何でも悪く捉える習慣やめませんか

 昨日、岸田首相の息子が辞職するにあたってボーナスを受け取るや受け取らないやで世間の意見が混乱した話題を取り挙げた。

 辞職が6月1日付けであることを根拠として「ボーナス受け取る気」とひろゆき氏が言い、ほぼ似たタイミングで「首相の息子は退職金及びボーナスを含む手当の類を一切受け取らない意向である」と報道された。



 この話題は、1日たった今も継続していて、私が今朝読んだ記事でも——



●いくら「受け取らない意向である」と報道されても、6月1日付の退職である以上システム的に「受け取る意志に関わらず自動的(ある意味強制的)に指定の口座に振り込まれてしまう」



●つまり「受けとりません」はポーズであり格好つけである。結局は受け取ることになるのだ。それをまたあえて返納するという面倒をするかどうかなんて(本当に受け取らなかったどうかなんて)一般庶民には確かめるすべはない。



 ……とこのような論理展開がなされていた。

 言ってることが的を射ているかそうでないかは、この最重要でない。



〇このような意見がオフィシャルで発表されるようなこの世界が残念。



 詐欺師であるとか、その存在自体が「人を騙し陥れることが目的」なやつらに対しては、もし少しでもむこうにその可能性を抱いたなら疑えばよいし、それが確信に変わるなら厳正に対処してよい。

 でも、多少愚かさはあるにせよ首相もその息子も「国のための公僕」であるし、一応私たちのために働いている存在である。そういう人たちには、一定の敬意を払うべきと私は考える。具体的には——



●疑惑ではなく、本当に「事実」と断定されてから非難するべき。



 だからさきほどの記事のように「6月1日に在籍していることでボーナスは自動的に振り込まれる(はず)」「それを受け取らなかったなどの確認は不可(どうせ受け取るんやろ?)←邪推」は、事実と確定もしてないのに悪者扱い(受け取ると決めつける)しているということ。

 詐欺師の疑いがあるやつに対してそういう思考で対処するのはまだ分かるが、多少やり方は賢くなかったとはいえ私たちのリーダーだよ? その権威筋が「受け取らない意向」って言ってるんだから、もうそれでよくない?

 あとあと、「受け取らないと言っていたのに受け取っていた」という事実の裏が取れた発表がなされて初めて「あれウソやったんか!」と怒ればいいのだ。起きない先から「ああ言ってるが受け取るかもしれねぇぜ?」なんて、なんてひねくれているんだろう。



 お金がもったいない、と考えるのはさらに的外れ。

 252万円だかの額だが、仮にそれが首相の息子に渡らなかったとして、その浮いたお金が回りまわって国民のためになることなどない。それはもう「別の次元のお金」と考えたほうが良い。その次元の中でお金がどう移動しようが、こちらの世界には関係ない。

 この社会のシステムが根本から変わらない限り、政治の世界でのお金の動き方が多少マシに変わったところで国民の生活には何の影響もない。

 ならば、気にしてもしょうがない。あなたには一生縁がない政治の世界で、岸田首相の息子というまったくの他人がボーナスを受け取ろうがとるまいが、どうでもよくないか。そんなに、他人がラクな立場で大金をせしめることがゆるせないか? 私には、そんなことを考えて自分の心の世界を貧しくしていることのほうが大損だと思うのだが。



 受け取らないと言ってるのだから、何かの証拠でも出ない限り「そうなんですね」でいいのだ。なぜわざわざ「受け取るんじゃねぇの」という推測を展開しないといけないのか。それって、おいしいのか?

 私は、岸田首相は個人的にあまり好きではないし、やっていることにも納得はしていない。でも、住まわせてもらっている国のリーダーであるという事実には敬意を払っている。さっき「詐欺師みたいに最初から騙す気のやつらには疑ってかかってよい」と言った。もしかしたら世間には「首相(自民党)自体が詐欺師みたいなもん」と考えている人もいるかもしれない。

 もしそうだとしたら、そんな人を生んでしまう今の日本の状態というのは、相当まずいということである。 

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