた。近くをのろのろと歩いていた、あばら骨が浮くほど痩せた灰色の犬が一匹、その咆哮に驚いて後ろを何度も振り返りつつ逃げていった。

 ゴロウが唸っても、怒鳴っても扉は開く気配がない。

「ジャダよォ、ローザがよォ、ローザが消えちまったんだよォ――」

 憔悴したゴロウの髭面を夕陽が赤く染めていた。

 ゴロウの幼馴染であり、ジャダとも旧知の仲である娼婦のローザ・ヴァイオレットが、女衒街で起こった騒ぎに巻き込まれて行方不明になった。

 しばらくの間、ゴロウはそこに佇んでいた。

 だが、やがて、大きな背中を丸めたゴロウは来た道を引き返していった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る