印象操作

 ひろゆき氏が、「ぼくは『はい論破!』なんて言ったことはないんですけど」とコメントしていた。世間でこの言葉が独り歩きし、なぜか彼といえばこの言葉、みたいなものとして勝手に扱われている。

『それってあなたの感想ですよね?』も、巷の子どもがマネするほどひろゆきの言葉として印象付けられているが、8年前に一度しか口にしていない言葉なのだそう。



 世間には、そういうことは山ほどある。

 ファーストガンダムの『アムロ、ガンダム、行きまーす!』も一度しか言ってない。大昔の話で『巨人の星』の星一徹も、ちゃぶ台返しは一回しかやっていない。

 ではなぜ、そのような一回しかやっていないことが「それイコールその人」みたいなことになってしまうのか?



●印象操作



 これに尽きる。

 実際には一回でも、それに強烈な印象(良きにつけ悪しきにつけ)をもったある人物が、他の皆にも同じ思いを持ってもらいたいという願望が発動して、そのたったの一回を繰り返し、何度も他者に伝える。

 そうしてただ一回のものを何度も目にすることで、あたかも「それが何度もある定番のもの(言葉)」のように錯覚されてしまうのである。



 筆者はその昔、やはり「覚醒者」としてある程度名のある人物と動画でコラボして対談をしたことがある。その人物をして言わしめていた。

「私はこうしてお話する以前、テラさんに関しては悪い噂ばかり聞いていましたので、お受けする前少々迷いがありました」

 自称他称覚醒者でも、ちょっとはそういうものに揺らぐのだ。(笑)

 私は自分の過去の発言、行動を見返してみて、何ら悪く思われて当然なような言動をしたことはない。もちろん、深く関わることできつい言葉を投げかけた人物は個人的にいるが、その人から言われるならまだ分かる。誰だか分からんような、匿名掲示板に湧くやつらに相当ひどいことを言われたようだ。

 常識的な人なら、私が悪人などという判断はしないだろう。つまりは、「その人にとっては私の発言がウィークポイントをえぐるような言葉に受け取れたので(要するにその人自身の問題)、勝手に腹を立てた」のである。そうして、個人的に勝手に恨みの感情をもったその人は、他人にも「自分と同じようにテラを嫌ってほしい」という願望のゆえに、何度も私を罵る言葉をまき散らす。



 別に私は誰に何を思われてもいい。ただ皆さんのために言うと、印象操作というやつに騙されたら損ですよ、ということ。個人(あるいは組織)の利益のために、小さなことを大きく見せて世論をミスリードする、ということがあるのだから。

 何でも「たやすい道ばかり選びすぎるな」ということだ。噂を鵜呑みではなく、ちょっとは自分の力で偏らない情報収集をし、自分の力で考えてみることだ。

 そうしたら、見えてくるものがある。あれっ、これって決定的な証拠もないんじゃ? みんなが勝手にそう受け取っているだけなんじゃ? と色々と発見があって楽しいですよ。

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